見出し画像

副業芸人

働き方改革の一環として政府が副業を積極的に推進していることや、それに伴い、大企業が率先して副業を解禁するなど、副業可は採用力にもかかわってくるまで定着しつつあるワードではないでしょうか。

この波は芸人にも来ているのでしょうか、また来るのでしょうか、ちょっと調べてみました。
ここでは、芸人がみずから会社社員や社長として副業をやっているパターンを紹介しながらも、メインは、芸人が副業(芸人の収入が副収入であると思われる)である芸人を見てみました。

画像1

結構、調べましたが、意外と出てこなかったというのがまずまずの感想です。画家と芸人や小説家と芸人といったクリエイターやアーティストはぽつぽいたりするのですが、本業と副業といえるケースは上表になります。

クリニック高田は、医学部卒業後、大学病院に勤務する傍ら、ワタナベコメディスクールに入り、スクール同期生とコンビを組んで活動していたが、そののちピン芸人として、医師と芸人の両立をしています。
しゅんしゅんクリニックPは、医学部卒業後、研修医を経て、NSCに入り、当初はコンビとして活動していたが、のちにピン芸人となっている。その間、医師として外来診療を行い、現在は院長を務めています。
厚切りジェイソンは、米国の大学卒業後、日系企業就職を機に来日、いったん帰国するが、転職した会社の日本法人設立を機に再び来日。そのときにワタナベコメディスクールに入ります。卒業後、IT会社取締役をしながら、ピン芸人としても活動しています。
ラランドのサーヤは、大学在学中にお笑いサークルで知り合った相方とコンピを組み、学生お笑い大会で優勝という実績を残し、M-1グランプリにも挑戦し、準決勝まで勝ち進んだ。大学卒業後、お笑い学校やオーディションを経て事務所入りかと思われたが、フリーで活動の道を選ぶ傍ら、大手広告代理店に社員として入社、現職であります。

自分の道を進むものの、お笑い好きが高じて、お笑い学校に入り、芸人を目指すパラレルワークを志向した結果という感じでしょうか。

しかしながら、上記のような予備軍が増えているのも一方で事実としてあります。
たとえば、M-1グランプリが再開された2015年から2020年までの出場組数14654組のうち、実に56%を占める8315組がアマチュアであります。また、その数は、2015年の877組から2020年には1707組と倍増しています。
もちろん、M-1グランプリという大きな大会への記念受験的なコンビが多いとは思いますが、2006年に唯一、アマチュアコンビとして決勝に駒を進めた変ホ長調(※劇団の舞台女優からアマチュア芸人に転身しているので上表には記載していない)のような副業芸人が出てくるかもしれません。

とにかく面白いやつを求めて、アマチュアやフリーにも門戸を開いているM-1グランプリはやはり素晴らしい大会だと改めて思いますが、働き方改革という文脈の中で、多様な働き方を志向し、その結果、無茶苦茶面白い副業芸人が出てくることを期待します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?