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シロクマ文芸部参加作品

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シロクマ文芸部に参加させていただいた作品です。
運営しているクリエイター

#ショートストーリー

夏祭り #シロクマ文芸部

ラムネの音がした。 瓶の中のビー玉がころがる「カラン」という音。 この音を聞くと、コウヘイ…

なかひろし
1か月前
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図書の時間 #シロクマ文芸部

白い靴、汚したくないなぁ…。 中学生のアキは降り出した雨を、教室の窓越しに恨めしそうに見…

なかひろし
2か月前
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flower shower #シロクマ文芸部

花吹雪が舞い、顔の上に落ちてきた。 散り際の桜の木がある川べりで、一人寝転んでいたケンは…

なかひろし
3か月前
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月に願いを #シロクマ文芸部

「朧月〜風を待つ身の〜淋しさよ〜」 突然立ち上がり、俳句を詠み出したケンの顔を見ながら、…

なかひろし
4か月前
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snow dream #シロクマ文芸部

雪化粧で病院の中庭は覆われていた。 「まだ降ってるわね」 病室の窓を開け、外を見ていたママ…

なかひろし
6か月前
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ハッピーバースデー #シロクマ文芸部

誕生日だからって何かが変わるわけじゃない。 ただ一つ年を積み重ねるだけ。大学受験を控えた…

なかひろし
8か月前
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秋桜と紅葉 #シロクマ文芸部

「秋桜になれるかな……」 前を歩く彼の背中に、私はそっとつぶやいた。 彼は振り返りもせず歩き続ける。 聞こえなかったようだ。 私は少しホッとして、そして少しがっかりした。 私の姉であるさくらの結婚式に参列した帰り。 秋晴れの雲ひとつない天気の中、紅葉がきれいな道を彼と一緒に歩いていた。 さくらと彼は小学校の同級生。 近所に住んでいたこともあり、さくらは彼とよく遊んでいて、私も時折り混ぜてもらっていた。 私は兄ができたようで嬉しく、一緒に遊ぶのをいつも心待ちにしていた。 そ