エンジョイ志向コーチのモヤモヤはよく分かる

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『エンジョイ志向クラスのコーチの在り方は』というテーマで考えてみたいと思います。

-----

 エンジョイ志向の活動に集まってくる人は、明確な目標を持っていないことがほとんどです。スポーツをする時に分かりやすい目標は、「○○大会で優勝する」といったような、”勝利”を目標とすることですが、エンジョイ志向では当然これを目指す人はほとんどいません。基本的には、「楽しいからやっている」という状態です。もちろん、それはそれで認められて当然の状態です。なぜならスポーツは遊びだからです。遊びに目標設定が必要であるわけではありません。

 しかしコーチの立場は結構難しいです。コーチの由来は”馬車”で、馬車に乗る人が行きたい場所に連れていくのが役割です。コーチ自身に目的地を定める役割はありません。でも現実的にはコーチも人間であり、意思を持っています。「もっとこうしたい」「本当はこうやりたい」といった意思やビジョンを持っています。それを押し付けることはNGなのですが、コーチが意思を押し殺さないといけないとも私は思っていません。コーチに影響されて対象者の意思が変わることは全然”アリ”だからです。

 とはいえ、まずは「とにかくスポーツを楽しみたい」という人の意思・目的意識に寄り添うことが最重要です。その場合、コーチの在り方はどうすればいいのでしょうか。

 答えは結構シンプルで、『今の状態よりも、よりスポーツを楽しめる状態にする』なのだと思います。”より楽しめる”には色々な要素があると思います。

・技術的、体力的に成長する(=できなかったことができるようになる)
・ルールや戦術を理解する(=分からなかったことが分かる)
・仲間を増やす、関係を深める
・競争に勝つ、または白熱する

 エンジョイ志向といえども、これらの要素は楽しみに繋がるんです。エンジョイ志向と競技志向は、比重の違いでしかないんですよね。

 たまにエンジョイ志向を、「とにかく遊べればいい」などと誤解している人がいるのですが、それは完全に間違っていると思います。人間に飽きというものがある以上、ずっと同じ状態を続けると、いくら偶然性が大きく再現性が小さいスポーツといえども、楽しさは減ってきてしまうものだと思います。そこには成長が必要だし、変化が必要です。これは何もスポーツに限ったことではないでしょう。

 「エンジョイ志向の人たちが何を求めているか分からない」と、指導をしていてモヤモヤしてしまったら、冷静に楽しさの要素を思い出し、その要素を焦ることなく少しずつ増やせるように仕掛けていけばいいのだと思っています。

-----

ここから先は

856字
総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5