COVID-19情報:2023.12.21

皆様

本日のCOVID-19情報を共有します。

本日の論文は、LANCET系列より3編、Natureより1編です。

LANCETの1編目は、SARS-CoV-2粘膜抗体について、過去の感染、ワクチン接種、またはその両方の組み合わせの後に評価した研究です。現在利用可能なワクチンは強力な全身性抗体応答を誘発しますが、SARS-CoV-2感染はより高い抗体価の結合抗体および中和粘膜抗体を産生することが示されました。
2編目は、免疫介在性炎症性疾患患者において、COVID-19ブースターワクチン接種直後にメトトレキサート治療を2週間中断した場合、中断しなかった場合と比較して、SARS-CoV-2スパイク蛋白のS1受容体結合ドメイン(S1-RBD)に対する抗体反応およびSARS-CoV-2生中和が改善するかどうかを検討した研究です。免疫介在性炎症性疾患患者におけるメトトレキサート治療の2週間の中断は、COVID-19ブースターワクチン接種後の抗体応答を増強し、12週および26週においても持続しました。
3編目は、SARS-CoV-2 β変異型受容体結合ドメイン(RBD)を標的とした2種類のワクチン(組換えRBD-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質二量体、および膜アンカー型RBDをコードするmRNA)を評価した第I相試験の報告です。ワクチンに関連した重篤な有害事象および医学的に観察された有害事象は発生しませんでした。蛋白ワクチンの反応原性は軽度でしたが、mRNAワクチンは高用量で中等度の反応原性を示しました。抗RBD抗体反応は各ワクチンの高用量で最も良好でした。

Nature論文は、次世代ワクチンとしてのドライパウダーエアロゾルワクチンに関するNews&Views記事です。

報道に関しては、コロナワクチンの65歳以上高齢者への「定期接種」化、コロナワクチン供給の国際枠組みCOVAXが年内にも終了するとの報道、世界各地で急拡大しているコロナ派生型「JN.1」、咽頭結膜熱が減少する一方での溶連菌感染の増加など幅広い報道が出ています。
そのような記事においても、「肺炎はなぜ怖い、大きく4タイプ 日本で年7万人超が死亡:日本経済新聞」は必読です。
一般の人向けの記事としては、かなりよくまとまっています。

高橋謙造

1)論文関連      
LANCET
SARS-CoV-2 convalescence and hybrid immunity elicits mucosal immune responses

https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00459-0/fulltext

*SARS-CoV-2粘膜抗体について、過去の感染、ワクチン接種、またはその両方の組み合わせの後に評価した研究です。背景として、粘膜抗体は上気道におけるSARS-CoV-2感染に対する防御に重要な役割を果たしており、ウイルスの複製を抑制し、感染経路を限定する可能性があり、SARS-CoV-2に対する全身性免疫はよく理解されていますが、鼻粘膜表面に存在する抗体についての理解は限られています。
回復期、ワクチン接種後、ブレイクスルー感染者等の対象者143人から鼻汁と血清を採取しました。
血清と鼻汁のIgG反応には高い相関が認められ、ワクチン接種者では回復期に比べて両者とも高くなっていました。対照的に、鼻腔と全身のSARS-CoV-2 IgA応答には弱い相関がみられ、局所と全身のIgA応答が区分されていることが示されました。SARS-CoV-2分泌成分IgA(s-IgA)抗体は、粘膜表面にのみ存在し、鼻汁中にはワクチン接種者の少数でのみ検出され、既感染者では有意に高いという結果でした。鼻汁中のIgA抗体を減少させると、SARS-CoV-2に対する中和活性が著しく低下したことから、IgAが鼻粘膜における中和に重要な役割を果たしていることが示されました。SARS-CoV-2に対する中和活性は、ワクチン接種者と比較して、SARS-CoV-2感染既往者の粘膜で高くなっていました。
以上より、現在利用可能なワクチンは強力な全身性抗体応答を誘発しますが、SARS-CoV-2感染はより高い抗体価の結合抗体および中和粘膜抗体を産生することが示されました。今回の結果は、粘膜抗体を誘発するSARS-CoV-2ワクチンを開発することの重要性を支持するものであるとの事です。

