TOKYO LOCAL GASTRONOMY
富山で土地を味わってきた
5年ぶりにレボさんにお邪魔してきた。
拠点を山奥に移してからは初めての来店。
技術や情報の革命のおかげで、ぼくらは世界中ほとんどどこにいたっていろんなおいしいに出会うことができる。
もちろん僕が住むアフリカ大陸などはいまだ大きな差があるとはいえ、どこの国でも都市に出れば基本的な食材は買えるし、それなりの飲食店はあるし、Youtubeを見ればお家で簡単に10000キロ先のおいしいを再現できる。ほんとすごい時代。
さらにTOKYOみたいなビッグシティでは、日々トレンドが更新されていき、いつだって刺激的な食世界が広がっている。流行り廃りに波乗りしていくのも一苦労だ。
そんな時代の中で、土地に根ざして、土地とともに生きる食体験は、いっそう貴重になっている。
山奥に居を構え、地域を見つめ直し、ゆっくりと土地を耕してできたレストラン。文化や歴史や自然を紐解き、土地と食材の魅力を磨き上げていくシェフ。
土地に身を置いてるからこそ表現できる料理たち。
レボは、その土地にわざわざ来る理由を与えてくれる。
雪山を車で2時間。コース料理は車の中から始まっている。スリップしないよう恐る恐る登っていく最中から、少しずつレボの世界観に没入していくように。
料理を食べすすめていくと、その土地の風景がちょっとずつ浮かび上がってくる。山の中に飛び出して、土地の味覚を手掴みでほおばったり。地元のお店に寄り道したり。
富山県利賀村を巡る超大作ドキュメンタリーを見ているような壮大さ。だけど手触り感のある近さ。
そうやって土地を味わい尽くしていくうちに、もっと奥の背景まで知りたくなる。
レボと富山県利賀村は切っても切り離せない。ローカルガストロノミーは、その土地の風景と接続しているのだ。
TOKYO
ひるがえって、東京のど真ん中、渋谷あたりで表現するローカルガストロノミーも見てみたいなと思った。
東京だって、エリアを切り取って視点を変えればローカル。その土地に昔から住んでる人たちだってたくさんいる。
都心に生きる雑草や害獣と呼ばれてしまう、おいしい野草やジビエ。
渋谷という街の歴史や文化、現代カルチャーを紐解くストーリー。
渋谷じゃなくてもいいけど、都会のど真ん中でそんなガストロノミーが生まれたら、どんな世界に誘ってくれるのだろうか。郊外というよりも、ど真ん中がいい。渋谷や六本木、新宿。そういうエリアで見てみたい。
だれかそんなお店を作ってくれないかな。
(そんなお店がすでにあったら教えてください!)
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