脚本案

駅、この街を出た時と何も変わらない。
大学時代の演劇サークルの同期の巧が出迎えた。

「おせーよ 主役は最後に登場ってか」 
「悪い悪い、仕事が少し伸びちゃって。」
トミー(サークルの同期)「礼、久しぶりー 元気そうじゃん」
礼「久しぶりー」

奥の冷蔵庫から食べ物をとってきた翔子が出てくる
翔子(サークルの同期)「お〜、礼ちゃん 久しぶりー〜、! 元気だった??
巧「元気元気 翔子も相変わらず元気そうだね」
翔子「うん  あ、ごめんね、先はじめちゃってて」
礼「いいよいいよ 遅れたのが悪いんだし」

カンナ(サークルの同期)「もう礼ちゃん、遅いよ〜 遅くなるなら連絡してくれれば良かったのに」
礼「ごめんごめん、、、、」

巧「じゃあ全員揃ったことだし、改めまして みんなの再会と、カンナと礼の二人に カンパ〜イ!!!」
全員「かんぱーい!!!」


そこからかつての懐かしい話で盛り上がる面々
(飲み会の場面は スローモーション 盛り上がるってる様子のカット グラスや弾ける泡 グレートギャツビーのパーティのようなカットでもいいかもしれない 映像で遊ぶ感じ)


巧「うわ。もうこんな時間か。 時間経つの早いでしょ でもまぁ、そろそろお開きにしようか 明日二人は特に早いんだし。」
カンナ「そうだね」
礼「そうしよっか」

会はお開き

家の外まで送る巧
トミー「二人は同じ帰り道か、じゃあ俺らはあっちだから」
翔子「じゃあね 明日すっごい楽しみにしてる!」
カンナ「ありがと翔子」
礼「じゃあね」

別れる面々
礼とカンナの帰り道 川沿いを二人で歩いている

カンナ「ねぇ、少し散歩してから帰らない?」
礼「明日早いだろ」
カンナ「いいからいいから」

居酒屋の前を通る
カンナ「ねぇ覚えてる?ここ 初めて私たちがあった場所」
礼「覚えてる 新歓の会場で ガチガチに緊張してたわ俺」
カンナ「そうそう うわ、懐かし〜」
礼「巧が慣れてもない酒をアホみたいに飲んでさ 潰れてやがって 挙句トミーと俺で介抱してさ」 
カンナ「ひどかったねぇ〜 私その時絶対巧くんとは友達になれないと思ってた    翔子も同じこと言ってたんだよ笑」
礼「でもこうして卒業してもつるんでるし わからないよね」
カンナ「確かに笑」


歩き続ける二人
礼「あ、このコンビニでよくアイス買ってたね」
カンナ「決まってバニラ味だったね、礼ちゃんは」
礼「飲んだ後にはバニラが一番」
笑い合う二人
そうして歩き続ける


そして思い出の公園に着く

カンナ「ねぇ、ここ 懐かしいね」
礼「うん」
カンナ「ちょっと座ろっか」
ベンチへと歩き出す

カンナ「よくさ、、、、、、ここで二人 遅くまで話してたよね」
礼「好きな映画とか 本とか お互い少しずつポイントずれてるから喧嘩もしたっけ」
カンナ「うん。 だって礼ちゃん頑固だし。 私がこう思う〜って言っても全然聞いてくれないんだもん。」
礼「なんだろう、、、あの時はきっとこうだって思ったら、突き進んでやるって感じだったからね」
カンナ「今でも変わってないよ、そーゆーとこ」
礼「いやいや、少しは丸くなったって」
カンナ「ほんとぉ〜?」
礼「まじまじ やっぱり仕事をしていく中で、それだけじゃダメだって思うことも沢山あったからさ」
カンナ「そうなんだ、、、 変わってないように見えるけど。、、、
私、礼ちゃんのそういうとこ好きだったんだよね」
礼「なんだよいきなり」
カンナ「いっつも二人でデートした後さ、遅くまで話してさ 楽しかったなぁ
    そう言えば、礼ちゃん
ここで いつか有名になって私にプロポーズするって言ってくれてたね笑
    必ずここで バラを一輪 送るって
    まっ、実際のプロポーズはレストランだったけど笑

礼「うわ、俺そんなこと言ってたんだ、、、、  全然覚えてなかった
カンナ「お酒飲んだ後しか言ってなかったもん 大体すごく酔っ払ってる時だけね」

少し空気が張り詰める

カンナ「ねぇ、私、幸せになれるかな、、、、」
少し泣きそうなカンナと、悲しげな礼

礼「大丈夫だよカンナ」
カンナ「私もさ 礼ちゃんみたいにさ、夢を追いかけてた方がよかったのかな、    
どれだけ傷ついても、前を向いて 諦めないで  
私ね幸せなんだよ 多分本当この上なく・・・・・
大好きな皆といれて、大好きな人と結婚して、最高に幸せなのに、やっぱりこれで良いのかって思っちゃう。」

礼「・・・・」
カンナ「でもね、分かってるの、本当は私にはそんな勇気も、情熱も無くて 
ただ目の前の漠然とした不安から目を逸らしてただけ。 
そんな不安から逃げるために、、ただがむしゃらに頑張った
・・・・ふりをしただけ
そうしていたらきっとその先で、、待っていれば何かきっと素敵なことが起こるってそう信じてた

(二人の思い出の回想 基本礼からの視点 待つをテーマにした回想 だんだん距離が離れていく8mm風の映像 セピアっぽい感じ )
・二人のデート カフェで本(太宰の待つ)を読むカンナ そこへくる礼
・植物園 紫のアネモネなど 花言葉が待つ、あなたを想う 系の花を見るカンナ 
それをスマホで撮る 礼
・帰り道 先にカンナが歩いて 礼を待っている
・駅で上京する礼を送るカンナ 左手をふる 薬指には指輪はない
・上京してから稽古に励む礼  カンナからのLINE いつ会える 言いたいことがあるの
 返事で 俺もと返す礼 電源を落とす  
(言いたいこと カンナは結婚 礼は主役を射止めた)
・真っ暗から 回想か現在か分からない画面の色合い 
バラを一輪持って立つ礼   
カンナの目がハッと開く
実際は幻想で 手に持っていたのは赤いゼラニウム

礼「結婚おめでとうカンナ  末長く お幸せに」
赤いゼラニウムを渡す礼

カンナ「ありがと礼ちゃん、、、明日の舞台、頑張ってね 主役でしょ 応援してる」
礼「ありがと。。。。。


駅で
別れる二人 手を振って礼を送るカンナ  左手を振って、その薬指には指輪
電車に乗り込んで もう一本 買ってあったバラを見つめる礼

E N D

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