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オムライス(?)

俺の誕生日会が深夜遅くまで続いたにもかかわらず、割と早い時間に起きた。生活リズムの乱れはあるものの、基本的に俺は昼過ぎまで寝てるということはない。多分、長い社会人生活で、体が早起きに慣れてしまったんだと思う。

朝からprime videoで映画を見た。昨日持ち帰ったピザを食べながら、「スタンド・バイ・ミー」と「そらのレストラン」と「ぼくたちと駐在さんの700日間戦争」を見た。この時期に見るのにちょうどよい映画だったと思う。

今日はほとんど外に出なかったので特筆することがない。夏休みも8日目なのでしょうがないと思う。特に今年の夏休みは外出もろくにできないので、こういう日がままある。

それでもこうして記事を書いているのは、退屈しのぎのためでもあるが、半ば義務感に近いものが俺に芽生えたからなのかもしれない。出勤日は帰宅すると大抵体力を消耗しているので、料理を作る気にもなれないし、記事を書く気にもなれないのだ。

夕方、ピザを消化しきって俺は空腹を感じていた。俺はふと思い立った。
「オムライス食いてぇ。」

昨日作ったローストビーフを褒められてすっかり天狗になっていた俺は、料理の中でも難易度が比較的高いオムライスに挑戦したくなったのだ。

まずは材料を揃える。卵はこの間のベーコンエッグの残りがまだあるのでそれを使う。ご飯は大目に炊いて冷凍していたものを解凍して使う。ケチャップもまだ部屋に残っているはずだ。

近所のコンビニみたいなスーパーに行き、鶏もも肉、ピーマン、ぶなしめじ、玉ねぎを購入。あとは付け合わせのサラダとして、トマトとカット野菜も購入しておく。

まずは下ごしらえ、ピーマン2つ、玉ねぎ1個、ぶなしめじ50gをみじん切りにして、ボールに入れる。鶏もも肉は1口大にカット。

フライパンにオリーブオイルを引いて共同キッチンにボールと鶏肉と一緒に持っていく。まずは鶏肉を中火で炒め、肉の色が変わったらボールの中身も入れて炒め、ケチャップ大匙2くらいとオレガノを小匙1、塩コショウを少々入れる。ここで俺ははたと気づく。

「具多くね?」

そう、オムライスづくりは学生時代から何度も挑戦していたが、持ち前の貧乏性と意地汚さにより、毎回チキンライスの量が膨大になって卵で巻けなくなってしまうのだ。

今回は小分けにしたご飯(1膳分くらい)を使ったので大丈夫だろうと高を括っていたが、玉ねぎ1個のみじん切りは予想以上に多かったのだ。もうすでに失敗が見えていた。

とりあえずチキンライスを別な皿に移して、卵を3個割ってとく、マヨネーズを入れると卵が破れにくくなるらしいので、マヨネーズを少々入れ、砂糖を小匙1入れて混ぜる。

フライパンにバターを引いたら、卵を中火で焼く。少し箸でかき混ぜておく。そこに先程のチキンライスを卵の上に盛る。

この"盛る"という表現はそのものずばりな表現だと俺は今でも思う。まさにこんもりと卵の黄色い大地に真っ赤なチキンライスの山が盛り上がっていたのだ。これじゃ卵でライスを巻けない。巻けるわけがない。

それでもなんとか健闘して、卵全体にチキンライスが行き渡るように赤い山をならして整地してみたが、そこからはどうしようもなかった。

チキンライスごと無理やり卵を内側に巻き込もうとすれば、卵がチキンライスの重みに耐えきれずに形が崩れてしまう。

フライパンを振ってひっくり返そうにも、チキンライス自体の質量がかなりあるので、途中で空中分解して無残なことになりそうだった。結果、理想的なオムライスのフォルムであるフットボール型に成形することはあきらめて、そのまま逆さにして皿に移すことにした。

しかしここでも誤算があった。皿を逆さにしてチキンライスの上に置き、フライパンをひっくり返して皿に移そうとしたところ、フライパンより皿のほうが小さかったために、皿の淵からチキンライスがボトボトと落ちたのだ。

共同キッチンで一人で小声で「うわわわわ。」とか騒ぎながら、落ちてしまった卵とチキンライスを処理する。人が通らなくて良かった。はたから見ればあまりにも無様だったからだ。

完成したそれは、どちらかというとお好み焼きに近かった。俺がひっくり返すのを躊躇したせいで卵の中心部が少し焦げてしまったので、ケチャップでごまかす。

サラダを添えて少しでも彩りを良くしようと思ったが、そうでもなかった。うーん。ここにきて失敗か。ちょっと昨日の件で調子に乗っていたんだと思う。

そういえば今までは炒めるだけとか、煮込むだけとか、焼くだけ、という料理にばかり手を出していたので、まともに見栄えの良い料理には挑戦したことがなかったな。今度はもっと盛り付けにも凝ろうと思う。

味は…美味しかった。まぁ見栄えが悪いだけで味はちゃんとしたオムライスだ。オレガノの風味がまた良い。トマトとかケチャップの料理にはやっぱりオレガノが良く合う。

ただ失敗しただけでは終われない、今回の「具が多い」という反省を生かして、必ずいつか理想のフォルムのオムライスを作れるようになりたいと思った。俺の挑戦は続く。

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