夢と金

 グレープフルーツジュースが美味い。

 どうも!上杉健太です!埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表やスポーツ推進審議会委員をやりながら、長野県のクラブのアドバイザーをしたりして、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。総合型地域スポーツクラブのキャリア10年目に突入しました。

 今日は、『夢と金』というテーマでお話したいと思います。僕はあまり自分の目指しているものを『夢』と言うことはないのですが、ようするに最終的な目標のことを『夢』と表現することが一般的には多いとすると、僕の夢は「生涯スポーツ社会を実現する」ということになります。いや、実はそれすらも手段でいいかもしれません。僕はただただ幸せな社会で生きて死にたいだけかもしれません。その為に、生涯スポーツ社会を実現したい。それが僕の夢です。

 夢の実現には実に色々なものが必要です。僕の体力や能力も当然必要だし、時間も必要だし、お金も必要です。キングコングの西野亮廣さんの新著『夢と金』では、まえがきでこうはっきり書かれています。

「お金」が尽きると、「夢」が尽きる。これが真実だ。

西野亮廣『夢と金』

 僕は生涯スポーツ社会の実現を目指して総合型地域スポーツクラブの運営をしています。これが僕が採用する方法として一番楽しくて、筋がいいものだと思うからです。地域スポーツクラブを仕事にしようとした時に、新たにフットサル場の運営をしようとしていた企業からも採用の内定をいただいていましたが、それを断って人口6,000人の田舎で総合型地域スポーツクラブのキャリアをスタートさせたのは、それだけ総合型地域スポーツクラブに魅力や可能性を感じていたからです。そしてそれは、年々増すばかりです。「やってみたけど総合型地域スポーツクラブなんてダメだな」なんて思ったことは一度もなく、総合型地域スポーツクラブを上手く普及・発展できない自分がまだまだだったり、それを組み込んだ設計ができない地域社会がまだまだ未成熟なんだなと思うことはあっても、総合型地域スポーツクラブそのものに限界を感じたことはありません。

 そんなこんなで総合型地域スポーツクラブの運営を9年間やってきて、やっぱり一番苦労するのが、「お金」です。西野亮廣さんが言うように、「お金が尽きたら終わり」。そう思って、常にクラブが黒字経営であるように、そして自分の生活費も切れないように、常に気を張りながらやってきました。何度も何度も、「もう今年で最後かもな」と思いながら(笑) 最近はあまり思わなくなった気がしますが、それこそ地域おこし協力隊だった最初の3年間とか、その後の1~2年とかは毎年思っていたような気がします。

 クラブが赤字になっても、運営方針を変えればクラブ自体を継続させることはできるでしょう。有償で働いてもらっていたスタッフ(コーチやマネジャー、事務員など)にはやめてもらって、ボランティアスタッフだけで運営するように変えれば、かなりのコストを削減することができます。また、事務所を借りて家賃を支払っている場合は、そこを出て事務所がなくても運営できる体制を作ればいい。(※今のふじみスポーツクラブがそう)

 しかし、自分の生活費だけは絶対に守らないといけません。自分が生活できなくなれば、夢を追うことは絶対にできないからです。できれば、ある程度余裕のある生活ができた方がいいです。日々のお金に困窮してしまうと、目先の利益ばかりを優先させようとしてしまい、夢を追いかけるのを忘れてしまう可能性が高まるからです。人間とはそういう生き物だと思います。(※そういう人を責めているのではなく、当たり前のようにそうなるという話)

 もちろん、生活費を総合型地域スポーツクラブの仕事で得る必要はないのかもしれません。どこかの企業に務めながら、副業とか趣味として総合型地域スポーツクラブをやってもいいし、総合型地域スポーツクラブとは別に稼ぐ事業をやってもいいでしょう。
 でも僕の場合、どうもそれができなそうなんです。そうしたいという想いとかビジョンが、頭の中に一切湧いてこないんです(笑) たぶん僕は、大事な時間を他のことに使うのが嫌なんだと思います。時間があれば総合型地域スポーツクラブを大きくすることに使いたいし、自分が総合型地域スポーツクラブで楽しむ為に使いたい(笑) そしてできれば、そのプロセスの中でお金も生み出したいと思っているんですね。このキャリアを始めてしまった以上、もうお金の為だけの仕事なんてできないです。そんな時間は勿体なすぎる。総合型地域スポーツクラブでお金を生み出す。僕がやるならもう絶対にこれなんです。

 こういうことを言うと、「スポーツで金稼ぎをするな!」と怒る人がたまにいます。毎年講演させてもらっている早稲田大学の学生からは、「子どもで金稼ぎをしないでください」みたいなことを感想で書かれたこともあるし、長野県にいた時には、「スポーツ教えてお金をもらうなんて信じられない!」と言われたこともあるし、最近は体育館の人に「ガッポガッポですね」とか言われました(;^_^A 年収とかで言うと、僕は東京で会社員をやっていた時の半分ほどです。それこそ富士見市に移住してゼロから総合型地域スポーツクラブを立ち上げた時の収入なんて当然酷いものですから、住民税を収めないでいい非課税世帯にもなりました。(※この経験により、低所得世帯には実に色々な優遇・支援があることを知れた) 言ってしまえば、僕は総合型地域スポーツクラブのキャリアに足を踏み入れたことによって収入を激減させています。(※色々と工夫しているので、ひもじい生活とかはしていないのでどうか安心して応援してください(笑))
 僕がお金を稼ぐのは、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動を続ける為です。もう本当にその一点。収入を大きくしようとするのは、生活の安定の為と、後継者が入ってきやすい組織・業界にする為です。『年収1千万円のクラブマネジャー』という数字を一つの目標にしていますが、それも別に僕がならなくてもいいです。うちのクラブでそういう人財が生み出せて、それを目指す人が地域社会から現れるようになれば、それでクラブが未来に向けて回って行けるようになる気がするので、誰がなってもいいです。総合型地域スポーツクラブでお金を稼ぎたいのは、そういう狙いがあるからです。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5