総合型地域スポーツクラブのこれからに期待できる理由

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『総合型地域スポーツクラブのこれからに期待できる理由』というテーマでお話したいと思います。ふと、これからの社会を考えていった時に、実は総合型地域スポーツクラブに対するニーズって増えていくんじゃない?と思ったので、書き残しておきたいと思います。

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とにかく多様化する社会

 社会はどんどん多様化するということを前提にすると、とにかく色々な人が現れてきます。色々な人が現れるだけではなく、一人の人が、色々な顔を持つようになります。
 「山田太郎です。会社員です」という自己紹介をする人は少なくなり、「山田太郎です。Aという会社で営業職をしたり、Bという会社の経営をしたり、趣味で結構野球やったりしています」みたいな自己紹介が増えていくと思うんですね。この自己紹介のパターンが無数に存在するようになる。人を一つのラベルで決められなくなる。そういう社会にどんどんなっていくと思っています。

 その流れはもう一般的に始まっていて、それは例えば副業・複業という言葉が一般的になってきたり、働き方改革などという言葉が流行ったりすることからも分かりますよね。流れはとにかく多様化。”みんな同じ”という時代はもうすぐ終わるのでしょう。
 また、人口が減ることも影響してくるかなと思っています。国内の市場規模が小さくなる。一つの事業で成り立っていた会社が、それだけでは成り立たなくなっていく。すると、色々なことに手の伸ばさなければならなくなる。一つの事業の売り上げが減るから、収入源を多く持とうとする。会社単位でも、より多様化していくのかなと思います。

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色々なことに手を出す時に必要なこと

 社会が多様化し、一つのことを突き詰めるだけでなく、色々なことをやろうとする人が増えていくと、色々なことができる人が”優秀”と評価されるようになる可能性があります。そうすると総合型地域スポーツクラブはチャンスですよね。そこにもう、色々なことができる環境があるわけですから。

 人はとにかく面倒くさがりです。色々なことができる人が優秀と評価されるからといって、色々なことをやろうとすると、色々なことを調べたりしなければなりません。サッカーはここでやって、ピアノはここでやって、仕事はここでやって、というのは、とにかく面倒くさい。そもそも始める前に調べるのも面倒だし、それぞれの手続きをするのも面倒だし、それぞれの人とコミュニケーションをとるのも面倒です。そこは絶対にワンストップでできちゃった方がいいですよね。総合型地域スポーツクラブは、そこができています。規模の問題こそあれ、方向性は完全に時代と一致しているのではないかなと思います。

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サードプレイスの在り方の変化

 さて、多様性が増す社会においては、コミュニティの在り方も変わるのかなと思っています。終身雇用の時代においては、とにかく『家』と『会社』というのが二大コミュニティとして君臨し、その比重が大きすぎるが故に家と会社以外の居場所が『サードプレイス』として注目されるようになりました。総合型地域スポーツクラブもサードプレイスとしてのポジションをとっています。

 ところが、家の在り方も会社の在り方も多様化した社会においては、少し事情が変わるのかなと思っています。家にも会社にも縛られる必要がなくなってくることが予想されますが、そうすると『サードプレイス』の役割も変わります。これまでは、二大コミュニティからの逃げ場的な役割が大きかった『サードプレイス』ですが、そもそも”二大”の比重が小さくなっていくので、サードプレイスの価値も小さくなりそうです。一つのコミュニティに依存する社会ではなくなるから、サードプレイス的な居場所を、いくつも持てるような社会になると思うんですね。

 ただ、これはこれで結構キツイ社会だと思います。人の本質の一つに、『安定を求める』があると思っています。コミュニティというのは、ただでさえ生き物的で、安定しません。いくつものコミュニティに所属するというのは、それだけ不安定さを抱えることになり、多くの人にとってはかなりのストレスとなるでしょう。そうすると、結局は一つの安定したコミュニティに長く滞在するようになっていくと思うんですね。

 そう考えると、いかに自分に合ったコミュニティに出会えるかというのがポイントになるのだと思います。色々なコミュニティを試した結果、やっぱりここが落ち着くわ~という所をみんなが見つけられる社会になるのだと思います。すると、一つのクラブの中に色々なコミュニティを持つ総合型地域スポーツクラブはやっぱり有利なのかなと思うんですね。気軽に色々なコミュニティに所属できるので。その中でお気に入りの一つのコミュニティを見つけて、落ち着いていける。あるいは、どんどんお気に入りのコミュニティを”変えていける”。流動性を高くできるというのも、総合型地域スポーツクラブの強みの一つでしたよね。総合型地域スポーツクラブ的には、クラブの中にさえ残ってくれれば、クラブ内のどのコミュニティにいてもらっても全く問題ないわけですから。

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 ということで今回は、『総合型地域スポーツクラブのこれからに期待できる理由』というテーマでお話しました。もしかしたら、総合型地域スポーツクラブの政策って、時期が早かっただけなのかもしれません。やっと時代が追い付いてきたのが今だとしたら、国が総合型地域スポーツクラブという政策に飽きちゃってるのは非常にもったいないですね。実は今こそ、総合型地域スポーツクラブに投資する時期なのかもしれません。そんなことをふと思いました。まぁ私は私のできることを引き続き地道にやっていきます(笑)

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5