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ミートボールスパゲティ

男の独り暮らしの強い味方はスパゲティだと思う。これは俺に限った話でもないだろう。
基本的にどんなに料理ができなくても、お湯を沸かしてスパゲティをゆでて、あとは市販のパスタソースをかければ、もうそれだけでご馳走だ。しかもスパゲティはスーパーでも比較的安価に手に入れることができるため、金がない学生時代には重宝したと言う人も多いはずだ。

実家で主に食べる麺類はうどんかラーメンばかりで、スパゲティーは数ヵ月に1回ペースくらいでしか食べなかったため、俺は大学に入るまではスパゲティは高いものだと思っていた。

だが、自炊するようになってしばらくしてその価格を知り、ほんとに金のないときはスパゲティに塩で糊口を凌いだこともあった。当時の同級生でも俺と同じようにスパゲティに救われた奴はたくさんいた。学生ってのは基本的に金がないからな。

昔を懐かしんでいたら、俺は久しぶりにスパゲティが食べたくなった。

もちろん1パック100円くらいの市販のパスタソースでも悪くはないんだが、俺はもう社会人なので当時よりは小遣いはあるし、見た目はともかくとして料理もできないことはないので、少し凝ったソースを作ることにした。
どうせ自粛期間中で暇だしな。

挽き肉にナツメグとオレガノを少々振って、ツナギに卵を1個割り入れてこね、小さく丸めてミートボールにする。
ソース用に玉ねぎを粗みじんにしておく。
成形したミートボールとフライパンと鍋と各種材料調味料、それからスパゲティを持って寮の共同キッチンに行く。
今回は無駄に凝った料理なので部屋とキッチンを何往復もした。
部屋にキッチンがほしいところだが、ま、無理だろうな。
フライパンにバターをしいてミートボールの表面を軽く焼き色がつくまで焼く。焼いたミートボールはクッキングシートに置いておく。
ミートボールを焼いたフライパンにすりおろしにんにくと粗みじんにした玉ねぎを入れて、シンナリしてきたらトマト缶を入れる。
煮たってきたらコンソメスープの素とオレガノとローリエを入れ、ミートボールをソースのフライパンにボトボトと叩き込む。
スープを煮込んでいる間、お湯を沸かし、塩とオリーブオイルを入れてスパゲティを茹でる。今回は8分と記載されていたので7分茹でてアルデンテだ。
スパゲティが茹で上がったらソースの加熱を止めて、ローリエを取りだし、スパゲティをソースのフライパンに入れてあえる。皿によそって彩りにバジルを振りかけたら完成だ。

ミートボールスパゲティ。
「カリオストロの城」でルパンと次元が取り合いしてたスパゲティだ。確か劇中ではワインも一緒にあったと思うが、俺はワインが飲めないので、ブドウジュースを準備した。好きなアニメに出てくる食い物って不思議な魅力があるよな。宮崎アニメの食い物が一番良い例だけど、「ドラえもん」のどら焼きとか、「クレヨンしんちゃん」のチョコビとか、必ずそのアニメを代表とする食べ物がある気がする。

さすがに金にものを言わせて(といっても材料費は1000円もしないと思うが、)作っただけあってサイコーに美味かった。ミートボールはオレガノの風味が効いていて、トマトソースによく合う。スパゲティの茹で加減もソースに和える行程を考慮して1分早くあげたので、絶妙だった。ただ1つ不満なのは、取り合いをする相手がいなかったことだな...なんてな。

今回は初めてスパイスなんてものを本格的に使ってみたが、なかなか面白かった。味に深みが出る...というと如何にも気取っているようで鳥肌と腹が立つが、事実その通りで、今まで作ってきた料理には無い新しい風を吹き込んでくれそうだ。だが、1度の使用量が限られているので、全部使いきる前に俺は寮を出ることになるだろう。まぁスパイスを使いきるためにも頻繁に自炊はしようと思う。使いきれなかったらそのときは...カレーに全部ぶちこむか。

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