経済格差が生むかもしれないスポーツ頻度の二極化について総合型地域スポーツクラブができること

 配信が大変遅くなりました(^_^;)

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『経済格差が生むかもしれないスポーツ頻度の二極化について総合型地域スポーツクラブができること』というテーマで考えてみたいと思います。

 実は昨日、ふじみスポーツクラブの運営チームではじめて飲み会をしたのですが、そこで話題になったのが経済格差によるスポーツの二極化。経済的に豊かな家庭がどんどん色々なスポーツを高い頻度でやる一方で、経済的に貧しい家庭はスポーツができない環境にある、と。

 この手の話は会員と話したりしているとたまに出るものです。「貧しい家庭の為に会費を安くしてあげたい」といったように。
 それは確かに救ってあげたい。でも、職員を雇っているようなクラブの場合、経営していかなければなりませんから、なかなか貧困層の為に会費を下げるというのができなかったりします。

 なので、私はこれまで、この問題については、「政治がやることであって、総合型地域スポーツクラブがやることではない」と言ってきましたし、昨日もそういう意見を言いました。

 しかし、実はやりようはあるかもしれないぞと思い直したので、お伝えします。


子ども食堂的クラブ

 まず考えられるのが、子ども食堂のように、ボランティアベースまたは誰かが資金提供して、無料でスポーツ機会を提供するというもの。

 これは既に多くの地域にありますよね。お父さん、お母さんコーチなどによるボランティアで運営している子どものクラブは。
 ある程度の規模を持たないとあまり意味がない総合型地域スポーツクラブの場合、ボランティアで運営するというのがかなり難しいので、現実的には子ども食堂的な総合型地域スポーツクラブは難しいのではないかなと思います。
 やるなら、行政や企業が資金を出して、受益者負担ゼロでやるしかないのかなと。


ギフトとしての会員権

 次に考えてみたいのが、ギフトです。クラブの会員になるには、少なくとも会費を納めることが条件となっている場合がほとんどだと思いますが、その会費を当人が支払うのではなく、知人や見ず知らずの人など、他人が払うやり方。クラブの会員権をギフトとして誰かに贈るということですね。

 今回考えたいのは、貧困層のスポーツ機会をいかに創出するかということですから、経済的に余裕のある人が貧困層に会員権をギフトとして贈るということ。これはありですよね。普通にやってみる価値はあると思います。

シンプルなやり方としては、自分では会費を払えない人を募集し、同時にそういう人に会員権をプレゼントしたい人も募集し、お互いの希望をマッチング。入会する当人は他の人と何ら変わりなく活動を続け、会費の請求はギフトを購入した人にいく。

 ただこれの難しいところは、入会する当人の方が手を挙げにくいところ。「お金がないけどやりたいので、誰かがプレゼントしてくれるなら入会します!」と言うようなものですから、ちょっと遠慮してしまうような気持が生まれるのではないでしょうか。


VIP戦略

 ギフトの課題を解決してくれるかもしれないのが、VIP戦略です。クラブの中にVIPを作り、そこで大きな利益を出す。そして、貧困層の活動は会費を大きく下げてあげるわけです。
 このやり方ならば、貧困層の人がわざわざ貧困の状態にあることを表明しなくて済みます。

 課題は、そのVIP商品とも言える活動の作り方です。他よりも明らかに会費額を上げるわけですから、活動内容も他と同じようなものではダメでしょう。新幹線で言うところのグリーン席を、総合型地域スポーツクラブの中にどう作るか。
 新幹線のグリーン席や、飛行機のビジネスクラスなどの場合、座席の大きさや質、車両における位置、座席数、受けられるサービス内容などで差別化し、価値を高めています。総合型地域スポーツクラブの場合なら、活動の時間帯や会場、コーチの質、定員数などで他の活動と差別化して、会費額を上げることが可能かもしれません。例えば、多くの人が来やすい土日の日中に、定員数がかなり少ない教室を開講するとか、ですね。プライベートレッスンみたいなものでもいいかもしれません。
 とにかく、グリーン席的なものをクラブに作って、そこで大きな利益を出し、その分、その他の活動の会費を下げるというやり方です。

 ただ、これをやるには確保できる施設やコーチに余裕がないとできませんから、いずれにしてもクラブがそれなりの規模になっている必要があるのだと思います。クラブの認知度もかなり重要そうです。


 というわけで今回は、『経済格差が生むかもしれないスポーツ頻度の二極化について総合型地域スポーツクラブができること』というテーマで考えてみました。基本的には、貧困層を救う手立ては政治がやることだとは思います。スポーツの費用だけ下げても、その人達のことは救えませんから。でも、もしもこれから貧困層が増えていくようなことになるのだとしたら、クラブ経営の為に打ち手を持っておくことは必要なのかもしれません。それが子ども食堂的なコンテンツなのか、ギフトなのか、VIPなのか。引き続き考えていきたいなと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5