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予算特別委員会 意見開陳について

2020年度予算について

2020年3月16日 本会議場にて採決が行われました。
採決前には、各会派を代表し、意見を述べる「意見開陳」が
行われます。
この定例議会では、関口健太郎さんが登壇しました。
2019年度中の他の議会活動は、こちらのnoteをご覧ください。

録画中継

杉並区議会では、本会議、予算特別委員会、決算特別員会について
アーカイブ動画が杉並区議会ホームページ内にて閲覧することが
できます。以下のテキストリンクからアクセスをしてください。

立憲民主党杉並区議団 意見開陳

意見開陳 原稿

以下の文章を意見開陳の際に、述べました。
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立憲民主党杉並区議団を代表して、令和二年度一般会計予算並びに各特別会計予算案、そして関連議案に対しまして、賛成の立場から意見を申し述べます。
まずはじめに、新型コロナウイルス対策に迅速に当られている、区長をはじめ理事者の皆様、職員の皆様に改めて感謝を申し上げます。
新型コロナウイルスについての当区議団の考え方と区への要望を申し上げます。新型コロナウイルスは昨年12月に湖北省武漢市にて最初の感染者が確認されて以降、世界の感染者数は16万人を、死者数は6000人を超えています。一方日本に目を向けると、本年1月11日に初の感染者が確認され、その後、感染者数が増加し、現在では感染確認が1484人、重症46人、死亡29人と猛威を奮っております。WHOは3月11日、「パンデミックとみなせる」と表明しました。
先週には、新型コロナウイルス対策の特別措置法が、我が党からの付帯決議を加え、賛成多数で可決・成立しました。さらなる感染拡大に備え、総理大臣が緊急事態宣言を行うことが可能になりました。
(注:3月12日衆議院可決、3月13日参議院可決。3月13日公布)

本区に目を向けると、区内病院や区内事業者における感染者の確認や区立施設の休館など様々な課題がございましたが、政府による学校の休校要請に関しては、時間のない中で決断を迫られ、子ども達や保護者のために職員の皆様が連日連夜、現場の混乱の無いよう対応していただいたこと、また当区議団としても要望をしておりました児童の学校の受け入れに対応いただいたことを評価します。しかし、学年末で卒業式や受験などを控える非常に重要な時期での唐突な国からの学校の休校要請に現場は大きく混乱していました。今回の唐突な政府の要請は、国民や保護者の理解が得られないものであると当区議団として考えます。首相の独断が、国民の生活に大混乱をきたす悪しき前例を作ったと言えます。
当区におきましては、引き続き、子どもの居場所の提供、学童クラブの適切な運営に努めていただきたいと要望します。
また経済対策についても申し述べておきます。2013年に、借金返済猶予を目玉とする中小企業金融円滑化法が終了しました。それが、この3月、法的根拠はありませんが、事実上復活することになりました。経営相談は、融資相談だけでなく、合わせて、借金返済猶予のアドバイスを強烈に取り組んでいただきたいと要望します。


【財政運営】
それでは、本予算に目を向けていきます。まずは財政運営です。

一般会計と4つの特別会計の総予算額は、3,119億1,872万1千円となり、前年度と比べて 95 億 9,954 万 7 千円の増と過去最大となりました。一般会計は、1,937億9,600万円で、保育関連経費などの既定事業、オリンピック・パ ラリンピックの推進や国勢調査などの臨時事業、会計年度任用職員制度導入等に伴う職員人 件費の増により、前年度と比べて47億3,100万円、2.5%の増となりま した。

また、歳入では、特別区税や地方消費税交付金の増を見込むものの、法人住民税の一部国税化の影響による特別区財政交付金の減などにより、前年度比で15億円にのぼる減収を見込むほか、富士見丘小・中学校の改築や中央図書 館の改修など大規模な投資事業の財源として、特別区債の発行や施設整備基金を 取崩すこととされています。
特別区の貴重な財源が国税化される動きは今後も考えられ、年々区民ニーズの多様化により
歳出が膨らむ中で、歳入とのバランスや、必ず来ると言われている首都直下型地震に備えなど、行政を効率的効果的に運営していかなければなりません。

平成 23 年度に策定した10年ビジョンである基本構想も終期である令和 3 年度まで残すとこ ろ 2 年となりました。本予算は、最終年度である令和 3 年度を見据え、計画事業ごとの目標達成を確かなものとしていかなければなりません。基本構想に掲げる五つの目標と更なる飛躍についてそれぞれに意見を述べます。

