見出し画像

オワリとハジマリ

オワリとハジマリ

アジア選手権は決勝でイランに完敗しました。予選と同じ0-4
イランに一点も取ることなく完敗。
2戦して0-8。

予選と決勝では戦い方を変えたものの結果は同じでした。
でも決勝でのイランの選手はイライラしていたし、絶対王者に対して内容でも少しは対抗できるチャンスもあった。

でも結果は準優勝でオワリました。

前回大会と同じ準優勝。
でも価値が違う。
そこは確実に射す光があったなといえる。
行動を起こしていかないと11月再戦しても負けると思う。
だからスタッフもそうだが、選手一人一人の行動もこれから9ヶ月間とても大切になってくる。

結果的に女子は優勝、男子は準優勝。
結果が全てだと思う。
優勝してない男子はダメと言われて当然。
誰もが優勝を目指し、自分や仲間を信じてこの時を迎えたはず。
100パーセントやったのかと言われると、それはわからない。
でもピッチに立つ選手は、その場での100パーセント出していたと思う。
自分の力の出し方がわからない選手やビビってしまってた選手、出し切った選手、チームとしてなど全て合わせて現段階、現場での100パーセントの結果。

それが準優勝。

人から見て120パーセント出してないとやっぱ勝てない。
協会やスタッフが全てが同じ方向を向いて100パーセントの力を出せるようにしないと勝てない。

もちろん今後選手の環境を変えることも大切だし、これを忘れないことも大切。
イランに4年前、イランという国でのアジア予選で負け、3年前タイのフアマークという今回と同じ会場で負けた。
そして4年後の今回、2回挑んで2回負けた。
もう残されてチャンスは多くて2回、少なくて1回。
W杯大会が終わると同時にチームは一つの区切りとなる。
そんな、集大成のW杯出場をかけた今回のアジア大会を機にデフフットサル日本代表から距離を置く選手がいます。

「橋本さん、本当にもう無理ですわ」

最後のイラン戦の試合前に彼が僕にいった言葉です
常に前を走り続け、みんなを引き上げたそんな選手でした。
4年前W杯前に彗星の如く現れ、W杯後に敗戦の悔しさからイタリアへ渡るも怪我でやむなく日本へ帰ってくることになり、それでも誰よりもフットサルに時間をかけて、命を削り目標に向かい走り続けた。

身体作りやスポンサー集めなど全てにおいても真っ直ぐで誰よりも突っ走った選手です。
2017年9月、東海林と3人でイランに負けた悔しさを忘れずに強くなるために【日本代表が世界最高基準になろう】ということでフィジカルを鍛えるためOURVISIONを立ち上げ、それから今まで沢山の選手の意識を変え、新しくデフの中に良い風を吹かせてくれました。
彼は、難治性の怪我で一緒にW杯に出ることはできません。

僕には、どうすることもできませんでした。

無理とわかっていてもピッチに立たせてあげれる時間があれば、可能な限り許可しました。

でも僕のできることで彼を救うことはできませんでした。


こんな形で終わる。
一番悔しくてやるせないのは彼です。

こんなにも努力して、誰よりも走ってきた選手が、誰よりも世界一を取ろうと覚悟を決めた選手が何故こんな目に合うのかなと悔しくてたまりません。

でもこれだけはどうしょうもなかったです。

彼と過ごしたデフフットサル日本代表としての最後の時間は、これからの生き方を一緒に考えるようになりました。
最後の夜に2人でカップ麺を食べながら話しました。

「治ったら、またピッチに戻りたいです。」
と言っていました。

「治ったら」

この言葉に込められた思いが現実になるように、進んでいけるよう僕も最大限サポートしようと思います。
またどこかのピッチ上で一緒にボールを蹴ってる彼を見れる日が来ることを願って、これからも共に戦っていきます。

ありがとう上井!

彼が日本代表に残した【覚悟】を、残ったメンバーは受け取ったと思います。
だから、何が何でも残りの9ヶ月、命をかけて凌ぎあって最高に強いチームになり11月、全員でW杯優勝を勝ち取らないと何も意味がありません。
選手、スタッフの【覚悟】が試されるラストステージのハジマリです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?