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ソーメンチャンプルー

猛烈な胸焼けで目が覚めた。

昨夜は8/31付で退職する派遣のオペレータの送別会を焼肉屋でやった。彼は俺と同い年ということもあり、なんとなく馬が合って、仕事終わりや週末によく飯を食いに行った仲だ。

現場では一番若いのに、仕事の手際が良くて優秀で、よく他のオペレータに助言をしてくれた彼は、俺の職場にとって大事な存在だった。辞めると聞いたときは大変ショックだった。

だが、彼にも彼の歩むべき道がある。引き留めることはしてはいけない。悲しい気持ちはあるが、今後も頑張ってほしいと思う。

考えてみれば、今回は横浜に来てから初めての「別れ」ということになる。今までは部下が辞めるという経験はなかったが、俺の担当職場のオペレータはみんな派遣社員なので、こういうことが今後も続くのだ。

だが、仕事は仕事。キチンと割り切っていかねばならない。いちいち気にしていたのでは、俺の身も心も持たなくなるからな。

「送別会だから」と、俺は彼の分を奢り、帰るにはまだ少し早かったので別な店で2人で酒を飲んだ。こういう時に飲む酒は悪い酒にはならないので、今回だけ、特別だ。

酔いも回ってきてお互いに欠伸がとまらなくなったので、まだ夜10:00にもなっていなかったが店を出た。俺は彼に「またな。」と手を振って別れた。最後はちゃんと目を合わせられなかったが、我ながら、ちゃんと笑えていたと思う。

こういうときだけ、俺は自分が嘘つきであることを誇りに思う。

翌日、二日酔いというほどではないが、しこたま肉を食い、飲み慣れない酒を飲んだので胸焼けをしていた。

麦茶をガブガブ飲んだら大分落ち着いてきた。今日は床屋に行く予定があるが、まだ早い。

俺は暇な時間に活字を読んでいないと発狂するタイプの人間なので、昨日amazonで無料配信されていた自己啓発本の電子書籍を読んだ。啓発本はあまり読まないのだが、無料だったので落とした。

俺はnoteを初めてそろそろ3か月になるが、「編集部のおすすめ」の記事は自己啓発系のものばかりでゲップが止まらなくなっている。そこに自己啓発本という更に脂っこいものを読んだので、胸焼けがぶり返した。

そういう本自体は悪ではないし、たまに読む分には悪くはない。実際「なるほど」と感心することも多かった。でもまぁ、読んで感心することがあったとしても、俺はそれを自慢げにひけらかすほど脂っこい人間じゃない。

ああいう啓発本の引用そのまんまって感じの内容の記事を書いている連中は、何が楽しくて続けているんだろうな。まぁ、連中にとっては俺のやっていることも十分酔狂だろう。俺だって人のことを笑える立場じゃない。

時間になったので床屋に行き、散髪と染髪をする。ここのオーナーは俺の与太話を気持ちよく笑って聞いてくれるので、俺は毎月ここに来ている。

自尊心を満たして、頭も大分すっきりしたので、昼飯を済ませて家で映画を3本連続で見る。土曜の午後は映画に限る。

映画を見ていたら腹が減ってきたので、飯を作ることにした。実家から送られてきた青南蛮を刻み、玉ねぎを千切りにして、豚コマと一緒にごま油で炒める。

炒めている間に、お湯を沸かして余っていたそうめんをゆでる。茹で時間は表記より30秒早く。

茹で上がったそうめんのお湯をきったら、野菜と豚コマの入ったフライパンにそうめんを入れ、一緒に混ぜる。塩コショウを適量、めんつゆをひとまわししたら軽く炒めて皿に盛り付ける。麦茶もコップに注ぐ。

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ソーメンチャンプルーの完成だ。手抜き料理で、味付けも素朴だがごま油の香りと青南蛮の辛味がアクセントとなっていて美味い。麺はちょっとモソモソしていたが、及第点だ。

これで余ったそうめんは使い切った。麦茶ももうあと2,3日分しかない。多分、追加購入はしないだろう。もう9月になるからな。

窓から夜空を見上げると月が高い位置に来ていた。残暑は厳しいが季節は着実に秋へと向かっている。

周りの人も、季節も、めまぐるしく変わっていくが、楽しかった過去にとらわれすぎないよう今後も気を引き締めて頑張っていこう。

まず目下のところは、仕事は増えていく一方なのに、人手が足りなくなってしまった現場をどう回すかを考えよう。ため息が止まらないな。

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