Effect of a 2-week interruption in methotrexate treatment on COVID-19 vaccine response in people with immune-mediated inflammatory diseases (VROOM study): a randomised, open label, superiority trial

https://www.thelancet.com/journals/lanrhe/article/PIIS2665-9913(23)00298-9/fulltext

*免疫介在性炎症性疾患患者において、COVID-19ブースターワクチン接種直後にメトトレキサート治療を2週間中断した場合、中断しなかった場合と比較して、SARS-CoV-2スパイク蛋白のS1受容体結合ドメイン(S1-RBD)に対する抗体反応およびSARS-CoV-2生中和が改善するかどうかを検討した研究です。
英国内26病院の二次医療機関であるリウマチ科および皮膚科クリニックにおいて、多施設共同、非盲検、並行群間、無作為化、優越性試験を行いました。メトトレキサート(週25mg以下)を3ヵ月以上服用している免疫介在性炎症性疾患の成人(18歳以上)で、英国のCOVID-19ワクチン接種プログラムによる一次接種を2回受けた者を対象としました。参加者は、COVID-19ブースターワクチン接種直後から2週間メトトレキサート治療を一時中断する群と、通常通り治療を継続する群に、一元的に検証されたコンピュータプログラムを用いて無作為に割り付けられました(1:1)。主要アウトカムはCOVID-19ブースターワクチン接種4週間後のS1-RBD抗体価で、群割付けをマスクして評価しました。無作為に割り付けられた全患者が主要解析および安全性解析に組み入れられました。事前に計画された中間解析の後、早期に募集を停止しました。
2021年9月30日から2022年3月7日の間に685人をスクリーニングし、そのうち383人をメトトレキサート中止群(n=191、平均年齢58-8歳[SD 12.5]、女性118人[62%]、男性73人[38%])とメトトレキサート継続群(n=192、平均年齢59.3歳[11.9]、女性117人[61%]、男性75人[39%])に無作為に割り付けました。4週時の幾何平均S1-RBD抗体価は、メトトレキサート中止群で25,413 U/mL(95%信頼区間22,227-29,056)、メトトレキサート継続群で12,326 U/mL(同10,538-14,418)、幾何平均比(GMR)は2,08(95%信頼区間1.59-2.70、p<0.0001)でした。介入に関連した重篤な有害事象は発生しませんでした。
免疫介在性炎症性疾患患者におけるメトトレキサート治療の2週間の中断は、COVID-19ブースターワクチン接種後の抗体応答を増強し、12週および26週においても持続しました。一時的に炎症性疾患の再燃が増加したが、ほとんどは自己管理によるものでした。メトトレキサート中止の選択は、疾患の状態やCOVID-19による重篤な転帰に対する脆弱性に基づいて個別に行うべきであるとの結論です。

Interim results from a phase I randomized, placebo-controlled trial of novel SARS-CoV-2 beta variant receptor-binding domain recombinant protein and mRNA vaccines as a 4th dose booster

https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(23)00444-9/fulltext

*SARS-CoV-2 β変異型受容体結合ドメイン(RBD)を標的とした2種類のワクチン(組換えRBD-ヒトIgG1 Fc融合タンパク質二量体、および膜アンカー型RBDをコードするmRNA)を評価した第I相試験の報告です。
認可されたSARS-CoV-2ワクチンを3回接種したことのある18~64歳の健康な成人76人を、3回目のブーストワクチン接種またはSARS-CoV-2感染から少なくとも90日後に、アジュバント化(MF59®、CSL Seqirus)蛋白質ワクチン(5、15、45μg、N=32)、mRNAワクチン(10、20、50μg、N=32)、またはプラセボ(生理食塩水、N=12)のいずれかを4回目に接種する群に無作為に割り付けました。
採血は、接種後1日目(ワクチン接種前)、8日目、29日目に行いました。
ワクチンに関連した重篤な有害事象および医学的に観察された有害事象は発生しませんでした。蛋白ワクチンの反応原性は軽度でしたが、mRNAワクチンは高用量で中等度の反応原性を示しました。抗RBD抗体反応は各ワクチンの高用量で最も良好でした。同様のパターンが生ウイルス中和法、サロゲート中和法、偽ウイルス中和法でもみられました。BA.5および最近のomicron亜種(XBB、XBB.1.5およびBQ.1.1)に対しては、幅広い免疫応答が示されました。両ワクチンの結合抗体価は、認可された二価のmRNAワクチンと同等でした。両ワクチンともCD4+およびCD8+ T細胞の活性化を促進しました。
アジュバント化(MF59®、CSL Seqirus)蛋白質ワクチンの安全性に関する懸念はなく、反応原性プロファイルは軽度で、認可されたSARS-CoV-2ワクチンと同様でした。両ワクチンともβ株、先祖株、オミクロン株に対して強い免疫増強効果を示しました。

