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伝えるポスターを作る③

今回の内容は「3.デザインを考える」。
ポスター作りの工程、折り返しです。

この工程がめちゃめちゃ難しいです。でもとても楽しいです。
でもここだけでポスターのできあがりの8、9割くらいを占めるんじゃないかなあと思うくらい大切な部分なのでがんばりましょう。

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■ イメージのアイデアを出す ■

私の場合、
①連想ゲームのような感じでアイデアを出す
②過去に見た好きなデザインを思い出す

の2つを組み合わせてイメージのアイデアを出すことが多いです。

①連想ゲームのような感じでアイデアを出す

今回ポスターを作成するイベントから連想するものはこのあたりでしょうか。
抽象的なイメージばかりですが、なんとなーくこんなイメージかな?ということが頭の中で浮かべば素敵だと思います。
もちろんイベントに対するいろんなイメージが出れば出るほど最高です。

次に連想した単語から具体的な形や色を考えていきます。
形は簡単なもの、色は基本となる1色が考えられればOKです。

かっこいい系とかわいい系の2パターンを考えてみました。個人的なイメージは上図みたいな感じですね。
もし連想した単語から形や色を考えるのが難しければ、単語をGoogleの画像検索で検索すると、その単語に近いイメージの画像が出てくるので参考にしてみてください。

②過去に見た好きなデザインを思い出す

世の中にはたくさんの素敵なポスターや広告などがあふれています。
それこそプロによる考え抜かれたものばかりです。
普段からいろんなものを見て「あ、これ好きだなあ」というものを覚えておくと、いつか自分で何かを作るときに「前に見たあのデザインの感じがいいなあ」と思い出して、自分が作りたいもののイメージを固めやすくなります。頭の中の引き出しってやつですね。

ゼロから何かを生み出すことってとても大変ですが、引き出しがあるとちょっと楽になります。
たとえばポスターの場合、丸い図形を使っているのか四角い図形を使っているのかでだいぶ印象が異なると思いますし、同じ図形でも上部にあるのと下部にあるの、大きい小さいだけでもかなり変わってきます。
そういったものを少しでも覚えて引き出しに入れておくだけで、必要な時に必要なものを取り出して使うことができます。
ただし、引き出しに保存した素敵なアイデアとまるまる同じものを作るのではなく、アイデアをちょびっとお借りする程度で。


■ ポスターのラフを考える ■

①の連想ゲームで出した単語から得られたイメージと、②の好きなデザインの傾向を組み合わせて、情報(文字)の入ったポスターのラフ(デザインの下書き)を考えます。
今回は縦長で作っていきましょう。

…とはいったものの、どこから手をつけたらいいのでしょうか?
作りたいものの雰囲気やイメージはあるけど、どうやって形にしていけばいいのか分からない方も多いと思います。
まずは決まっているものから形にしていきましょう。

今の段階で決まっているものは、前々回、前回の記事でまとめた情報と先ほど考えた作りたいポスターのイメージです。
情報はこちら。★が付いているものは優先順位の高い(目立たせる)情報です。

【宣伝に必要な最低限の情報】
★イベント名
★開催日
★開催場所
・こんなことをする
・主催者
・定員(参加者の対象)
【イベントに参加する人に知ってもらいたい情報】
・参加費
・持ち物
・ルール

『宣伝に必要な最低限の情報』は、必ず伝えないといけない情報(1つでも欠けていると伝わりづらくなってしまう情報)なので、ポスターに必ず記載します。
まずはこの情報たちをポスターのどこに配置するのかを考えていきましょう。

ここで注意する点は、「読み手の目線を考える」ことです。

多くの人は横書きの場合、上から下へ、左上から右下にかけてZの流れで文章を読みます。
ということは、とくに伝えたい情報(目立たせたい情報)は下よりも上のほうに配置し、そこから順番に次に大きい情報、そしてさらに細かい情報を配置しておくと、読む人・見る人に対して伝えやすいデザインになりますね。
ためしに上下の配置を変えたものを作ってみました。

いかがでしょうか?
左側は上から下にかけて、文字が大きいものから小さいもの(優先順位の高い情報から低い情報)へと移っていき、読む順番が比較的分かりやすく、なんだかまとまって見えると思います。

対して右側ですが、上から読もうとしても下の文字が大きいので、視線が上にいったり下にいったり一瞬ごちゃっと見えてしまったのではないでしょうか?
左側のものと比べると読みづらさを感じたと思います。すべての情報を読みきるのに少し疲れる感じ。
これは、読み手の目線は上から下なのに、情報を詳細に読み込むためには下から上にかけて読まなければならず、パッと見たときにまずどこから読んでいいか分かりづらい=ちょっと読みづらい、というデザインになってしまっているからです。

読みやすいデザイン=読み手の目線を考えたデザインとは、『誰が見ても、どの順番で読めば詳細が読み込めるのか分かりやすいデザイン』なのだと思います。

もちろん必ずしも下から上にかけて読み込んでいくデザインが悪いとか、間違っているというわけではありません。
もしもデザインのラフで悩んだときは、「自分が初めてポスターを見たら、どこからどの順番で見るんだろう?」という『読み手の目線』になってみると、情報の配置が考えやすくなるのかなーと思います。

そんな感じで『宣伝に必要な最低限の情報』を盛り込んだポスターのデザインを『読み手の目線』になりながら作っていきます。

これだけでもう完成した気持ちになってます。ポスターらしくなってきたのではないでしょうか。

残っている情報は『イベントに参加する人に知ってもらいたい情報』なのですが、ここでこんなことに気付いた方がいると思います。

「読み手の目線の話の時に出たごちゃっとして見えたポスター、読みづらかったよね?」
「ということは文字がたくさん入ったポスターって見づらいんじゃない?」
「てか今作ったポスターのラフに文字入れるスペース全然ないじゃん!」

そうなのです。
ごちゃごちゃしてると読みづらいし、入れるスペースがないんです。
『イベントに参加する人に知ってもらいたい情報』、入れて読みづらくなってしまうなら入れなくていいんです

だって『宣伝に必要な最低限の情報』、もう入ってるもん!

情報を入れるスペースに余裕があって、なおかつ情報を入れてもごちゃごちゃ読みづらくならないのであれば入れていいと思います。
でも無理やり『宣伝に必要な最低限の情報』以外の情報をポスターに入れる必要はありません。

今回作成しているポスターはどちらかというと伝えやすさ重視の宣伝用ポスターなので、「こういうイベントがあるんだ!」と見た人に伝えられるだけでミッションクリアなのです。
見た人を必ず参加させるポスターではありません。見た人にイベントそのものを伝え、参加したいなーという気持ちにさせるポスターなのです。

ただし、『イベントに参加する人に知ってもらいたい情報』が全く伝わらないのも不親切なので、「参加を希望される方はこちらのアドレスへご連絡ください。」という一文をメールアドレスと添えて記載するとか、「詳しくはこちら!」と記載した横にQRコードを載せておくなどすると親切になりますね。

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だいぶ長くなってしまいました。お疲れさまでした。
今回の「3.デザインを考える」、要約すると、

①作りたいポスターのイメージを固め、
②必要な情報を盛り込みつつ、読みやすいラフを作る。
③載せなくてもいい情報は思い切って載せない。

みたいな感じですかね。

次回はラスト、いよいよ「4.実際に作る」です。
ソフトの操作説明的な作り方というよりは、どう作れば見やすいポスターが作れるのかなどに寄せた内容でnoteを書きたいと思います。

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