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42. FERRAGAMO SPRING-SUMMER 2024 コレクションレヴュー
こんばんは。
先日FERRAGAMOのニットについてお話しさせて頂きましたが、今回はSS2024のファッションショーが発表されましたのでそちらのレヴューをさせて頂きたいなと思います。
今回は「何事も自分のペースで、自分の時間にやる」というイタリア人のドレスコードと、マクシミリアン自身のルーツでもあるカリブ海のドレスコードの類似点を見出しながら、「アルテ・ポーヴェラ」をフィーチャーした。
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アルテ・ポーヴェラは日常的な人工的な物と自然の物を組み合わせる事により、アートに昇華させる芸術運動。
1960年代末から70年代初頭にかけてイタリアで興った芸術運動。日本語で「貧しい芸術」の意味。67年、ジェノヴァのベルテスカ画廊で「アルテ・ポーヴェラ/Im空間」展が開催された際、批評家のジェルマーノ・チェラントがこの運動を命名した。「貧しい」という形容詞は演出家のイエジィ・グロトフスキ「貧しい演劇」という用語から借用されたものとされる。その後チェラントは『アルテ・ポーヴェラ―ゲリラ戦のためのノート』を国際的な美術雑誌『フラッシュ・アート』に発表、ポップ・アート、オプ・アート、プライマリー・ストラクチュアズを「豊かな芸術」として仮想敵に設定し、それに対置するものとしてアルテ・ポーヴェラの理念と方向性を位置づけた。
代表作家はミケランジェロ・ピストレット、ジュリオ・パオリーニ、ヤニス・クネリス、ジュゼッペ・ペネーノ、ピーノ・パスカーリ、マリオ・メルツなど。アルテ・ポーヴェラの作品の特徴は、鉄、廃材、石、布切れといった日常的で質素な素材のほか、石、土、植物などの自然物を未加工のまま同語反復的に提示することにあった。1969年「態度がかたちになるとき」展(クンストハレ、ベルン)への参加を通じて国際的な認知度が高まる。また、同時代の日本の「もの派」とも共通点が伺える運動である。
https://bijutsutecho.com/artwiki/3
その芸術活動からインスパイアされた対比する素材のコントラストが表現されていたのは柔らかいリネンに、サテンがボンディングされた物。天然素材を洗練されたイメージに変えた。
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また柔らかいドレスに、マクシミリアンがFW23から研究している鎧のようなレザーパネルを合わせて軽い佇まいを際立たせていました。
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またメンズルックにも反映されていて、硬いレザージャケットに柔らかい薄手のニットをレイヤードしてコントラストを見せていた。
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メンズで特に目立ったのが、薄手で透け感のあるニットにアンダーウェアの重ね着がMIU MIUに台頭するウィメンズのようなアプローチがとても良かったです。
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またマクシミリアンがファーストシーズンから継続していた、レッドカラーは今回最小限に抑えられていたが、50年代初頭のシルエットは継続されていた。
中でもルックのルック59のメンズのスーツスタイルは、イタリアの実業家であり、ファッショニスタであるGianni Agnelli(ジャンニ・アニェッリ)のオマージュのようにも見える。
またカットアウトデザインは継続されており、バッグカテゴリーでお話したいと思います。
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バッグも継続品もありつつ、新作も発表されました。
現在ポップアップショップで売り出し中のアイコンバッグ『ハグ(HUG)』は新たにキャンバスやレザーのコンビの物や、ポーチのスタイルが加わった。
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また前述のカットアウトデザインは、継続のトートバッグに加え、更に進化したデザインも発表されていました。
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新しいデザインとしてアーカイヴのライターをクロージャーとして取り入れたショルダーバッグ『フィアンマ(FIAMMA)』がデビュー。
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クラシカルなワンハンドルバッグには、自然体なムードを象徴するウッドビーズやフリンジがあしらわれていました。
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またメンズでは、FW23からの継続のトートバッグ、新作でジップが3本入ったワンハンドルのバッグが目を惹きました。
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最後に僕個人的にメンズルックで好きなルックを挙げていきたいと思います。
まず19、これはブルゾンを柔らかくリラクシングに着ているのが良かったです。全身黒にしたり、全部をリラックスしていない所がまた良いです。これは個人的にも欲しいなと言うアイテムです。
次にルック25、前述したウィメンズライクな提案をメンズに置き換えている所が好きです。
またルック59のセットアップ、これも前述のように50年代のシルエットをブラッシュアップしつつも、素材感や、第一ボタン開けている所等、リラックス感も感じられる所が良かったです。
そして、ルック21。これはトレンチコートが恐らくリネンとかだと思うのですが、それに25のような透け感のあるレイヤードと言う、コートですが軽さやリラックス感のあるスタイリングが良かったです。黒の靴をセレクトしているのも今っぽいです。
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左上 / 19、右上 / 25
左下 / 59、右下 / 21
今回はテーマがハリウッドから離れたように、前述のように今までマクシミリアンが提案した物は控えめになっている事から、個人的にブランドの幅を広げていこうと言う意図を汲み取りました。
そういう意味で今回のコレクションはその過程のような印象を受けた。
更に発展するのが楽しみなブランドなので、今後も見ていきたいです。
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クリエイティブ・ディレクター
マクシミリアン・ディヴィス
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