Nature
A next-generation inhalable dry powder COVID vaccine

*次世代ワクチンとしてのドライパウダーエアロゾルワクチンに関するNews&Views記事です。内容が参考になるため、全訳に近いかたちでまとめてあります。
◯これまでの筋肉注射ワクチン
・筋肉注射ワクチンでは、一般的に重症化予防には有効だが、急速に進化するコロナウイルスSARS-CoV-2変異株による感染予防には不向きであり、また、これらのワクチンは、高齢者や免疫不全の患者など、頻繁にブースター注射を必要とする高リスク集団には効果が低い。筋肉注射ワクチンは、SARS-CoV-2の侵入部位である気道の粘膜組織に免疫を誘導することができない。さらに、現在のCOVID-19ワクチンは、製造から輸送、最終的な保管、投与に至るまで、低温の「コールドチェーン」条件が必要である。
◯注射ワクチンでは得られない粘膜免疫を獲得するための、気道から投与できる注射ワクチン
・気道から投与されるワクチンは、鼻から上気道(URT: Upper respiratory tract)に噴霧するか、エアロゾルを口から吸入し、URTをバイパスして下気道(LRT: Lower respiratory tract)に投与するのが一般的である。エアロゾル化ワクチンは経鼻投与が可能であるが、動物では脳の一部(嗅球)に広がる可能性があり、ヒトに使用した場合、安全性に懸念が生じる可能性がある。
・吸入エアロゾル送達用に開発されているCOVID-19ワクチン候補の一部を除き、臨床開発中のワクチンのほとんどはウイルスベクターシステムに基づいており、鼻から送達される。これらはすべて液体製剤であるため、輸送と保管にコールドチェーンが必要となる。
◯コールドチェーン要件への対処
・このコールドチェーン要件に対処するため、Ye博士らは、直径4マイクロメートルまでの多孔質球にカプセル化されたペプチドベースのナノ粒子を用いて、コロナウイルスのスパイクタンパク質を標的とするワクチンを作製し、凍結法を用いて、室温で安定な乾燥粉末状のワクチンを製造した。
・これをマウス、ハムスター、霊長類に経口投与し、動物たちは肺の末端気道(気管支と呼ばれる小さな気道枝と肺胞と呼ばれるガス交換嚢)に吸入した。ワクチン製剤に使われたマイクロスフェア構造は、抗原と呼ばれるSARS-CoV-2のスパイク断片の免疫系への利用可能性を長くする。
・この研究は、呼吸器粘膜免疫系を直接標的とし、コールドチェーンを必要としない次世代COVID-19ワクチン戦略を開発するためのユニークなアプローチを提示している。このワクチンの安全性と免疫力は、ヒトでの臨床試験で検証される必要があるが、成功すれば、呼吸器粘膜免疫を誘導するための合理的なワクチン投与方法(液体で再構成する必要なし)を提供することになる。
・Ye氏らは、乾燥粉末注射が室温で少なくとも1ヵ月間安定であることを示したが、この安定性が室温以上でどのくらい持続するか、またワクチンの劣化が免疫力にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることが不可欠である。さらに、液体エアロゾル(大きさ2~5μm)として吸入されたウイルスベクターワクチンの安全性と効力は、ヒトで十分に証明されているが、この1~4μmの乾燥粉末ワクチンが、ヒトに吸入された場合に安全で免疫反応を促進するかどうかという疑問が残る。エアロゾルの大きさはLRT10におけるワクチン沈着部位を決定するため、肺の末端ガス交換ユニットを標的にすることは望ましくない炎症を引き起こす可能性があると考えられている。
◯安全性以外の留意点
