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オーディションに応募してくださったみなさまへ(無料記事)

2025年の新作舞台のためのオーディションを開催しました。一次審査は、プロフィールと、1分間の自己PR動画を送っていただきました。

募集期間に入って2日目、すでに届いているぶんから、さっそく審査を始めました。
「僕の作品に出たいと申し出てくださるなんて、みなさん変わってるなあ」
そんな気持ちで見始めました。年齢制限もあります。みなさんのスケジュールの都合もあるでしょう。内容は「新作オリジナル舞台」ということしか発表されていません。タイトルも、何をやるのかもわからない。そんなんだし、来てもせいぜい5、60人くらいだろうと思っていたんです。ところが、届く量は日に日に増えていきました。
一番多く届いたのが、12日目の最終日でした。制作会社さんから、最終的な報告を受けました。
「小林さん、1000人です」
「はあ!?」
こんなにも多くの方が、僕の作品に名乗りをあげてくださったなんて。すごく感動しました。ありがとうございました。全員分、ちゃんとチェックしました。

さて、僕が応募者のどんなところを見て審査しているか、という話です。一概には言えませんが、例えば……。

音域。
声の高低差が使えている人は、評価が高いです。これができている人は、きっと耳がいいんだと思います。声に強弱はあっても、高低差が出てない人って、けっこういます。これは、もったいない。

目。
ぱっちりとか、するどいとか、一重とか二重とか、そういうことではありません。大事なのは、ちゃんと動くかどうか。上下左右への目線、眉毛の動きなど、目元の表情筋が自然に使えている人は、高く評価できます。

コミュニケーション能力。
言葉をきちんと相手に届けようという意志を感じると、とても好感が持てます。自己紹介は、独り言ではなくコミュニケーションです。

さらにもうひとつ、大事なこと。
「見ちゃう人」ってやつです。「 華 」がある人、「 雰囲気 」がある人、そんな、つい目が離せなくなってしまう魅力がある人って、いるものです。
これは、持って生まれた性格や容姿も大きいのかなと思いますが、生き様なんかもあると思います。

現在、作品の内容づくりも同時にすすめているんですが、当然、役の数には限りがありますから、候補者を絞っていきました。これが本当に、心苦しいんですよ。だって、魅力的な俳優さんが、たーっくさんいらっしゃるんですもの!
考えて考えて考えて、結果、二次審査には、20名の方に参加していただくことになりました。

気持ちを見せてくださった、およそ1000人の応募者のみなさんから、僕はパワーを与えてもらいました。ありがとうございます。僕は、つくり続けます。
今回、枠に入れられなかった方とも、この先の作品で、ご一緒できるかもしれません。改めて声をかけたいと思った方が、何人もいました。

きたる2025年、1月-2月、東京、大阪。
今回はキャストに入れなかったみなさんが観にきてくれたら、すごく嬉しいです。そして、「自分はこれに出ようとしていたんだ」ということを、感じてもらえたらと思います。

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