[1.災害に強く安心安全に暮らせるまち インクルーシブ防災]
昨年の台風15号、特に19号は区民も大きな不安を抱いたことと考えます。また区内では11箇所の避難所が設置され、過去最多となる844名が避難をされ、避難所機能の重要性が証明をされました。しかし主に人員不足などの要因により避難所の数が十分ではありませんでした。今後は今回の反省点を糧に改善すべきところはしっかりと改善されるよう求めておきます。
また、要配慮者用のテントや液体ミルクなどの災害備蓄品が整備をされていることを確認しました。ハードの整備はもちろんのこと、障害者や介護を要する高齢者の方々など幅広い方々の目線による包括的防災であるインクルーシブ防災を進めていただきますよう要望します。
また、危険ブロック塀等の安全対策支援事業が区内全域の道路に拡充されたことは評価できます。引き続き区民、そして子どものための安全安心のために進めていただくと共に、特に危険な箇所に関しては更なる訪問勧奨などを要望いたします。


[2暮らしやすく快適で魅力あるまち 西荻窪 税理士等のチェック体制 広島で平和首長会議]
昨年は、西荻窪商店会連合会が都と区の補助金を不正に受給した問題が大きく報道されました。なんとしてでも再発防止を進めていかなければなりません。
再発防止策として、税理士等の専門家によるチェック体制の強化や事務の適正化など掲げられておりますが、二度と同様の過ちを起こさないよう求めておきます。

また平和首長会議総会の広島開催を受け、区内中学生と共に広島を訪れ平和について学ぶ
機会を設けたことを大きく評価します。新しくなる中央図書館に当区の歴史を振り返る事が出来る平和祈念コーナーを設けるなど、次世代へ平和を受け継ぐ取り組みを今後ともお願いをいたします。

[3.みどり豊かな環境に優しいまち 馬橋公園]
気候変動問題は非常に大きな緊急の問題です。これまでに無いような大型台風やゲリラ豪雨などの異常気象が実際にこの杉並でも発生しており、温室効果ガス削減への取り組みが、世界中で求められております。そうした中、本予算の新規事業である「ゼロ・ウェイストすぎなみ」へのチャレンジを評価します。
代表質問でも申し上げましたが「ゼロ・ウェイスト」は、簡単な言葉ではありません。廃棄物・ゴミだけではなく、無駄や浪費もゼロにする、つまりは社会の仕組み、文化、ライフスタイルを変える、という哲学的な意味合いを持ってきます。
具体的な施策に落とし込んでいくとともに、世界中で気候危機にあることや区がゼロ・ウェイストに取り組んでいることなど、環境活動推進センターを核として、区民への啓発・周知に努めていただくよう要望させていただきます。

また、区内ですすむ公園整備に関しても、住民を巻き込むワークショップなどが開催され評価をします。多くの住民意見を聞き、住民に愛される公園になるよう引き続き進めていただきたいと思います。

[4.健康長寿と支え合いのまち 障害者施作 生活相談の強化]
特別養護老人ホームなどをはじめとした高齢者のための住まいや施設が着実に進められてきていることを評価します。引き続き、特養入居申し込み者の生活実態と需要把握に努め、一人暮らしの高齢者や要介護を要する高齢者の多様なニーズに合わせ、今後も進めていくよう求めるものです。

昨今は人生百年時代と言われております。人間が追い求めてきた長寿が実現され、本来であれば喜ばしいことであるにもかかわらず、どちらかというとマイナス面がフォーカスされております。当区においては、高齢者の健康増進事業や住まいの確保など着実に進めてはおりますが、それと同時に生活が困窮者している高齢者の生活や暮らしに寄り添った施作を打たなければなりません。老後の生活に対し不安がある方も多くそうした方々へのアシストの更なる拡充を要望するものです。

障害者施策について述べます。基幹相談センターにおいて緊急時の相談や調整などを担うコーディネーターを配置をすることは評価をするものです。障害者施策は区内障害者団体などの皆さんとより一層の連携を図り、日頃より要望をいただく住宅の確保と移動支援についても更なる取り組みが求められるものだと考えます。


