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BIMにおけるデータ加工プロセスに関する一考察──closedBIM、openBIM、noBIM

最近linkedinを始めたんですが、ウーブン何某に転職した先輩がいいねをつけていた投稿が非常に面白く、執筆者に翻訳してもよいか聞いたらご快諾いただいたので、訳してみました。テーマはBIMです。closedBIM、openBIM、noBIMというワードが個人的には刺さりました。「UIを17回マウスクリックするのも、pythonで40行書くのも、データストアから欲しい情報を取り出すためのクエリを作っているという意味では等価」というのも重要なパースペクティブだと思います(余談ですが、これは僕の学部卒業制作のコアとなった着想に非常に近く、ちょっと懐かしい気持ちになりました。一風変わったCADのトイモデルを作るという卒制でした。)それではどうぞ。

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📊 データ・モデルからの情報の取得について

👨🏽‍💻 エンジニア (ITエンジニア, BIMエンジニア, データ・アナリスト)が情報[技術]を通じて取り組むタスクのなかでも中心的なものといえば、共有のモデル (例:BIM, SQL, IFC, JSON) から、クエリを叩いて情報を取得することです。モデルやデータベースへの問い合わせは、グループ化やフィルタリングのルールを定める「パラメータ」を用いて行われます。これにより、モデル全体の情報から、特定の目的(例:検証、計算など)のために必要な、任意のグループだけを選択することができるようになります。個々のモデルから得られる最終的な情報は、ツールが異なるものであったとしても同一になります。しかし残念なことに、特に建設業界においては、このデータの抽出プロセスがツールによって大きく異なっているようです。

🧱現代の建設業においては、いくつかのコンセプトが、異なる方法で同じ目的を目指しています。closedBIM、openBIM、そしてnoBIMとよばれるものです。これらのコンセプトのいずれにおいても、グループ化やフィルタリングを通して得られる結果はテーブル(あるいは単一のキー・バリュー)になります。それらはどのデータ処理ツールを使ったとしても同じように表示されるはずです。(参照:Miroボード:https://miro.com/app/board/o9J_lBLtSb4=/ )

🖱 RVTモデル(Revit)やPLNモデル(Archicad)から何らかの情報を取得するとき、私たちはクエリを作成しています。それは、CADのユーザーインターフェースやツールを使う(17回分のマウスクリック)場合もあれば、ボタンを押す一連の手順をビジュアルエディターのDynamoやGrasshoper(13ブロック分のコード)を使って繰り返し実行する場合もあり、あるいはPython(40行分のコード)でコードを記述することもあるでしょう。

🎛 オープンデータや非独占的なソリューションを使って作業に取り組みたい場合、データを IFC(Autodesk、Graphisoft、CADのエクスポートモジュール)かCSV+DAE(OpenDataBIMコンバータ)に変換する必要があります。データをオープンな形式(IFCまたはCSV+DAE)に変換した後、Solibri(マウスクリック17回)、PythonライブラリのIfcOpenShell(コード40行)、あるいはPandas(コード1行)といったopenBIMツールを用いて、テーブル化された情報を抽出します。

🎲 モデルデータベースを照会し、グループごとにデータを取得するプロセスもこれと同じです。同じ結果が得られます。クエリを実行する方法は6通り存在します。

◾️ 🖱 𝗥𝗩𝗧 - Revitユーザーインターフェイス - 17回分のマウスクリック
◾️ 💽 𝗥𝗩𝗧 - Revit Dynamo - 13ブロック分のコード
◾️ 💾 𝗥𝗩𝗧 - Revit Python - 40行分のコード
◾️ 🖱 𝗜𝗙𝗖 - Solibri - 17回分のマウスクリック
◾️ 💾 𝗜𝗙𝗖 - IfcOpenShell Python library - 40行分のコード
◾️ 💾 𝗖𝗦𝗩 - Pandas Python library - 1行分のコード

noBIM vs closedBIM vs openBIM®

参考

翻訳元の投稿。Many thanks to Artem Boiko.

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