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臨床検査技師国家試験の勉強について

今回は臨床検査技師国家試験に向けての勉強法などについてお話したいと思います。
内容はこれから受験生になる学生さんに向けになってます。

ぜひこの記事を読んで、これからの受験勉強の参考にしてください!
(随時更新していきます)

臨床検査技師国家試験について

・毎年、2月の第4水曜日に開催されます。
(2024年は2/14(水)に開催)
・午前100問、午後100問ずつの合計200問
・配点は1問1点の200点満点
・120点以上取れば合格
(しっかり勉強すれば合格できます!)
・合格発表は3月下旬に行われます。
(2024年は3/21(木)に発表)
・新卒の合格率は毎年80~90%以上
(全体は70~80%の間で推移)
※70回の全体の合格率は76.8%、新卒合格率は88.0でした。

・試験科目
1.医用工学概論(情報科学概論及び検査機器総論を含む。)
2.公衆衛生学(関係法規を含む。)
3.臨床検査医学総論(臨床医学総論及び医学概論を含む。)
4.臨床検査総論(検査管理総論及び医動物学を含む。)
5.病理組織細胞学
6.臨床生理学
7.臨床化学(放射性同位元素検査技術学を含む。)
8.臨床血液学
9.臨床微生物学
10.臨床免疫学

・各科目の配点(200点中)
医用工学概論:12点
公衆衛生学:10点
臨床検査医学総論:10点
臨床検査総論:20点
病理組織細胞学:28点
臨床生理学:26点
臨床化学:32点
臨床血液学:18点
臨床微生物学:22点
臨床免疫学:22点

※配点からみる合格へのポイント
→配点が多い臨床化学、病理組織細胞学、臨床生理学でいかに点数が取れるかが鍵になります。
まずは、上記3科目と臨床血液学、臨床微生物学、臨床免疫学の計6科目をメインに勉強を進めていきましょう!
6科目の勉強にある程度メドがつけば、残りの4科目も勉強して、点数の上積みを狙っていきましょう。(最悪、試験1ヶ月半前からでOKです!)

問題について

問題は暗記力を問われる問題が多いです。
合格するだけなら、大半の問題は暗記で何とかなります。
しかし、内容によっては「どうしてそうなるのか?」ということを勉強してください。
特に、疾患は病態生理を、検査法は原理を理解した方が良いです。

理由は、国家試験はあくまでも仕事をするためのスタートラインにしか過ぎないことと、暗記だけの知識では臨床の現場で役に立たないということです。
現場では「どうしてこういう検査結果になったのか?」ということなどを常に考える必要があります。

考える力や癖は簡単には身につかないので、学生のうちに身に付けていって欲しいです。

※66回以降、所々ひねってある問題が見受けられ、過去問頼りの勉強法が、通用しなくなりつつあると感じました。
これから勉強される方は、過去問集や参考書のみならず、模擬試験や教科書を活用することをおすすめします。

点数の目安

最低でも、12月に100点以上取れていれば、そこからの追い込みで120点以上になると思います。

本番の点数は130点取っておくと安心です。
マークミスや採点除外の問題があったとしても、さすがに10点分やらかすことはないと思うので、精神的な余裕が出てきます。

また、学校によっては合格率を上げるため、
国試前に一定の点数で足切りをするところがあるで注意してください。

例)自分の点数目標
学校が定めた目標をそのまま自分の目標にしました。()は自分の点数です

7月:80点(90点ぐらい)
9月:90点(100点ぐらい)
11月:100点(109点)
12月:120点(133点)
1月:135点(138点)
本番:自己最高点(66回:139点)
→自分は12月に目標の130点代を超えてから、ほとんど勉強しなかったので、伸び悩みましたが、皆さんはもっと点数伸びると思います。

勉強スケジュールについて

4年生になってから本格的に始めても大丈夫です。

4~8月は、そこまで忙しくないので、この時期に勉強を進めておくと、少しは楽になります。

9月〜12月は、卒研のまとめや就職活動が本格化するので、平日にまとまった勉強時間を確保するのは難しいです。休みの日に集中して勉強しましょう。

12月中旬~1月下旬を目安に、追い込みの時期を設けてください。

2月は、復習をメインにしましょう。
直前に新しい内容や難しい問題に手を出すと、勉強に行き詰まり、不安や焦りが出てきます。

また、Twitterを見てると、1、2年生の頃から「国家試験の勉強どうしたらいい?」などのツイートされる方を見かけます。

早い段階で国家試験を意識することは、良いことですが、最終学年でなるまでは、そこまで考えなくてもいいと思います。
(早めに国試のことを考えすぎると、メンタルが持ちません😅)

1〜3年生の時期は、講義の復習をしておけば大丈夫です。講義の復習は国家試験の勉強に繋がります。
特に解剖学、生理学、生化学、病理学などの基礎分野を理解しておくと、国家試験の勉強を楽に進められます。

あとは、たくさん友達と遊んで、バイトして、学生生活を楽しんでください!笑

勉強時間と目標について

必要な勉強時間は、目標点数、現時点での学力によって変動します。

なので、勉強を始める前に
・目標点数を決める
・直近に受けた模試の点数
・得意、好きな科目
・苦手、嫌いな科目
などの分析をしましょう。

目標がないとダラダラ勉強してしまうので、
点数が伸びません。必ず目標を定めましょう!

