ライブハウス巣鴨獅子王の閉店について思うこと

 昨日TwitterのTLに巣鴨の獅子王というライブハウスが閉店する旨が流れてきました。名前は知っていて気になってはいたのですが、実際行ったことはありません。それでもやはりライブハウスが閉店するのは悲しいことです。

 獅子王の店長がツイートした内容(現在は削除されておりました)を読んでとても違和感を感じたのでそれについて書きますが、当該のツイートを読んでいない人は分からなくて大丈夫です。同じように違和感を感じた人へ向けて書きたいと思います。

 まず前提として、今回のライブハウス閉店の件の元凶はおそらくコロナウイルスによるもので、誰か個人が悪者扱いされるものでは無いと感じます。

預金通帳から100万円以上が一瞬で消えた経験ありますか?

 僕はあります。知っている方は知っていると思いますが去年パン屋の2号店を閉店させました。家賃は20万で解体費用に約80万、水道光熱費にスタッフの人件費、その他雑費でそれくらい一気になくなりました。

 僕の場合は当時の経営状況を見て、体力がまだ残っているうちに早期決断した為にダメージは最小限に抑えましたが、20数坪のパン屋の解体費用だけで80万かかります。山手線沿線の家賃でライブハウスの解体となるとおそらく倍以上の経費がかかると想像出来ます。

 それに加えて今回の状況でおそらく売り上げはほぼ0でしょう。その状況下で実際に数字が消えるのを目の当たりにするという状況を経験、またはせめて想像出来る人だけがオーナーに意見する事が許されるのではないかと思います。

 店長が「お客様、出演者様への裏切り行為」という主張をしていましたが、支援やクラウドファンディングを受けた上、それが家賃に溶けてしまった上で数ヶ月後に閉店するよりは誠実であると感じます。(ライブハウスの延命措置そのものが不誠実であるという意味ではありません。今後の見通しが立たない上での経営判断として間違いでは無いという意味です。)

RTされると分かっていながら個人を攻撃するな

 店長サイドとオーナーとの間で意見の食い違いがあったのは確かなようですが、公式アカウントを店長側が管理している状態で一方的な言い分を(それが確かであったにせよ)公開して電話番号まで晒すという状況は、あまりにもオーナー側にとって不利であると思います。

 店長側も仕事を失ったことで冷静さを欠いている事と思いますが、拡散されることを分かっていてあれでは一方的過ぎます。おそらくオーナー側と店長側の普段のコミュニケーション不足に問題があり、それはきっとオーナー、店長両方に責任があると思います。

 そのような状況、つまり「チームとして出来上がっていない」状況でのコロナ禍での店舗延命措置は無意味であるとオーナーは判断されたのだと想像します。

 回りくどい書き方をしてしまったので一言で書きますが店長にする人間をオーナーは間違えた上に育て方も間違えてしまったという事です。

スタッフの給料の1ヶ月分は請求出来ます

 解雇時には1ヶ月前に宣告しなければならないので、即日解雇の場合は仕事が無くても1ヶ月分の給料をオーナー側に請求する事が可能です。

 僕の話ですが過去に不正を働いたスタッフを解雇した際、証拠がないので懲戒解雇に出来ずに1ヶ月分の給料を渡した上で解雇しました。(というか性格が異常だったので逆恨みを危惧してこちらから譲歩した)

 なので、生活の不安ももちろんあるでしょうし、即日解雇はその責任もありますので、スタッフ側はそこだけ請求してオーナーとは今後の関係を絶ちましょう。そのお金と給付金で乗り切って自分に合ったお仕事を探して下さい。個人的にライブハウスはオススメしません。

頂いたお金で本を買います。