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【プチ日本史講座】鎌倉幕府の設立について。


突然ですが、皆さんは、学校で鎌倉幕府の設立年について何年と習いましたか?恐らく多くの人が1192年(イイクニ作ろう鎌倉幕府)と習ったかと思います。

実は、これ。最近の教科書では、1185年(イイハコ作ろう鎌倉幕府)説が有力であるとされており教科書が書き換えられているのです!

なぜでしょうか?

これは、歴史学者がうっかりミスをした!というのではなく、「何をもって幕府設立とみなすか」の見解の違いだそうです。

これまでは、征夷大将軍に任官 = 幕府の成立だと考えられてきました。江戸幕府も、徳川家康が征夷大将軍に天皇から任じられた年=1603年が江戸幕府設立ということになっています。ただ、天皇は征夷大将軍という役職には任命するものの、「幕府を開いて良いよ」とは一言も言っていません。

天皇がそう言っていれば話はややこしくならないのですが、明言していない以上、後世の我々が、「何を持って幕府設立とするか」について考えないといけません。

これまでは、単純に将軍になった年をとって1192年となっていたのですが、そもそも将軍って何?と考えた時に、日本全国の地方の支配者(守護・地頭)の任命する権力を有する者と定義できるかと思います。

将軍になったとしても、人事権が与えられなければ、名ばかりの将軍となるからです。この人事権を源頼朝が与えられた年が1185年となることから、近年では、名目より実体に近い1185年説が有力視されているのです。

余談ですが、「幕府」という言葉は、江戸時代後期にできた言葉なので、鎌倉時代はもとより、江戸時代の人もほとんどがその言葉の意味がわからないと思います。皆さんも天国にいかれて御先祖様にあわれた時はくれぐれもご注意ください。

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