見出し画像

メキシコの在来種トウモロコシが彼女

 何故か神が降臨したかのごとく年末に気が狂ったようにタコスにハマり、東京の色んなメキシカンでタコスを食べるも「なんか違う?」と疑問に思い、日本のメキシカンで食べるタコスは小麦粉で作られる「フラワートルティーヤ」が多いという事を知り、それなら本場のタコスには欠かせない「トルティーヤ」の原料となるトウモロコシを育ててトルティーヤを作ってみてはどうかな?と思った矢先に奇跡的としか言いようがないモダンメキシカンの木屋シェフからのメキシコ在来種のトウモロコシを譲り受けはじまった「育苗」。

 自分でもやってみて思ったんですが種から発芽するまでをお世話する「育苗」は本当に毎日朝が楽しみになる。毎日植物と向き合う訳なのですが言葉も通じない植物の日々の変化を見て「元気ない」→「なんでやねん?」→「風が当たるのキライ」→「じゃあ風吹かないようにするわ」→「サムイ」→「温かくするね」といった感じの言葉の通じないじゃじゃ馬ノーティーでわがままメキシコの女子を扱うような何とも言えない日々が続いている。

 現在メキシコではNAFTA(例外なき完全自由化)の参加によって海外からの作物の輸入や農業改革が行われその影響でアメリカから安価なGMコーン(遺伝子組み換え)が大量にメキシコに輸入。もともと在来種の多かったメキシコのトウモロコシ農家は太刀打ちできるような値段ではない為徐々にトウモロコシ農家が減って個性的なメキシコの食の文化が縮小しているという話を聞いた。なんだか未来の日本を見るようで怖かった。

 日々成長している彼女はこの後新しい「畑」という大海原に出ていく。果たして日本の風土に合うのだろうか?つらい思いをしないだろうか?行先は我々UFCが管理している恵比寿の「ウノサワビル」のアーバンファーム、そして神奈川県津久井にあるUFCリトリートセンター「アビオファーム」、そして山梨県河口湖にある圃場「恵比寿新聞ファーム」。どうなることやら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?