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風の時代を生き抜いていく

2020年は、新型コロナウィルスの発生や、東京オリンピック・鹿児島国体の延期、緊急事態宣言、GOTOトラベル、甑大橋の開通、県知事選、市議選などなど、個人も会社も、山あり谷あり慌ただしい日々が続きました。

これまで当たり前だと思っていたあらゆる条件が、世界的なパンデミックをきっかけにじわりじわりと崩れ始めています。昭和、平成というおよそ80年から90年の歳月。戦後、積み上げてきた人間社会のシステムや価値感が大きく変わり始めたという点においては、私たちが未来に向かうために必要な時間なんだと思っています。

これまでの過去を振り返ってみても、社会の仕組みや価値観が大きく変わる時、パンデミックをはじめとする世界的な事件や事故、紛争が起きていました。その時、私たちの先祖たちは、国家の様々な社会保障制度の中で、サムライあるいは農民として生き、ある時は、富国強兵の中で兵隊として戦地に送り出され、ある時は、カイシャインとして高度経済成長期を生きてきました。では、私たちは、これからの時代に何を求められるのか。そして、自分は、どのように生きていたいだろうか。

たとえ赤紙がきても、戦地に行くな

数ある新型コロナウィルスの感染拡大の防止策の中にある「会社」へ通勤する人を減らすことが言われている。現実は、そう簡単には行かないのだろうけれど、現在までに発達してきたテクノロジーを駆使して、人が会社という箱に集まらなくとも、ある程度の仕事はできるようになった。印鑑も書類も不要になった。もちろん、それで全ての仕事ができると言っているわけではないし、それだけが目指すべき唯一の世界とも思わない。

人類は根源的に、人は、人に会いたいのだ。

けれども、カイシャインにとっての戦いの場である「会社」にいくな。これは、紛れもなく時代の変わり目なんだと思う。もし、これが戦時中であるとするならば、たとえ赤紙(召集令状)がきても戦地には行くな、に近いのかもしれない。

毎日、様々な報道をみながら、あぁ・・・これが、時代の潮目なのかもしれないということが確信に変わってきている今日この頃。これまで先輩たちが、昭和・平成という時代を、兵隊からカイシャインとして築き上げてきたように、私たち若者が「何者」かとしてあるいは、何者でもない者として令和という時代を作っていくスイッチが押された。

きっと、世界は後には戻らないだろう。

過去のやり方に溺れていく人々が、見えないものと戦いながら、また、見えないものに惑わされながら右往左往している状況や報道をみる限り、こんな時代でも楽しそうに生きている若者たちの方が、私にはよっぽど心強く見えて映っている。

今日、私たちの身の回りには、インターネット、5G、ブロックチェーン、仮想通貨、SNSなどの目に見えないものがたくさんある。そのいずれもが、人間自身が作り出してきたものだ。土地や建物、紙幣・硬貨、車など、目に見えるものだけでなく、すでに私たちは目に見えないものに支えられている時代になっていることをもう少し、自覚した方がいいのかもしれない。そして、それを自覚した時に、見えているものと見えないものが組み合わさる世界を想像することができ、世界はより豊かで、面白い方へ進むのだろう。

さぁ、人生は山あり谷あり。

山の頂上の眺めは、とても美しいです。一方で、谷から眺める山もまた美しい。その谷には、いつも清流が流れ、新しい風が吹き込んでいます。片側からの眺めだけに囚われるのではなく、山と谷。両側からの視点と、その両者をつなぐもの。ここからの時代は、それを生み出す「何か」が大事な気がしています。

私たちの生まれた地球には、ここから200年「風の時代」が続くと言われているそうです。まさしく、その山と谷の両者をつなぐものが、風なんじゃないだろうか。変化の狭間には、いつも風が吹いていますから、私たちに大切なのは、風を止めようとする努力ではなく、風の受け手として変容し、ときおりその風に乗って生きていくことかもしれない。

カイシャインの先は、なんだ。

新型コロナウィルスの影で、起業家育成、副業の解禁、リモートワーク、グリーン政策、水素・電気自動車の転換、SDGs、次世代モビリティ、コンビニの時短営業、クラウドファンディングなどなど、じんわりと小さな変革が進んでいる。だからと言って明日カイシャインがいなくなるわけではない。しばらくは、カイシャ的な場と、社会保障が求め続けられるだろう。次のパンデミック的なショックが起こるまでは、じんわりと進むのだろう。

恐怖を煽るわけじゃないけれど、例えば南海トラフ地震もいつかは起こると言われている。そのとき、カイシャには役割があるだろうか。目に見えているものが消失あるいは、機能しなくなった時に、私たちが助けられるものは、実は、目に見えないものだと私は思うのです。だからこそ、カイシャインの時代の先に求められるものは、なんだろうかと改めて思うのです。

カイシャインから変容する人へ

私も、答えはまだみつかっていない。
けれどももう、新型コロナウィルスってやつは、私たちの気持ちを知ってか知らずか、世界のあちこちで変異してすごい勢いで感染拡大を続けてる。自分が、事業を継続していく事業家であるなら、流石に、ここは見習うべきところかもしれないとは思っています。コロナ先輩。

私は、東シナ海の小さな島ブランド株式会社というカイシャの創業者でもあります。まるで、この時代という沖合に浮かぶ、一隻の小さな帆船です。帆船というものは、例え向かい風であっても、風がなければ進みません。そして、どんなに素晴らしい舟も、その舟に乗る私たちが風の扱い方を間違うと、沈んでしまう怖さがあるのです。

私たちは、今乗っている舟をつくってくださった先人たちに感謝して、これからの時代をも乗り越えていく優秀なクルーとして変容し、成長していくことが求められていることは間違いないのでしょう。

さぁ、帆を掲げよ、変容人!略して・・・ヘンジン

ヤマシタケンタ

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