・安全性への配慮のほかに、経鼻ワクチンと吸入エアゾールワクチンでは、ワクチンの分布場所や免疫の組織内分布が異なる。経鼻ワクチンの分布と粘膜免疫はURTに限定されるのに対し、吸入ではLRTにワクチンが沈着し、肺の主要気道全体に粘膜免疫が生じる。したがって、呼吸器粘膜への免疫経路としては、口からエアゾールを吸入する方法が望ましい。
・吸入用の乾燥粉末製剤を含め、ウイルス-ベクターおよびタンパク質ベースのCOVID-19ワクチンを開発するための多方面からのアプローチに取り組むことは有用であるが、これら2つのプラットフォームの安全性および免疫力については、ヒトでの比較はまだ行われていない。
・LRTに投与されたウイルスベクターワクチンは、抗体、T細胞と呼ばれる免疫細胞、免疫系の自然分枝からの「訓練された」防御(訓練された自然免疫)を含む強固な粘膜防御免疫を誘導することが動物モデルで示されており、臨床的にもよく知られている。Yeたちが開発したタイプのワクチンが、訓練された自然免疫を誘導するかどうかは不明であるが、タンパク質ベースの製剤は、必要なときに繰り返し投与することができる。対照的に、ウイルスベクターワクチンは、同じ種類のワクチンで繰り返し免疫すると、ウイルス骨格に対する既存の免疫がその効力を弱める可能性があるため、繰り返し使用することはできない。
・YeらはSARS-CoV-2スパイク抗原のレセプター結合部分をワクチンナノ粒子に封入した。単回吸入後、ワクチンはLRTに沈着し、抗体とT細胞を誘導し、動物モデルでSARS-CoV-2感染に対する強力な防御を提供した。またハムスターモデルでは、宿主から宿主へのウイルス感染も顕著に阻止した。
◯次世代ワクチン
・Ye氏らは先祖ウイルスとオミクロン株のスパイク抗原をワクチンに組み込むことが可能であることを示したが、その防御効果は評価されなかった。しかし、SARS-CoV-2は急速に進化し、抗体による標的を回避するため、ワクチン中のスパイク抗原を頻繁に更新することは、新型株の出現に対する有効な解決策とはならないかもしれない。この点で、COVID-19防御におけるT細胞免疫の重要な役割が認識されつつある。
・従って、次世代ワクチンのデザインには、スパイク抗原だけでなく、遺伝的に安定で進化的に保存されていることが知られているウイルス内部領域の抗原も含めることで、生成されるT細胞免疫の強さと幅を広げることが極めて重要になる。
・呼吸器粘膜への導入について臨床評価されている候補がウイルスベクターよりもタンパク質ベースのものが少ない理由のひとつは、ワクチン製剤に免疫刺激剤(アジュバント)を含める必要があるためである。注射用ワクチンに含まれる多くのアジュバントは、呼吸器免疫には適さない。Yeたちは、CTBと呼ばれる非毒性の細菌性タンパク質をアジュバントとして配合した。CTBは経口投与のヒトコレラワクチンに安全に使用されているが、ヒトが吸入した場合の安全性と有効性を調べる必要がある。
・経鼻投与後、CTBアジュバント添加ワクチンはマウスの嗅球で観察される。臨床試験に参加したヒトの中には、アジュバントとして別の種類の細菌毒素(LKT63)を含む経鼻ワクチンを接種した後、一過性の顔面神経麻痺(ベル麻痺)を発症した例もある。
・SARS-CoV-2だけでなく、他の感染症に対しても、呼吸器に送達できる次世代ワクチンを開発すべき時である。今回開発されたワクチンのような有望な候補をベンチから臨床試験に移行させることは、極めて重要な前進となる。これまでのところ、COVID-19ワクチンの臨床試験で、呼吸器免疫後のLRTにおける粘膜免疫の誘導を評価したものはほとんどない。今後の臨床試験では、気管支鏡を使ってLRTから免疫細胞を採取し、呼吸器粘膜免疫と相関する血流中のバイオマーカーを探索することで、このギャップを埋める必要がある。さらに、吸入可能なタンパク質ベースのナノ粒子ワクチンの送達装置、拡張性、価格についても検討する必要がある。

