川本梨誉

本日、トップチームに清水エスパルスユース所属の川本梨誉の来期清水エスパルストップチームへの昇格が発表された。

2種登録された今季、ルヴァンカップと天皇杯の磐田戦で出場し、及第点かそれ以上のプレーができていた上に、ここ数年ではかなり長い時間をTOPチームの練習やTMで過ごしていただけに、【順当】という結果。

清水エスパルスJYに加入し、岩下監督の元、最初はFWでプレー。
1年生大会では残念ながら準決勝で敗退と、後の3冠世代、最初のタイトルを逃してしまう。

2年生になると久保山現TOPチームコーチが監督として率いる3年生のチームに合流し、徐々に出場時間を伸ばしていく。
当時の梨誉は失うものは何もない、チャレンジを臆する事無くして、持ち味である前への推進力を存分に発揮し相手に対して非常に怖い選手となっていた。
しかし高円宮杯2回戦、PK戦で梨誉が外して敗退。
先輩たちに対する申し訳なさや、自らの不甲斐なさに大きな傷を負ったように感じられた。

3年生となり、キャプテンとしてチームを牽引。
五十嵐海斗と組んだボランチのポジションで時にはゴール前に顔を出し、時にはゲームメイクをしと、万能型の選手へと成長を遂げた。
JFAプレミアカップ、日本クラブユースサッカー選手権、高円宮杯全日本ユースサッカー選手権と全国大会3冠を達成。

全国3冠世代の多くがユースへ昇格。
当時のユースはクラブユース選手権で準優勝した滝たちの世代。
いくら3冠世代とはいえ、なかなか出場機会は訪れず、梨誉は当時の年代別代表で起用されていたSBで途中出場する機会が数度という感じで大きなインパクトは残せない1年となった。

2年生となると一気にユースの主力へと成長。
クラブユース選手権での優勝に貢献。佐野陸人と組んだFWやSHで出場していく。

もちろんユースレベルでは十分に通用するプレーレベルにあった当時の梨誉。
しかしずっと見続けてきた人たちはどこかしら梨誉のプレーに物足りなさを感じ始めたのも、だいたいこの時くらいから。

時折魅せる爆発的なプレーに多くの人は魅了され、梨誉にその基準のプレーを標準のプレーレベルにベースアップすることを求めた。
中学2年生の時に常に出していた爆発力を。

2019年、ユースでの最後の1年。
前シーズン終了直後に掲げた再びの3冠。
再びチームキャプテンとして挑んだ今シーズン。
チームとともに、個人的にも決して満足いく結果を残せていないシーズンとなっている現段階の中、もがき苦しみ、一時はゲームキャプテンから外されたり、平岡監督からはお前のポテンシャルを魅せてみろ!と試合中に叱責されたりと苦しみ続けている。

そんな中やってきたTOPチームでの出場機会。
再びあの失うものは何もない状態で掴んだチャンス。
久しぶりに前だけを見てプレーしている梨誉の姿をみることができた。

普段のプレーを見ている人たちからは「まずまずだったね」「あんなもんじゃないのにね」と見られるプレーでも、初見のサポーターからすれば彼から放たれるオレンジのポテンシャルが光り輝いて見えたことはいろんなところから見受けられた。

清水エスパルスアカデミーが取り組む「アスリート育成プロジェクト」開始時中学3年生。成長期真っ盛りの時クラブが取り入れたトレーニングや食育、ご両親の類い稀ない愛によって育てられた梨誉は身体もプレーも大きく逞しく成長を遂げた。

ユースでの残された時間、そしてTOPチームの状況次第では三度のチャンスを掴むこととなるかもしれない今シーズン。
あと少しの期間だが梨誉が更なる成長を見せてくれる時間としてはまだ十分な時間が残されている。

将来的にどこのポジションでプレーするのか、正直アタッカーとしてプロでやっていけるのか、最大の持ち味である推進力を活かしてSBを主戦場に移すのか、どうなるかは予想もできない。指導者たちは常に梨誉がどこでプレーすることが最大限の力を発揮できるのかを見極めてきた。
でも、まだ答えは出ていない。
梨誉にはまだまだ秘めたポテンシャルが存分にあるからだ。

川本梨誉はまだまだこんなもんじゃない。
その秘めたポテンシャルは未知数。
いつかきっと花開く、その時を楽しみにしているよ。

Photo by Michi @Egreen_michi
YAMA @EOS_80D_yama

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