たしけん

2016年から、里山の古民家で子供3人と妻と暮らしています。 2022年6月、会社勤めを終えてフリーランスに。 ライフワークとして自然農に取り組み、不耕起の畑1反、田んぼ3反の耕作を中心とした日々を送っています。 日々の畑の作業や生き方について思うことを書いていきます。

たしけん

2016年から、里山の古民家で子供3人と妻と暮らしています。 2022年6月、会社勤めを終えてフリーランスに。 ライフワークとして自然農に取り組み、不耕起の畑1反、田んぼ3反の耕作を中心とした日々を送っています。 日々の畑の作業や生き方について思うことを書いていきます。

    最近の記事

    共に生きましょう

    人参の発芽に出会えた。 枯草の下の彼女たちに気づいた僕は、幼子を見る穏やかな目をしていたと思う。 種をおろすと発芽に出会えるのは当たり前のようだが、まず、天候と畑に向かえるスケジュールの折り合いがつかないなど、適期に種をおろすことが難しい。また、雨がうまく降らなかったり、モグラやおけらの仕業だったり、ちょっとしたことでうまく発芽しないことは多々ある。 今回は、万事うまくいった。 畑を訪れたタイミングもちょうどよかった。 湿気を保つためにかけていた草を適度に取り除き、彼

      • 色に命の流れを観じる

        この季節、毎日、稲の開花を観察している。 春先にまいた籾。命が充実し、花開く瞬間を迎えている。 敬虔な気持ちになる季節。 さて、香米の粒先は、萌緑から真紅に変色する。 その唐突な美しさにいつも見入ってしまう。 今朝、その変色のタイミングに気づくことができた。 受粉する際、籾はぱかりと口を開いているのだが、その状態の籾をよく観察してみると、粒先はまだ萌緑だ。 閉じた口からおしべが飛び出ている籾を見てみると、粒先が赤い。 受粉を機に籾先の色が変色しているのだ。 あの紅色は

        • 祈り虫

          かまきりは、またの名を「祈り虫」という。 鎌のついた前足を胸の前に合わせる様子に由来している。 そういわれると確かに敬虔な天からの使者に見えてくるから不思議だ。 メッセージを伝えられている。「祈りましょう」と。 だから、僕は「祈り虫」さんと出会うと目を合わし、両手を合わせて「祈る」。 今朝は、田んぼで祈る機会をいただいた。 「自然界の皆様。いつも気づきと実践の機会を与えていただき、ありがとうございます。」

          • 畑コラム~色を添える~

            畑は、絵画のキャンパスに例えられる。 畑を見れば、農夫の人となりが見て取れるという人もいる。 自然農は、草と共生を図るため、畑全体が緑を基調とした色で覆われる。 特に夏場は、草の成長が旺盛なことに加え、土の乾燥を防ぐために草を刈ることを控えるので、緑が豊かだ。 農夫は、畑全体を絵画のキャンパスに見立てて、種おろしや苗の植え付けをする。緑のキャンパスに、好みに応じて彩を添えるのだ。 効率や生産性ではなく、田畑の美しさを優先する。 トマトの赤、ナスの紫、オクラの黄色の花をどこ

            田んぼのコラム~香り米~

            出穂期は、田んぼの周りにフワーッとお米の香りが舞う。 毎年、お盆の前後、このアロマに包まれ、命の豊かを感じる。 今日は、そのアロマに特別な香りが加わった。 香り米が出穂したのだ。 タイ原産のこのお米は葉からも香りが漂う。 タイでは、宮廷料理にも使われる高級品だという。 流線型の長粒種。長粒種は独特の幾何学的な美しさがある。 開花後、粒先が赤くなる。この個所にこの原色を配置した自然の調和の不思議。 穂が実ってくる姿は浮世絵の見返り美人のよう。 背が高く、手刈りでないと収穫

            はちみつ先生

            はちみつ先生は、日本ミツバチが大好き。 先生と話すたびに、なぜだかミツバチが好きになる。 先生は、7年前に定年退職したと同時に、子供の時から興味があった養蜂を始めたそうだ。 先生と会うと、挨拶するや否やミツバチの話が始まる。 そして、その話は、いつも実に楽しく真剣なので、心地よく、ついつい長時間にわたってしまう。 今日、会合の後に、ちょっと残れるかと先生に声をかけられた。何事かあったかしらんと思ったところ、昨日採蜜した際に巣落ちした。8月の採蜜は気をつけんといかん。少し

            お野菜コラム~大豆~

            里山に住んで驚いたことの一つ。 ご近所のみなさんの多くが、味噌は作らずに買っていること。 農家は手前味噌というのは思い込みだった。 味噌作りは、手間がかかる。 原材料の大豆は、収穫して干したのちに鞘から実を取り出し、それらを選別する作業が必要だ。手作業だと5㎏の大豆に半日かかる。 さらに、前日から水につけ、ゆで上げ、つぶさなければならない。 経済合理性の元の意思決定においては、まず、買うときと自作するときの経済的コストを計算する。味噌においては、原材料含めて内作するより

            一列おきに草を刈る

            お盆明け、7月の初旬にまいた大豆に手を貸した。 4列の大豆は、結構な草に覆われていた。 真ん中の列間の草には手を付けず、他の列間の草を手作業で丁寧に刈った(写真参考)。 このように、自然農では、「基本として」一列おきに草を刈る。 畑の環境を一気に変えない、虫の居場所をなくさないように配慮してのこと。 「基本として」なので、毎日のように畑に立てない、来週末しか畑ができないとなると、全ての草を刈ってしまうのも仕方がない。 そうでなくても、効率や手間を考える習慣があり、草に覆

            住む

            この場所は、神社のそば、古い家、自給できる田畑つきという、僕の望む条件を満たしていた。 やめておこうと思う要素がいくつもあるが、ここでよいという直感があった。 その直感は、「匂い」。 学生の時旅したネパールの香りが、この家の庭から見た景色にあったのだ。 カトマンドゥに立ち込める朝靄とお香の香り。 ヒマラヤを見上げ、すする朝のチャイの香り。 決定的なにおいは生活から生じてくるもの。 例えば、山中の朝餉の炊飯の匂い。 むっとする草の匂い。 山中の文明と隔絶した生活が織りなす

            お野菜コラム~きゅうり~

            妻がたくさんとれるきゅうりをおすそ分けしているようだ。 幼稚園の送迎時に、お礼の言葉をいただいた。 「昨日は、きゅうりをありがとう。皮ごと食べられる貴重なお野菜だから、糠床に入れました。食べるのが楽しみです。」と 糠床の甘酸っぱい香りを感じ、年期の入った糠床の壺が目に浮かぶ、そんな言葉をいただいた。 感謝の気持ちを素直な言葉で伝えていただいた時、胸のあたりがほわっとなる。手間暇かけているお米や野菜に対してのお言葉は、さらに特別。 じわーっとほわーっとなる。 いつになく開