Prelude第10回本公演『AM2:54』を上演するにあたって


1つの劇団が 生まれて 無くなるまでの その道のりと最期を描きました。

今作品の内容について、説明と言いますか、
イメージを皆様にお伝えしたくて、
この度、文章を書かせていただきました。

今回の作品は「パワハラ」がテーマになっています。

ですが、大前提として、この作品は、
昨今よく耳にする「パワハラ」という事象について、何か意見をするものとしては創っていません。

日本の小劇場の”小さな社会としての構造”に着目した作品になっています。

作品を創ろうと思ったきっかけは、
コロナを経て、私自身の身近な存在であった多くの役者・演出家・団体が、創作の世界から離れていったことです。
とても魅力的で、芸術にずっと関わっていてほしいと想う人ばかりでした。

本作品で
日本の演劇界隈の現状と、役者や様々な創作に携わる人々の生き方を改めて物語にすることで、
フィクションながら備忘録として残しておきたいと思いました。

先にお伝えしてしまうと、作中では演出家によるパワハラが役者になされるシーンが存在します。
作品としてはパワハラのシーンが何度も続くというわけではなく、役者や演出家一人ひとりの人生を描いたものではありますが、
過去、実際に演出家によるパワハラの被害にあったことのある方、また身近でそれを目撃するなど、トラウマとして残っている方には、もしかしたら強く不快に感じてしまうシーンもあるかもしれません。

勿論、観ている方を傷つける事が目的ではありません。ですが、どうか無理をなさらないようにお願いしたいです。

しかし同時に、役者の方や創作に関わっている皆さんに、是非見ていただきたい作品になっています。

今回の脚本をキャストに渡した時、感想は「苦しくなる」というものが多かったです。
ただ、それは決して「パワハラ」のシーンに対してではなく、
役者人生を通して、登場人物に共感する部分がある、ということに対してでした。

だからこそ、一人でも多くの創作に関わる方にこの作品が届きますように、願っています。

上記を踏まえて、ご予約のキャンセルを希望される方がいましたら、対応をさせていただきますので、下記アドレスにご連絡いただければと思います。
prelude03.info@gmail.com

本番直前のお伝えとなってしまって、大変申し訳ありません。
作品の背景に関しては、想うことが多く、作中でその全てを表現するには、とても膨大になりすぎて詰め込みきれなかったため、また公演後に詳しく書きたいなと考えていますが、

健全な作品への取り組みとして、事前にお伝えしておいた方が良いと考え、この文章を書かせていただきました。

あと6日で幕が開きます。

だれか一人でも多くの人の心に残る作品になるよう、
精一杯創ります。

Prelude 主宰 脚本演出  西村賢人

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