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辛みそラーメン

金曜。仕事を終えて帰宅後、ズボンと靴下を脱ぎ捨ててすぐにベッドに横になった。

寝たり起きたりを繰り返しながら翌日土曜の昼に本格的に活動を開始した。

途中近所の立ち食い蕎麦屋で朝食を摂ったり、シャワーを浴びたりしたが、それでも計12時間くらいは寝てたと思う。

首を少し寝違えた。疲れをとるつもりが逆に疲れた気がする。

スーパー銭湯に行きたいと思った。ここ最近毎週通っているのでもう日課になっている。タオル等は借りれるので、手ぶらで部屋を出る。

駅まで歩いている途中にわか雨に降られた。俺は珍しくお気に入りの折り畳み傘を持っていなかったので少し濡れた。運が悪い。

駅に着くとスーパー銭湯のシャトルバスの発着まで時間があったので、駅ビルでコーヒーを買って、屋上庭園でボンヤリしながら啜った。雨は止んでいた。

転職活動中だという友達からメッセージが来ていたので、コーヒーを飲みながら少しメッセージのやり取りをする。

俺も今絶賛お悩み中で人の相談に乗れる立場じゃないのだが、それでも力にはなりたかったので、色々と話を聞いたり、アドバイスをしたり、励ましたりした。

少しでも気がまぎれたのなら良いなと思う。

その後駅内の書店で文庫本を2冊買った。風呂上りに休憩スペースで読むのだ。

文庫本を買っていたら丁度シャトルバスが来る時間になったので、バスに乗り込み一路スーパー銭湯へ向かう。

乗車中待ちきれずに文庫本を開いたら、車酔いした。

スーパー銭湯についたらいつものように館内着を受け取り、男湯へ。体を洗って風呂で少しぼんやりしてから、サウナに入る。

今日は最初は6分サウナ、水風呂で2分体を冷やして、露天風呂スペースで外気浴3分。

その後は10分サウナ、水風呂2分、外気浴3分を2回繰り返す。このルーティーンが1週間の俺の疲れを癒してくれる。

…と思ったら、寝違えた首が余計痛くなった。

調べたら首を寝違えたときに温めると、炎症を助長させ痛みが悪化するらしい。馬鹿か俺は。

鈍痛に顔をしかめながら、風呂から上がった。今回はいつもと違う休憩スペースを利用した。

人がほとんどいないので「ラッキー!」と思い、文庫本を開いたら、2分間に1回くらいの頻度で天井のエアコンが突然ガーガー喚き出すというとんでもない部屋だった。人がいないのも頷ける。

首の痛みも相まって、結局1時間くらいしか居れなかった。リラックスするつもりが余計ストレスが溜まった。

そういえば俺が学生時代に住んでいたアパートも、何分かに1回の割合で、トイレのタンク内からものすごい流水音が聞こえてくるという妙な部屋だった。

管理会社に何度か連絡したが、一向に良くならなかったので、結局放置した記憶がある。よく在学中6年間も我慢できたと思う。

その後もう一度風呂に行って、体を清めてから着替えて退館。下着と洗剤を買う予定だったので、駅に併設された大型スーパーに行って買い物をする。

買い物のあと、帰りは電車に乗って帰ろうと思った。丁度電車が来ていたので乗り込んだら、急行だった。

目の前を俺の最寄り駅のホームがものすごい勢いで通過した時の俺の心情をお察しいただきたい。ガラスに反射した俺の顔は今まで見たことがないくらい眉間にしわが寄っていた。

本当に今日は、踏んだり蹴ったりだ。

結局かなり遠回りをして、帰宅。朝蕎麦を啜ってからロクに固形物を摂取していなかったので、腹が減っていた。

行きつけのスナックのママから辛味噌味の棒ラーメンをおみやげにいただいていたので、茹でて食べることにした。

近所のコンビニみたいなスーパーでネギと海苔、真空パックされたチャーシューを買う。チャーシューは3割引きされていたので、少し嬉しかった。卵はすき焼きを食った時に余ったものがまだ残っているので、そいつを使う。

まずは白髪ネギを作る。ネギの根本の白い部分を細く刻んで水に晒しておく。あまり細くできなかったが、まぁ許容範囲だ。

その後半熟の茹で卵を作る。卵のお尻に穴をあけ、沸騰したお湯にお玉を使ってそっと入れ、7分茹でる。

7分経ったら加熱を止め、すぐに冷水につけて水を流しながら卵の殻を剥く。表面の白身が削れてちょっとだけデコボコになったが、まぁ許容範囲だ。

この時、チャーシューもパックごと湯煎で温めておく。

あとは麺を茹でるだけだ。これはこの間の蕎麦と同じで、茹でているときにほっておくと麺が鍋の底にくっついてしまうので、沸騰したお湯に投入した後、箸で軽く混ぜながら茹でる。

どんぶりに液体スープを入れて、お湯で溶かし、茹で上がった麺を入れる。

あとはトッピングを載せるだけだ。

半熟卵を半分に切ったら、黄身があふれてまな板にこぼれた。慌てて半熟卵を麺の上に載せる。

「そうか。半熟卵を切るときに糸を使うのは、黄身をこぼさないためなのか。」
と、ここで初めて納得した。

あとは白髪ねぎを載せ、海苔を切って載せ、チャーシューを並べたら完成だ。

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辛みそラーメン。地元の味だ。

スープをこぼさないように慎重にテーブルに移動する。無事輸送を終えたら、白髪ネギと麺を箸で引っ掴んで勢いよく啜る。

美味い。俺の記憶にある辛みそラーメンと比較しても、何ら遜色がない。

具材のバランスも丁度良かった。特に白髪ネギが良い味を出している。辛いものには白髪ネギがよく合うな。

それにしても味の再現度がすごい。これは正直、本家に迫る勢いだ。棒ラーメンなので、地元でよくあるちぢれ麺とは違うのが玉に瑕だが、大した問題ではない。

大満足の夕飯を終えた。本当に美味かった。美味かったのだが、食べている間、滝のように汗をかいた。

せっかく銭湯に行ったのにな…。なんだか今日はやることなすことすべて裏目に出ている気がする。

こんな時は何をやってもうまくいかないので、明日はおとなしくしていようと思う。

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