41. JIL SANDER SUMMER 2024 コレクションレヴュー
JIL SANDER SS2024はブランドのDNAの1つであるミニマルから一歩進んだコレクションを発表しました。
FW2023も本来のジルサンダーらしさと言うより、ルークメイヤー、ルーシーメイヤーらしさを感じ取れる物でしたが、今回は彼らがより自由な感性でベースのジルサンダーを更に未来へ導いていったような印象です。
前回より親和性が高く感じました。
SS2024はシェイプを研究したと言っているように、様々な形にこだわったコレクション。
まずファーストルックのようにタイトなリブのニットに大きく膨らんだスカートを繋ぎ合わせたドレス。まさに相反したシルエットが融合したルックです。
そして通常よりオーバーシルエットのボックス型ジャケットとハイウエストのショートパンツのルック。この相反したバランスが面白い。
このジャケットどの対比は、襟がかなり大きめのシャツでも表現されていました。
オーバーサイズのアウターは、最初に挙げたテーラードジャケットでもスリーブレスの物もあり、それ以外にもトレンチや修道衣等、バリエーションも豊富。
ジャケットの丈をかなり伸ばした物や、緩めのパンツはベルトで絞りウエストバンドをかなり上に持ってきている物等、ラインを長くしました。
今回洋服にジュエリー(アクセサリー)が融合しているアプローチも面白かった。
1番目立ったのはテーラードベストやプルオーバーに大きく付いたハトメや、前述したシャツの襟にボタンダウンのように付いた物、そして他にもニットに被せたような物、トレンチコート等のボタン等、様々な部分で使用されていた。
今回の大振りのラインストーンのネックレスを、首周りや腕周り、足元に付けたルックを多用する事により、今回のコレクションの主役の1つになっている。また、無地の多いコレクションの中で、華やかさや特別感を演出している。
更に男女の融合。一部のドレス以外はどのアイテムも男女問わず着れそうなアイテムが多く、上記でも挙げたウィメンズのような大振りのラインストーンのネックレスも男性が着用していたりとこの辺りも性別の境界線を曖昧にしていました。
カラーはジルサンダーらしく、白、黒、グレー、ベージュ、カーキとクリーンな物に、イエロー、オレンジ、ピンクをアクセントに使用していました。
基本的に無地がメインではあるが、パイソン柄や、特に猫や犬の顔を大きくプリントでされていました。
また白いトップスはレースで大きなリボンを表現されていた。
バッグ類は、定番の『カンノーロ』やバケツバッグ『ヴァーティゴ』、スクエアフォルムが特徴的なバッグやクラッチ等。
様々なカラー、素材がありバリエーションも豊富。
個人的にメンズではルック2で、ルック買いしたい位好きです。
オーバー過ぎるジャケットにジェンダーレスなネックレス、ラインの長いショーツ、そして白黒コンビのシューズとミニマルなベースを保ちつつ、進化したジルサンダーを象徴するルックです。
皆さんも好きなルックがあれば教えて下さい!
今回のジルサンダーは、海外での評価もかなり高いようで個人的にも凄く好きなコレクションでした。
ミニマルから、メイヤー夫妻の現代の感性により一歩先に踏み出したジルサンダー。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。
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