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レイさんの「Respawn」の為の音楽作った その2

Respawnという概念から

まず、今回のテーマ自体は「Respawn」という事らしく、これの原型「Spawn」は生物学で使われたり、日常生活では「何かが起こる」という意味で使われているらしい単語で、ニュアンスとしてはニュートラル。ニュアンスとしてポジティブでもネガティブでもないらしいです。 今回の場合はゲーム用語由来みたい。なぜゲーム用語なのかはパート1にリンクを貼った彼女の文章中の説明に任せるけれど、「Respawn」のゲーム用語的意味は以下の様な感じらしいです。

" プレイヤーがゲーム内で倒されたり死んだ後、再び特定の地点や時間で復活すること。リスポーンは、プレイヤーが継続してゲームに参加できるようにするためのメカニズム。"

この時、プレーヤー本人はそこで立ち止まり、時間も止まる感じらしいけれど、他のプレーヤーはなにも変化は無く、時間は止まらないという事らしいです。

まず最初のアイデア

上記の概念を音楽の時間構成的なアイデアとして考えたのが、例えば、基本的なメロディーがあるとして、それがブツ切れで断片的に出現し、変容しながら進行していく、その際に他の楽器郡はそれに構わず進行し続ける、みたいな感じとか…です。

今まで自分自身がもっていた音楽的な構成構造の基本的なアイデアは、「輪廻」ともいうべきモノであり、それは同じモチーフが繰り返されながら時間の経過と共に変容していく、というモノです。もちろん宗教的な意味や思想等は全くありません。
要はグルグル回る事が基本にある感じで、回るけれども、同じではなく、同じではないけれども、その本質は保たれる…みたいな感じです。

それは音楽的には古典的なモノで、クラシック系の音楽で言うところのオスティナートであったり、ジャズで言う所でいうのコードチェンジの繰り返しであったり、FUNKとかロックとかのリフの繰り返しであったり…。その他にも例は沢山あって、音楽はある意味「輪廻転生の様なモノ」が根底にあるよね…と、ずっと思っていたわけです。私もずっとそういう風に音楽を作ってきたと思います。

それに対して、「Respawn」の概念は一方通行で、始まりから終わりまで一方通行なイメージです。

この2つの違う概念が合わさったら面白いかもな…と考えたわけです。 

と、もう一つ

今回の元となるビデオ作品”Jargon”に関する話をレイさんから聴いていて、その世界観に関して思った事、それは一見無関係な色々な違った要素が登場し、スーパーポジションされているのだけれども、実はそれぞれ関わりがあり、切り離れたモノではない…という事でした。

その他、念頭に置いていた事

この辺はもっとテクニカルな話です。

まず、 「隙間」のある音づくり。
曲として色々と音を入れすぎると、ダンスの入る隙間が無くなるし、世界観が狭くなりそうなので、なるべく少なく。

「隙」のある音作り。
現代のデジタルテクノロジーを使うと何でもどこまでもピシっと合わせたり出来てしまうので、敢えてルーズな部分を残したり、「気配」を込める為に敢えて質の余り高くないマイクで「空気」感も一緒に録音して、いわゆる「ノイズ」的なモノも邪魔にならない程度に入れたりしてます。

暗くならない様に
耳にした印象がどんよりしてしまうモノにならないように心がけました。 

その他には、ドローン的なモノがあったら良いかな…とか、リズムがあるものがあったら良いかな…とか、そういうテクニカルな要望にも応えて作りました。

以上の様な事達を実際の音楽として落とし込めるように試行錯誤しつつ、音源の制作をして行きました。

ちなみに今回の曲は

まず一つの主題を選んで、それのバリエーションとして、その主題が断片的かつ部分的に現れ、それが全体的な変化と合わせて全く違う音楽になる…という様なイメージで作っていきました。 

なので、今回の曲は全て「一つの主題」から派生したバリエーションです。

アルバムとしても発表します。

毎回依頼があるとそうなのですが、創作物を使い捨てにしたくないので、アルバムというフォーマットで全曲をフルで作ります。それを「好きに選曲&切り貼りして使って下さい」、と言う感じで依頼主には納品してます。なので、ダンス作品の"Respawn"中では使われない曲もある可能性がありますが、アルバムには入ります。 

このアルバムに関してはどの様な形になるかは未定ですが、今回のツアーではオフィシャルブートレグ版としてCDアルバムを販売予定です。

以下、アルバム”Respawn(仮題)"のダイジェストです。

このダイジェストは当面の間はSNS上のみでの限定公開です。


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