傾き
座っていると右に傾いてしまうお婆ちゃんがいる。コミュケーションは困難。会話になるけどならない。過去を生きている。車椅子だけれど力は強い。強いというかずっと力を入れている。そのせいか、関節周りの腱が逞しくなっている。
強い拒否や精神的な不安定さは日常的にあり、介護の大変さが推測される。
右手を挙げるように誘導する。頭部を左側へ傾けるように誘導する。たまに拒否される。傾きが補正される。力んでいる左下肢に触れる。力を入れられ抵抗される。
体幹を左に捻るように手を差し出し誘導する。顔を左側に向けるように誘導する。
もう、せんでよか!と手を払われる。
誘導したり、拒否られたり、払われたり。
以前に比べ傾きの度合いが変わったと施設スタッフより声を頂く。
本当か?と疑いつつ、また今日も誘導し続ける。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?