2) 治療薬、 ワクチン関連       
国内     
コロナワクチン、定期接種化へ 65歳以上対象、一部自己負担も―来年度以降方針・厚労省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023112200176&g=cov
*「厚生労働省の専門部会は22日、来年度以降の新型コロナウイルスワクチンの接種について、65歳以上の高齢者らは「定期接種」と位置付けることを了承した。接種費用は一部自己負担を原則とし、秋から冬に年1回の接種とする。」

塩野義製薬、コロナ変異型向けワクチンで最終段階の治験:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1876Z0Y3A211C2000000/
*「塩野義製薬は18日、新型コロナウイルスの変異型向けワクチンの最終段階の臨床試験(治験)を国内で開始したと発表した。オミクロン型の派生型「XBB.1.5」に対応する。2023年度内に有効性を確認し、24年の秋から冬にかけて発売をめざす。
承認済みの他社製ワクチンを2回以上接種した成人600人を対象に実施。300人にXBB.1.5に対応した他社製ワクチン、300人に塩野義のワクチンを接種し、効き目を比較する。」

海外     
コロナワクチン国際枠組み、年末に終了へ WHO発表:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR20EIQ0Q3A221C2000000/
*コロナワクチン供給の国際枠組み、12月末終了…WHO「20億回で270万人の死亡回避」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20231220-OYT1T50185/
*「世界保健機関(WHO)は20日までに、新型コロナウイルスワクチンの国際的な共同購入・分配の枠組みであるCOVAX(コバックス)を2023年末に終了すると発表した。これまで世界の146カ国でおよそ20億回分のワクチンを供給し、低所得国における接種率の向上に貢献した。
COVAXは日本など195の国・地域が参加する。低所得国を含めたワクチンの公平な分配を目指し、2020年に発足した。」

治療薬      
塩野義製薬、ゾコーバの販売権供与 シンガポール企業に:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF197Y00Z11C23A2000000/
*「塩野義製薬は19日、新型コロナウイルス感染症治療薬のゾコーバについて、シンガポールでの販売に向け現地の製薬会社、ジュニパー・セラピューティック社と契約を結んだと発表した。ジュニパー社が承認申請を目指して政府当局との協議を進め、承認された場合には販売も担う。契約一時金の有無や販売に応じた収益配分については非開示としている。」

3)診断・検査、サーベイランス関連
変異株     

Long COVID

国内        
インフルエンザ、二つのA型が流行 一度かかった場合も対策継続を - 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20231220/k00/00m/040/382000c
*「インフルエンザが全国で猛威を振るっている。現在、二つのタイプのA型ウイルスが同時に流行しており、「一度かかったから大丈夫」とは安心できない。年末年始は人が集まる機会も多く、手洗いやマスクの着用など基本的な感染対策が求められる。」

コロナ派生型「JN.1」、WHOが「注目すべき株」に 世界各地で急拡大 
https://www.bbc.com/japanese/67783073?fbclid=IwAR1rJssuqZhNFvcLI-4k0sjKfE5oc-s4u2iKI77qGocGb6780FijJSU7CZ8
*「世界保健機関(WHO)は19日、新型コロナウイルスのオミクロン株から派生した「JN.1」を「注目すべき変異株」(VOI)に指定したと発表した。「急速に拡大している」ためとしている。
JN.1はインド、中国、イギリス、アメリカなど世界各地の国々で確認されている。
WHOは、公衆衛生へのリスクは今のところ低く、現行のワクチンで予防効果が得られると説明。
ただし、この冬は新型ウイルスや他の感染症にかかる人が増える可能性があると警告している。」

「溶連菌感染症」の一種 都が初の警報発表 “感染対策を” 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231221/k10014294871000.html?fbclid=IwAR1bNNCFwEXmFmkeXSWGau0XpW6-G7wFnI1Y5VujpfPAKcQO5oOZENTfh-Y
*「主に子どもが感染し、発熱などの症状が出る「溶連菌感染症」の一種について東京都は、都内の患者数が基準を上回ったため初めて警報を発表し、今後、さらに流行が拡大する可能性もあるとしてこまめな手洗いなどの感染対策を呼びかけています。」

