2019-06-13の日記

ひとは酔わないと生きていけないが、酔っていることに気づくのは難しい。

不眠が出てきている。眠れないことそれ自体よりも、眠れずに考えることのほうが恐ろしい。次の支配を行うのは灰色の列ではないだろう。どうしても正義について考えてしまう。

孵らない卵を暖め続ける鶏だとか、確率ゼロの宝くじを買う列に並ばされている感覚がある。すっと列を抜けたいのだが、いたるところに棍棒があり、僕もまたそれを握っている。

書いても思考がまとまることはない。ある支点を指摘するのはいつも単純化、それを怖がっているのだし、その教育を受けてきたせいもある。しかし支点が見えるようになってはじめて重りとその傾きが見え、情勢がわかる。

あらゆる関係に政治はひそみ、権力がある。裏を返せばそれはあらゆる関係に反抗がありえるということ。えらい人がむかし言った。しかし転倒させることはできても、無化することは厳しい。どうやって? 絶滅。

地球の過去の気温変化を見ると、気温が数十年で急上昇したあと100年間寒冷化するサイクルが繰り返されている。ダンスガード・オシュガー・サイクル。そのたびごとに実在しないものたちの絶滅を読み取る。

この場所の夜は静かだ。自動車の音もしない。換気扇の音だけだ。回り続ける羽根たちが空気を出し入れする。回り続けるスロット、きわめて精確なたとえ。確率的事象をただ待つ僕ら。ジャックポットは日の出と日の入りどちら? 太陽も回転現象だ。

熱の拡散と回転運動。宇宙法則とエーテル。繰り返されている生活、数値の変動としての僕ら。生き直し続ける人生に何を感じるのか聞いたえらい人もいる。肯定が必要だとつぶやく。みんな現象であるなら肯定も現象だとダニは言う。僕は風呂場のバスマットを見ている。

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