[5.人を育み共につながる心豊かなまち コミュニティふらっと 学校建築]
少子高齢化は進行し続け、共働き世帯も増加し続けている今、地域コミュニティふらっとにて多世代交流を展開しようとする区の姿勢を評価いたします。しかし箱を用意するだけではなく、具体的にどう多世代交流を実現するのかが問われます。まさに多世代交流そのものとも言える子ども食堂との連携を深める、小中高生・大学生など若者もすすんで参加できるものとなるよう期待を致しております。また合わせて、児童館の再編にともないサービスが低下しないよう、ふらっとで児童館の役割を補う工夫などを求めます。

また、本定例会においても陳情審査がされました学校建築に関しても申し述べます。学校建築は教育環境の整備ということだけではなく、その規模や役割からも区政に与える影響も大きく地域におけるひとつの大きな公共施設といえます。区立小中学校の施設設計にあたっては、子ども達の暮らしの場、教育の場としての優れた環境に加え、省エネ性能や安全安心、緑豊かな施設づくり、また周辺を含めたまちづくりなどに配慮をしながら進めて行く必要があります。例えば敷地のどこに、どのように建てるのが最適であるのかや、近隣と学校建築物との関係性など、学校改築検討懇談会で議論を進めて行く前に道筋を立てておかなければならない項目が多々あるかと思いますが、その懇談会の前段階、可能な限り早い段階から、専門家である建築士や保護者及び学校関係者、周辺の住民等、各方面からの意見を踏まえての熟慮の場を作っていただくよう要望いたします。合わせまして、その経過報告などの周知も早期に行い、区民の理解が得られるよう、これまで以上の工夫を求めるものです。


【「さらなる飛躍」 新基本構想 住民協議会】
本区においては、新基本構想の策定に向けての取り組みが開始をされます。幅広く住民の意見を聞くということが重要であり、杉並区基本構想審議会はもちろんのこと、無作為抽出による区民アンケートやワークショップなどの区民懇談会が開催される予定となっておりますが、より実効性のある住民参加の取り組みが求められるものと考えます。
そこで、当会派が提言する住民協議会の取組を新基本構想策定の中において進めて行くよう改めて要望いたします。住民協議会は、無作為抽出で区民に案内を送り、呼びかけに応じてくれた方を委員として開催し、地域の課題について話し合いをします。しかしこれは、テーマに沿って単に意見交換をするだけのワークショップとは違います。行政側が情報提供を行い、参加者は理解を深めます。次に参加者自らがテーマ関しての課題を出し合います。それを参加者で共有する事によって、個人的であった課題意識から、参加者共通の一般的課題として変化して行きます。そして、市民自ら考え出され、一般化された課題を、次のステップとして住民協議会のテーマとして据え、ファシリテーターの仕切りの基で課題解決の為の議論を深めて行き、その結果を行政に提言をして行くというものです。区のリードにより意見交換をするのでは無いのです。こういった手順を踏むことで、参加者はそれまで受け身であったものが、主体的に解決を探る当事者と変貌を遂げていく。課題解決は行政のみがするのでは無く、住民自らが自分の事として取り組むべき事へと変化をして行く、これが住民協議会を開催する最大の意義であると考えています。

【各会計の審議】
国民健康保険事業会計について触れます。
国民健康保険は、年々区民負担が大きくなり、現在は制度疲労にあるのではないかと指摘します。当区議団としても、基礎自治体として、国民健康保険所得割の減免制度の周知と利用の促進を求め、区では取り組みを進めて参りました。。しかしながら、抜本的な解決を図るためには制度自体を、持続可能なものにしていくよう大きな枠組みで再考していく必要があると考えます。区としても国への更なる働きかけや要望をしていただくよう求め賛成といたします。
また他の特別会計予算案についても賛成といたします。

予算特別委員会に負託された各議案に関しては、委員会において質疑と要望をして参りました。当会派からの要望を真摯に受け止め、一歩でも二歩でも区政を前に進めていく様改めて取り組みを求め、賛成といたします。

終わりに

結びに、本委員会の審議に当たり、誠意を持って御答弁いただきました区長をはじめ理事者の皆様、資料の作成に当たられた職員の皆様に感謝申し上げますとともに、円滑な委員会運営に御尽力いただきました正副委員長に感謝申し上げ、立憲民主党杉並区議団を代表しての意見開陳を終わります。