総合型地域スポーツクラブをメジャーに

 せっかく天気がいいのに、雨が降ったせいでクレーコートが使えない時のもどかしさよ。

 どうも!総合型地域スポーツクラブをやっています、上杉健太です。

 今日は、『総合型地域スポーツクラブをメジャーに』というテーマでお話したいと思います。総合型地域スポーツクラブは国策でもあったように、地域スポーツのど真ん中に存在しなければならないというお話です。ふじみスポーツクラブとしては、早い内にそこへ到達するように頑張らなければ!というお話です。


 総合型地域スポーツクラブは、もう30年近くも国の政策としても推進されてきた事業でもあります。だからこそ、toto助成金というリッチな予算を充てられ、さらに地方自治体からのバックアップもあったりするわけです。地域によっては、それらの豊富なリソース(経営資源)を使って、既に総合型地域スポーツクラブがその地域スポーツのメジャー(王道)になっているところもあるでしょう。何をもってメジャーかは地域にもよりますが、地域の人がスポーツをやろうとした時に、最初の選択肢となっているかどうかが大事かなと思います。何かスポーツをしようとした時に、まず総合型地域スポーツクラブを思い浮かべて、そこから何をするか選ぼうとする。そこにやりたいコンテンツがなかった時に、他の選択肢を検討する。そうなっていれば、その地域で総合型地域スポーツクラブはメジャーだと言えるのかなと思います。僕たち総合型地域スポーツクラブが目指すのはそのポジションです。

 ところが、恐らくかなり多くの総合型地域スポーツクラブがそうはなっていないのだろうと思います。既存の少年団とかサークルなどがあり、さらには民間のフィットネスクラブやスクール、スポーツクラブがあり、その隙間を縫うようにして存在している総合型地域スポーツクラブも多いと思うんですね。
 で、総合型地域スポーツクラブがそうなってしまう理由は僕も身に染みて分かっています。”後発”だということと、”リソースが少ないから”です。

 いくら30年近くの国策としての歴史があるとはいえ、全ての総合型地域スポーツクラブがその時に始まったわけではありません。年々数を増やしてきたのが総合型地域スポーツクラブであり、僕が去年立ち上げたように、年数が浅いクラブだってたくさんあります。


 また、いくら総合型地域スポーツクラブとしての歴史が長いクラブと言っても、それまでも単一世代型や単一種目型のクラブやサークルはたくさん存在していたわけで、地域からしたら間違いなく設立当初は”後発”のはずなんですね。それは何も総合型地域スポーツクラブに限った話ではなく、どのような団体も設立した時は”後発”のはずなのですが、総合型地域スポーツクラブにとって後発は結構気を使う点なんです。なぜなら、「公的な団体であろうとするから」です。どこかの誰かが自分たちが楽しむ為に設立した団体であれば、後発だろうが何だろうが、自分たちの権利を主張して、堂々と場所をとり、やればいいのですが、できるだけ公的・公益的であろうとする総合型地域スポーツクラブの場合は、総合型地域スポーツクラブが存在することで他の誰かがスポーツができなくなることを恐れます。それは望んでいることではないからです。また、そこに公的な資金(税金が基になっている補助金など)や自治体のリソース(職員の支援や優遇措置など)があれば、さらに地域住民の権利を守りながら活動を行うことが求められます。クラブだけの利益を追求すればいいわけではないんです。そうすると後発組である総合型地域スポーツクラブは、既存団体と会員の奪い合いにならないように、種目のかぶりがないように、場所がかぶらないように、気を使いながら活動を作っていくことになります。そうすると、メジャーどころの種目や会場・時間帯は既存団体があったりするので、どうしてもニッチなところからスタートすることが多くなってしまうんですね。これが、総合型地域スポーツクラブがメジャーになれない理由の一つです。


 もう一つ、総合型地域スポーツクラブがメジャーになれないのは、リソース不足だと思います。豊富なリソースでポジションをとっているのは、民間の大手フィットネスクラブだと思います。やっぱり駅前にドデンと大きな建物を構えているのは存在感がありますし、広告も打てます。また、チェーン展開もしているところが多いですから、単体での知名度だけでなく勝負できますから、やっぱり強いですよね。それらを支えているのが、大きな資本だと思います。そのほとんどが株式会社で、株を発行して資金を集めて事業を行っています。
 そう思うと、本当は総合型地域スポーツクラブも各都道府県に存在している統括団体みたいなところに補助金などを集めて効率的にチェーン店舗みたいに運営した方がいい説ってありそうですね。でも実際にはそうはなっておらず、リソースは1つ1つのクラブが単独で集めており、地域事情やマネジメント人材の能力・人脈にクラブの行き先は大きく依存しています。また、せっかくもらった助成金なども効率的かつ長期ビジョンに基づいて使えているクラブは限られており、かなり多くがその貴重なカネ資源を溶かし続けてきました。(※アフターtotoという用語が総合型地域スポーツクラブ界隈で一般的になっていることがそれを証明している)
 だから、民間フィットネスクラブのように大々的にプロモーションを行えていないクラブも多いと思いますし、やっぱりどこか”ひっそり”としてしまいがちなんです。例えばふじみスポーツクラブの場合だと、とてもメジャーになる段階にはなく、活動会場として確保できたところから徐々にプログラムを作っていて、プロモーションもその周辺の人たちへのポスティングと気持ちばかりのSNS発信(広告含む)だけという感じです。まさに知る人ぞ知るというレベルです。まだまだメジャーは遠いです。長年やっているクラブの中にも、未だにそのリソースの少なさから細々とした活動に徹してしまっている総合型地域スポーツクラブはたくさんあるわけです。実際に、30%のクラブが会員数100名以下で、73%のクラブが会員数300名以下で運営されていて、とても大規模(メジャー)だとは言えない状況にあります。


 では総合型地域スポーツクラブがメジャーになるには、どうしたらいいでしょう?先ほどは原因として、『後発』『リソース不足』の二つを挙げました。これを改善することである程度はメジャーに近づくことはできるでしょう。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5