咽頭結膜熱 8週ぶり減少 溶連菌感染症は“過去10年最多”更新 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231219/k10014292431000.html
*「子どもの感染症に詳しい国立病院機構三重病院の谷口清州院長は「これから保育所や学校などが冬休みに入るため、患者数は一時的に減少するとみられるが年明けに再び増加する可能性がある。人が集まるところではマスクを着用する、換気を行うといった基本的な感染対策を引き続き取ってほしい。また、咽頭結膜熱のウイルスに対してはアルコール消毒が効きづらいので、手洗いで物理的にウイルスを洗い流すことが重要だ」と話しています。」

海外       
肺炎はなぜ怖い、大きく4タイプ 日本で年7万人超が死亡:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC058X70V01C23A2000000/
*「病院外の日常生活でかかる肺炎(市中肺炎)は、その原因によって、細菌性、ウイルス性、真菌性の大きく3タイプに分けられる。そして、院内感染による肺炎は別に扱われる。
多くの場合、「診断しただけでは、感染の原因が細菌、ウイルス、真菌のどれなのかを判断することはできません」とウー氏は言う。肺炎の原因に関しては、「最終的な確定がなされないことがほとんどです」。そこで医師は、患者の症状や病歴を見ながら、最適な治療方針を決めることになる。
最も多いのが細菌性の肺炎で、これは抗生物質で容易に治療できる。多くの肺炎患者は、抗生物質を投与すれば数日で症状が緩和し、気分もよくなる。「治療開始が早ければ早いほどいいです」とウー氏は言う。
肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌には予防ワクチンがある。米疾病対策センター(CDC)は小児や65歳以上の高齢者、特定の基礎疾患がある患者に接種を推奨しており、日本でもそれらの人々が定期接種の対象になっている。
ウイルス性肺炎は細菌性よりも少ないが、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス、軽い風邪のような症状を引き起こす場合が多いRSウイルスなどが原因となる。ウイルス感染の多くは、まず上気道から始まり、その後肺に移動する。
ウイルス感染が細菌性肺炎を起こすこともある。ウイルスに感染して免疫力が低下すると、二次感染が起こりやすくなるためだ。ウイルスに抗生物質は効かないが、感染を防ぐワクチンならある。年に1度のインフルエンザワクチンや新型コロナウイルスワクチン、そして接種対象であれば最新のRSウイルスワクチンを接種しておくと良いだろう。」

米国コロナ感染6割増 進まぬワクチン接種、有料化響く:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN15DQR0V11C23A2000000/
*「米国で新型コロナウイルスやインフルエンザ、RSウイルスなど呼吸器系感染症が急拡大している。米疾病対策センター(CDC)によると、12月上旬のコロナ新規入院患者数は1カ月前と比べ6割増えた。感染が広がる一方、ワクチンの無償提供の終了などで接種が進んでいない。米当局は重症患者が増えれば医療逼迫が起こる可能性を指摘している。」

4)対策関連
国内      
大分県と大分大学、感染症対応で連携 研究や人材育成:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC13AKY0T11C23A2000000/
*「大分県と大分大学は15日、感染症対応で連携するための協定を結んだ。改正地域保健法が4月に施行されたことを受け、県衛生環境研究センターが大分大グローカル感染症研究センターと協力して機能・体制を強化する。研究活動や人材育成に取り組み、今後発生が予想される新興感染症にも対応する。
具体的にはマダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」や、抗生物質(抗菌薬)が効かない「薬剤耐性菌」に関する研究を2つのセンターが連携して進めることなどを視野に入れている。」

海外       

5)社会・経済関連     
香川の小4、糖尿病リスク過去最悪16%…コロナ禍の運動不足が原因か : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20231220-OYT1T50071/

ワクチン接種呼びかけた忽那賢志・阪大教授をSNSで中傷、投稿者3人に賠償命令…大阪地裁 : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231220-OYT1T50061/

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