Go beyond the frame!その2
OURVISIONはそもそも何か?
簡単に言うと、フィジカルアップをするためにみんなでレベル上げていきましょう!
っていうプロジェクトです。
他の目的としては、選手が代表活動をするに当たって合宿以外で活動できる場を創出するためのプロジェクトでもあります。
デフフットサル 日本代表活動というと、年間で合宿が5回〜6回程度です。
2年間で10ー12回程度で、コミュニケーションや落とし込みが難しいデフにとって、理想の形を作ることはほぼ不可能に近いです。
もちろんスタッフ間での情報の共有もこまめに大切になってきます。
気持ちだけでいけるならええんですが、そういうわけにもいきません。
普通に考えてこれだけの練習時間では世界一には到底なれません。
そこで考えたのが、協会が実施する以外の合宿という形をどう作るのか?
そして選手への負担がないようにこれを開催するのにはいくらかかって、何が必要なのか?
です。
幸いにも関東に選手が集中しているため、開催が関東に絞ってできたことは良かったと思います。
あとはいかにお金をかけず、選手のモチベーションを維持して継続することが出来るのか!?
でした。
関東開催で場所の確保
実施できる資金の確保
応援してくれる人達の確保(スポンサー、サプライヤー)
基本参加は自由にしてました。
日本代表をチームとして考え、チーム運営という形でやってきました。
もちろん選手負担がない状態でスタッフを関東に派遣して、活動をしていくためにスポンサー、サプライヤー周りにも力を入れました。
提案書を作って、東海林、上井と一緒に回りました。
設楽も会場に話を聞いてくれたり、吉岡も知ってる業者さんを紹介してくれたり、みんなでかき集めてきました!笑
※写真は提案書一部抜粋
本当に沢山の人たちのお陰で、毎月OURVISIONの活動をしていくことができました。
シャツやシリコンバンドなどグッズを作り販売し資金を作ることもやりました!
毎月活動を行うことで、協会主催の合宿+12回になります。
一年で17回〜18回の活動を実施することが可能となりました。
もちろんその分強度も上がり、体がついて来れない選手や理解度が低い選手は置いてけぼりになります。
それもまた監督のコンセプトをしっかり落とし込むにはとても良い環境になったと思います。
それを2019年10月まで実行できました。
そしてもう一つ、代表としてやった内容は、YoYotestIR2で1000メートル以上という目標を作りました。
これは間欠性回復力を見るものでフットサル、バスケ、サッカーをする上で必要な項目の一つでした。
ただの持久力や爆発力はいらないので、ここに絞って長期間の大会で回復力が早くなってほしいためにこの項目をあげることにしました。
最初やるにあたって、もはやアスリートというレベルではなく、めちゃめちゃしょぼかったです!
でも一方では、みんな言いたい放題!笑
1500とか1600余裕ですっていう選手もいました。
はい、もちろん嘘でした。
みんな適当になぁなぁな感じでやってて記録として言われてるのが丸わかりでした。笑
それは何故か?
記録よくてもパフォーマンスを継続的に見てたらどれくらい本当に走れるのか戦えるのかなどわかるからです。
僕は結構厳しくみんなを評価するので目で見るまで信用してませんでした。
きっとそのデータを取ってるところも適当なやり方で数字を出してるんだと思いました。
そこからですよ!
もうみんな必死です。
2019年8月までに1000に到達できなくても良かったんです。
そこを目指して頑張ったと言う形があれば、、、
ゴレイロ以外は現メンバーはすべての選手が1000を超え、よく走る選手は1400程度までは走れるようになりました。
アベレージで1000を超えてる選手も半数ほどになりました。
一番最初、最高記録が600程度が限界でした。
1000というのは手の届く範囲での目標として設定しました。
成功体験を得ることができ、さらには現実的に上のレベルの選手の持つ能力の基準程度ということで落とし込みました。
これも色々なデータを調べた上で、プロサッカー選手、大学サッカーのトップレベル、ユースの代表レベルなどそれぞれの記録を調べました。
世界で戦うためには日本でもトップレベルに属する選手たちと同じだけの間欠性回復力は最低でも必要だと考えました。
もちろん他の要素もたくさん必要なものはありますが、W杯で2週間、高いフィジカルレベルを維持し戦い続ける身体を作ること!
これが目的だったので、筋力トレーニング以外にこっちを並行してあげていくことを指示していくこともまた大変でした。
これについてきてくれ、達成できた選手たちは、自分たちにも自信を持ち選手としてアスリートとしての心理にもなってきたもは間違い無いと思います。
これらのプロジェクトを理解し、選手の面倒を見てくださった様々なトレーナーには感謝しかありません。
選手は、【デフの選手】ではなく、【アスリート】という心と身体を持たせることで、世界に出ても引けを取らない力を発揮できるようになってきました。
それが垣間見えたのが、2019年2月のタイで行われたアジア選手権。
王者イランにも走り負けしない、フィジカル負けしないことを証明でき、デフの中では一番走ると言われているタイ代表を撃破。
内容も走ってコンタクトしてそれでも勝ち切るメンタリティ。
やってきたことが少し証明された瞬間でした。
デフフットサル日本代表の改革と進化は他の障害者サッカーにも影響を与えることとなりました。
これもまた、みんなで超えた大きな一歩でした!
みんなで一つの壁を超えていくこと。
楽しいことやしんどいこと、嫌なことがあっても、信じ合って大きい一歩が出た時、本当に嬉しいもんです!
そしてまたここから11月に向けてもう一つみんなで壁を超え、コトを動かしていくのでした。
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