勉強習慣がない人は、まずはスモールステップでやっていきましょう!
一日30分でも大丈夫です。とにかく勉強する習慣、机に座る習慣を身に付けて下さい。
習慣になれば、勉強は苦にならなくなります。

あとは、点数の伸びで時間を調整していけばいいと思います。

例)自分の場合(4年生になる直前)
・目標:12月にある卒試で120点以上、本番で130点以上
・直近の模試の点数:77点
・得意、好きな科目:輸血、血液
・苦手、嫌いな科目:生理、臨化、免疫

4月から少しづつはじめました
勉強時間はとりあえず、平日は2時間、土日は4~5時間に設定しました。
バイトはしてませんでした。(バイトで疲れて勉強しないと思ったため)

自分は勉強習慣がなかったので、最初は時間にはこだわらずに、机に座って勉強することから始めました。(6〜7月になると、決まった時間に机にいないと、気持ち悪かったです笑)

8月は夏休みということもあり、だらけることはありましたが、12月の卒試1回目で目標以上の点数(133点)を取ることが出来ました。

早めに目標点数に達した場合は、目標を再設定しましょう。
自分は卒試で130点に到達したので、完全に気が緩んでしまい、あまり点数が伸びずに当日は139点でした笑。

友達の中に150点以上取ってる人がいたので、「そいつより高い点数を取る」という目標を再設定して頑張れば良かったです…笑

皆さんは、私と同じ失敗をしないでください笑

過去問と模擬試験の活用法

勉強法として主流なのは過去問と模試を活用する方法です。

大事なことは、ただ問題を解いて、正解不正解を確認するだけではなく、裏解答を作り「なぜ合ってたのか」や「選択肢のどの部分が間違ってるのか」まで理解することです。
(他人に説明出来るまでになれば、更にGood!)

+αで問題や選択肢に関する内容を教科書や講義資料を使って、知識をまとめましょう!

正しい使い方の例については、こちらのツイートを参考にしてください!

睡眠、体調管理について

「睡眠」は大切にしてください!

勉強で疲れた脳や心身を休めることはもちろん、人間の脳は睡眠によって情報を整理したり、記憶を定着させたりする性質があります。

ですから、どれだけ勉強しても睡眠を取らなければ、記憶は定着しませんし、勉強のパフォーマンスが低下します。
最低6~7時間は寝て、記憶の整理と休養に努めましょう!

国家試験は朝から夕方まで一日ぶっ通しで実施されます。
勉強の影響で夜型の生活リズムになってる方は、「早寝早起き」を心がけて朝型の生活リズムを定着させてください。

試験に向けてのアドバイス

①気楽に受けよう
無責任かもしれませんが、落ちても死にはしないので気楽な気持ちで受けましょう!
過度な緊張では自分の実力は出せませんし、分かる問題が解けなくなります。
「120問正解しよう」というより「80問間違ってもいい」と考えた方がいいでしょう。

②分からない問題は飛ばす

分からない問題は飛ばして、まずは全ての問題に目を通しましょう!
番号通りに解く必要はないので、得意な科目から先に解き、時間を余らせてから苦手な科目や難しい問題を解きましょう!
問題を飛ばすときにはマークシートに印をつけておきましょう。(マークミス防止)

③問題文はしっかり読む
→問題によっては「2つ選べ」や「誤っているのはどれか」を解答する問題があります。
その場合には太字で記してはありますが、しっかり問題文を読んで、解答間違えのないようにしましょう。

おすすめの参考書

①最新 臨床検査学講座(医歯薬出版株式会社)
いわゆる「赤本」で、多くの大学・専門学校で教科書として採用されていると思います。
66回〜68回の試験問題を見て、教科書を使った勉強が大事だと再認識しました。

②QB(クエスチョンバンク)臨床検査技師
この本は私が学生時代にはなく、使ったことがないので、こちらのブログを参考にしてください

また、Twitterでも使っての感想を集めました。

メリット
・解説を読めばだいたい機序がわかる。
→QBはしっかり読めば結構詳しく知識が載っている。
・イラストが分かりやすくて豊富なため、頭に残りやすい。

デメリット
・解説が多く読み込んでしまい時間がかかる。
・問題数が少ない。
・重い
→今年からデジタル版が発売されるらしいので重さの問題は解消されるかも。

※勉強が苦手な方、理解力がないと思う方におすすめ!

③臨床検査技師国家試験解説集 Complete+MT
「黒本」の方がよく聞くでしょうか。こちらに関してもTwitterで感想を集めました。

メリット
・各科目毎に発売されている。
→他の問題集に比べて、軽く、持ち運びが便利。
・周辺知識が表でまとめられている。
・問題毎に難易度が記載されている。

デメリット
・機序が詳しく載ってない
・隅っこの内容まで記載されているので、知識の取捨選択は必要かもしれない。

※たくさん問題を解きたい方、解説であまり時間を取りたくない方におすすめ!


④臨床検査技師国家試験問題注解
金原出版から発売されている国家試験勉強の定番と言える問題集です。
直近5年分の国試問題を含む約2,500問が収載されており、問題数に関してはトップクラスの量だと思います。

解説がほとんど文字の羅列なのが欠点ですが、より多くの問題に触れたい方にはおすすめです。

他にも医学書院の「臨床検査技師国家試験問題集 解答と解説 」もありますが、金原出版の問題集が解説が詳しく載ってるので、おすすめです。
(問題数も金原出版の方が多いと思います)

最後に

国家試験はしっかり勉強しておけば、合格できる内容になっています。
これを読んでる皆さんも、ぜひ合格目指して頑張ってください!
ご質問はこちらにお願いします!!

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