キングオブコント2022の話

十分楽しめたんやけど、総じて去年・一昨年ほどのレベルではなかったと感じてしまった。
やっぱりミルクボーイの年のM-1のようにはいかないね。
オープニングムービーはめちゃくちゃ格好良かったけど。

審査の納得感が取り沙汰されてると聞くけど、そら(5人体制であそこまで点数インフレさせたら)そう(みんなに同じような点数は付くし、順位もグチャグチャになる)よ。
今回の5人の審査員で、実際のトップ3が素直に得点のトップ3だった人は居なかったし(同率3位をカウントするなら秋山さんのみ)、そういう意味でもカオスな年だったのだと思う。
なんで1〜2番手にあんな強気な点数を付けたのかなぁ…?

各組の寸評、雑駁に。
個人的にはかが屋、ロングコートダディ、最高の人間が最終決勝。

・クロコップ
一本のテーマにも関わらず、飽きさせない工夫が良かった。好感の持てるネタだったなぁ。
・ネルソンズ
ちょっと展開が読めすぎたけど、客席の空気を支配する力はやっぱりすごい。
・かが屋
設定でズレを作っておいて、あとは普通の人を演じるだけで面白い。しかも演技が上手いから2倍面白い。1番オシャレでカッコいいヤツ。
・いぬ
ちょっと単調すぎて何とも…ただ、他のネタは面白そう。
・ロングコートダディ
堂前さんの大喜利力全開のネタでかなり好み。あと、やっぱり彼らは細かい動きや表情が最高。
・や団
芝居掛かった空回り気味のテンション+サイコなネタでヤバそうに見えたけど、意外と会場ではウケてたのね。
・コットン
良い意味で、オール4って感じのコンビとネタ。憑依型コント苦手気味の僕でも、とても綺麗に感じた。
・ビスケットブラザーズ
とことん変人の奇行だけで勝負するという古典コント。ちょっと個人的には良く分からないタイプ。
・ニッポンの社長
テンポが速くて、ストーリーに客がついて行けなかったのかな。ケツの表情だけで表現するのは無理があった。
・最高の人間
素晴らしいストーリーと、2人の底力。ただ、暗転のところで客が置いていかれた感あり。あと岡野さんの手の震えが…

・や団
1本目よりは設定に工夫があったし、演技の不自然さもなかった。芸歴16年目の苦労人が報われたのはグッとくるね。
・コットン
コントでも「にん」を見たい派なので、本来憑依型はピンと来ないことが多いけど、それでも1本目と同じく、全く否定すべき点が無い良いネタでした。
・ビスケットブラザーズ
僕の感覚では、良く仕掛けが効いてて、1本目とは雲泥の差。原田さんはちょっと性格悪いキャラとして、ナダルさん的な売れ方しそう。

大会を通じて1番笑ったのは、地味に辻さんの「ハイ!暗転にも良さがあると思います!」のくだり。
恐らく心の底から辛くて苦しいであろう中で、よくあのボケを繰り出したよなあ…さすがはプロ。

あと、もう多分変えようが無いとは思うけど、年々MCがしんどくなってきてる印象。
昨今のエンタメって、お笑いのみならず漫画も映画もスポーツもそうやけど、「知的好奇心」を刺すことがすごく重要やと思う。
だからこそ、審査員も自分なりの論理をかなり堅固に持ってる人を揃えてるはず。
そんな中で、浜ちゃんの古典的なバラエティのノリを審査員にぶつける様は、絶望的に浮いてる。大会の格も損ねかねない。
今年は無かったけど、恒例の格好良いオープニングムービーへのイジりもあまり必要ないと思うし。
出場者へのさり気ない優しさとか、ちょっとした時間管理の腕はめちゃくちゃ光ってるけど…「お笑いの日」が始まってからは、疲れもあるのかな。松本さんの採点もちょっと極端だったし。せめて前半5時間のMCは、別の人に委ねてほしい。

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