『体育』が『体楽』になる日

 今年度も順調に会員数伸びてます!

 どうも!上杉健太です!埼玉県富士見市の総合型地域スポーツクラブの代表やスポーツ推進審議会委員などをしながら、生涯スポーツ社会の実現を目指して活動しています。総合型地域スポーツクラブのキャリア10年目に突入しました!

 今日は、『体育を”音楽レベル”に!』というテーマでお話したいと思います。テーマだけでは意味不明ですよね(笑)


 何の動画だったか完全に忘れてしまったのですが、Youtubeでお勉強をしている時に、AIの話題が出ました。そこで、絵を自動生成してくれるMidjourneyに話が及び、そこで出演者のかたが面白いことを言っていたんですね。セリフを正確に覚えているわけではないのですが、要するに、「これで美術も音楽と同じようになった」ということでした。これまで絵を描くということは、『術』であったと。術を学ばないとできないものだった。一方音楽は、『楽』であると。『術』をすっ飛ばして楽しむことができるものだということですね。世界中の人が音楽やダンスを、別に習いもせずに楽しんでますよね。
 AIに指示を出すだけで人類が絵を描ける時代になり、美術も術を必要としなくなってきて、音楽と同じようになっていくだろうというんですね。誰もが絵を描いて楽しめるようになったということですね。

 これには僕も超納得だったし、同時に、「うらやましいな」と思いました。スポーツもその領域に行かないかしら、と。術を必要とせず、誰もがいきなり楽しめるようにならないかなと思うわけです。そうなったらなったでコーチ業の人はもしかしたら職を失う人もいるのかもしれませんが、気晴らし・遊びというのがスポーツの本質なのだとしたら、やっぱり『術』を必要としないで楽しめる状態が目指すべきスポーツの姿なのだと思うんですよね。(※絵も音楽もスポーツも、いくらでも追究することはできる。今僕が話しているのは入口の話)

 よくうちの子がクラブでスポーツをした後に、「そうだ!上手くする為に、○○を開発しよう!」とか言うんですよね。僕の感覚からすると、上手くいかなかったからできるように練習しよう!という発想になるところを、うちの子はそれをテクノロジーとかで解決しようと発想するんですよ。これはもう彼の思考の癖で、小さい頃から仕掛けとか機構とかに興味があって、とことんプログラミング思考なんです。自分の技術や体力を向上させることよりも、完全にそっちを考える傾向にあるんですね。
 僕たち大人はついついこういう子に対して、「楽しようとしないで努力しろよ!」なんて思ってしまいますが、楽に楽しめるのならそれはそれでいいですよね。だって彼は別にプロスポーツ選手なんて目指していないのですから。多くの人がそうであるように。

 もちろんコーチである僕も、全てを努力による能力向上で解決しようとする人ではありません。初心者でも楽しめる試合の形などを常に追求しています。上手くならないと試合をさせない、みたいな考え方は1ミリも持っていません。そういう意味では、この9年間、僕もどんどん練習メニューを開発してきました。でも、スポーツを音楽やAI時代の絵画のレベルにまで持っていくには、もっとテクノロジーの導入が必要となって来るのかもしれません。それこそうちの子が言うようなアイテム(※うちたいところにコントロールしてくれるラケット)とか。

 もしそういう便利アイテムみたいなものが当たり前のようにスポーツの入り口の部分に導入されれば、かなりスポーツを始める人が増えるような気がしますよね。走らなくてもできるサッカー(※ウォーキングサッカーとは次元の違う、走らなくても”普通に”プレーができるようなハイテクアイテムを活用したサッカー。しかもバーチャルではなく、リアルで。そういうイメージ)、ラケットを持たなくてもできるテニス、狭くてもできる野球。画面上とかでそれを実現するのではなく、あくまでもリアルでこういうことができるテクノロジーがあるとめちゃくちゃいいですよね。ここまで来たら、スポーツも音楽と同じように、『楽』という文字を使っていいようなレベルになる気がします。学校の授業も、『体育』ではなく、『体楽』となりますね。(※本当は、テクノロジーによって”上手くプレーする”という方向性よりも、”上手くなくても楽しい”という方が重視したいのですが、それでもやっぱり、『上手い』という状態への憧れは消えませんもんね)

 いやこれ、『体楽』って書いてみましたけど、いい響きですね。たいらく。快楽に似た音で、体たらくみたいな緩さもあり、「体を楽しむ」という意味でも、「体が楽」という意味でもポジティブに捉えられます。いいですね、これ。僕たちの社会が目指すべきは、これなんじゃないでしょうか。『体育』が『体楽』に変わる社会。これですね。

 いずれにしても、このAI時代に、スポーツがいつまでも、「苦しまないといけない」とか、「上手くならないと面白くない」みたいなところにいると、他のエンタメに決定的な差をつけられかねません。スポーツをすることのハードルもどんどん下げていく工夫を僕たちは考えないといけない時代になってきているのでしょう。これはもう逆行することのない大きな流れのように思います。


 というわけで今回は、『体育を”音楽レベル”に!』というテーマでお話しました。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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