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仕事の流儀

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仕事に対する考え方や向き合い方、失敗の歴史を綴っています。
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記事一覧

1つの会社になるということ

勤務先の会社でグループ内の再編が行われ、大きな2つの事業会社を含む5つの会社が合併または吸収分割によって1つの会社になった。 再編の発表があってから8カ月。実際にプロジェクトが動き始めてから6カ月余り。それぞれに年月を重ねてきた複数の会社が1つになるのがどんなに大変なことか、日々思い知らされながら過ごした数カ月間だった。 僕自身は法務部門に籍を置いており、契約管理のマネジメントを行う立場であったことから、今回の再編においては契約インフラ統合を推進するポジションを与えられた。

【仕事の流儀】権限移譲がチームを動かす

今回のエントリは以下の話の続きです。併せてお読み頂ければ幸いです。 チーム運営を主題として書いています。 上場してから3年余り。新たな戦いが始まった。 あれほど大変な思いをして成し遂げた上場を廃止して、より大きな別の会社と経営統合するという。 常に大きな動きのある業界。いちいち驚いていたら身がもたない。ざわつく感情は一旦棚上げして現実世界に身を投じる。 合併と経営統合の違い上場時に右往左往していた、もうあの頃の素人ではない。 会社法の視点からすると、「合併」は分かるが「

【仕事の流儀】DO or DIE 混沌の上場準備と理念なき暗闇の話

数年前、上場時の事務手続きを担当した。 プロジェクト統括でもなんでもなく、部署の取りまとめ役でもなく、まさに末席を汚すという言葉がふさわしいあたりのポジション。自分が上場準備の作業をしていることすら、途中まで知らなかった。 事業が勢いをもって拡大していることもあり、当初、社内のムードは明るかった。一方、その手続きは恐ろしく膨大で、何をどこまでやったら終わるのか、いつ終わるのか、手続きが具体的に進んでいるのかについて明確な資料はなく、全く手応えがなかった。 そもそも、進行スケ

【仕事の流儀】そのチームに理念はあるか?ビジョン・ミッション・バリューの策定とその必要性

チームの初期段階において、リーダーの果たすべき最も重要な役割は何でしょうか。考えられることは色々あります。行動力、決断力、判断力、夢を語る力、カリスマ、etc.。 僕が思うに、それは、組織の指針をメンバーに示し、判断や行動の拠りどころとなる方向性を明確にすることです。ここで示された方向性のことを「理念」と呼びます。 そのチームの存在意義を語れるか会社という組織であれば、全体方針である会社の理念は既に経営陣によって策定され、その理念に沿って運営されていることが多いでしょう。理

【仕事の流儀】チーム運営のすべての基礎は、人間関係の構築にある

チーム運営、組織運営において、見落とされがちでありながら非常に重要な鍵があります。重要な秘密といってもいい。 それは、「チーム運営のすべての基礎は、人間関係の構築にある」ということです。 マネジメントの失敗体験チームのマネジメントを任されるようになって数年になりますが、最初の1年以上はひたすら失敗の連続で、僕はずっと霧の中にいました。 当初、僕のチーム運営は、相当に独りよがりで悲惨なものでした。 メンバーに寄り添うことなど全く考えておらず、目指していたのは、「メンバーを自分

【仕事の流儀】言いたいことは一度で全部言え

社内メッセンジャーの話です。 僕は、「言いたいことは一度で全部言え」派なんですよ。 メッセンジャーがメールと違って便利なのは、前後の挨拶が不要でいきなり本題に入れること。 メールの場合、冒頭は宛名に続いて社内であれば「お疲れさまです」、社外であれば「お世話になっております」から始まって、最後は「よろしくお願い致します。」で終わる様式美みたいなものがありますよね。 メッセンジャーでトークが送られてくる際に時々あるのが、「お疲れさまです」とだけ打ち込まれたメッセージ。本題が次に