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マネジャーの一人称

 俺とか僕とか私とか。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『マネジャーの一人称』というテーマでお話したいと思います。地味でなんて事ないけど、できれば何とかしたい悩みのお話です。


 私の現在の立場は、一般社団法人ふじみスポーツクラブの代表理事なのですが、職業としては『クラブマネジャー』だと思っています。クラブをマネジメントする人、ですね。クラブ経営者、です。

 しかし、コーチでもあります。今は週に12コマほどメインコーチとして、3コマほどをアシスタントコーチとして主に小学生以下の指導をしています。

 つまり、マネジャーとして会員の前にいる時と、コーチとして会員の前にいる時があるということです。

 大人の会員と話をする時、一人称は「わたし」とか「ぼく」とかを使っています。それは特に意識することなく、普通に振る舞っている結果、そういう一人称になります。これは悩みではありません。

 問題は、子どもと話をする時です。
 子どもと話をする時、コーチとしてそこにいる時は、「コーチ」を一人称として使います。
「コーチはこう思うよ」とか、「コーチの真似をしてね」というように。
 もしそこに二人以上のコーチがいる場合には、「上杉」を付け足して、「上杉コーチ」と言います。これも問題ないですね。

 問題は、マネジャーの立場で子どもと話をする時でした。「マネジャーはね・・・」と一人称として「マネジャー」を使いたいところなんですけど、なんか違和感があるんですよね。「マネジャー」は一人称としてしっくりこない。実際に聞いたことないですよね、マネジャーのかたが自分のことを「マネジャーはね」とか言うの。
 じゃあ大人の時と同じように、「わたし」とか「ぼく」がいいかというと、これもしっくりこないんです。「わたし」は、堅苦しい感じになるし、「ぼく」は子ども達から「子どもみた~い」とからかわれて面倒くさい(笑) あ、これは私のキャラクターでは、という話です。子ども相手でも、「わたし」でしっくりくる人もいれば、「ぼく」で違和感のない人もいると思います。でも私の場合は、子ども相手に「わたし」や「ぼく」ではしっくりこないわけです。それが悩みです(;^_^A

 じゃあ今はどうしてるのか?ということですよね。今はたぶんですが、「わたし」と言っていることが多いと思います。うっかり、「コーチはね」みたいに言ってしまうこともかなり多いのですが、できるだけ「わたし」に言い直しているような気がします。マネジャーとしている時は、多少堅苦しくても、丁寧な言葉遣いの方がいいかなという判断で、「わたし」を使っている感じですね。しっくりはきていませんが(笑)


 なぜ「マネジャー」は一人称としては使われないのでしょうか?「コーチ」は一人称として使われているし、「先生」も使われますよね。「先生のお話を聞いてくださーい!」なんてよく言いますもんね。いや、もしかしたら、むしろそっちの方が不自然なのかもしれませんね。自分の立場を一人称にするということの方が。

 子ども相手に、立場を一人称として使う主な目的は、「立場の違いを認識させる」だと思います。「私がコーチだからね」というメッセージを”一人称コーチ”に乗っけている。その裏に、「だから言うこと聞けよ」というメッセージを乗せているのか、「だから何でも頼ってね」というメッセージを乗せているのかは人それぞれでしょうが(笑)

 いずれにしても、コーチや先生は、子ども達に立場を認識して欲しいからこそ、自身の立場を一人称として使っているのだと思います。その必然性があったというわけですね。
 ではマネジャーは?そもそもマネジャーという存在自体が、子どもの前にいるものではありませんよね。大体の子どもスポーツの現場では、コーチが現場のマネジメントもするから、マネジャーなんてほとんどいらないし、マネジャー的な存在がいても、それは保護者だったりするから、やっぱり一人称としての「マネジャー」は使われない。あるいは、マネジメントをする役割の人がいても、「スタッフ」などと呼ばれて、名前すら名乗れない場合も多いかもしれませんね。
 学校や幼稚園・保育園でもそうですよね。マネジャーというポジションの人は見たことがない。だから子ども達にとって、マネジャーというのは全然日常の人ではないんですね。だから「マネジャー」という一人称はこれまで存在してこなかった。「マネジャー」を一人称として使うのを聞いたことがなかったから、しっくりこないのだと思います。


 なるほど。ではやることは実はシンプルなのかもしれませんね。これは、『「マネジャー」を一人称として使う』が正解なのかもしれません。ただ聞き慣れないから、使い慣れないからしっくりきていないのだとすれば、ただ使い続けるだけで問題はクリアされるかもしれません。
 さらに、そうすることで「クラブマネジャー」というポジション・仕事の認知も広げることができます。スポーツにはそうやって裏で支える人がいるんだということを、マネジャーという割と表に出てきやすい立場をきっかけに伝えることができます。これは非常に意義のあることのような気がしますね。よし!「マネジャーはね」って言っていこう!

・・・・・・・・と思ったのですが、よくよく考えたら、ふじみスポーツクラブでコーチの立場でない現場では、ほとんど「クラブ代表」と名乗っていることに気が付きました。これは、立ち上げたばかりのクラブで、責任者の存在が非常に重要になると思ったから、積極的にそう名乗るようにしているわけですが、これを「マネジャー」と名乗りを変えたら、「あれ?クラブ代表変わったの?」となりそうです(笑) もしもそれが会員の不安・不信感みたいなものに繋がる可能性があるのだとしたら、これは余計なリスクな気がしますね。

 そうなると、もうちょっとクラブの組織が出来上がってきて、関係者が増えてきて、私が「クラブ代表」などといちいち言わなくてもいいようになるまで待った方がよさそうですね。「マネジャー」という言葉を普及させるのは。つまりそれまでの間、クラブマネジャーである私は、「うーん、しっくりこない」と思いながら、「わたしはね」と子ども達に話し続けるのだと思います(笑)


 というわけで今回は、『マネジャーの一人称』という私のちょっとした悩みをお話ししました。ここまで書いて思いましたが、「マネジャー」って二人称としてはポジションを獲得していますよね。「マネジャー、これ洗濯しておいて!」みたいなセリフはどこかで聞いたことがある気がします。高校の部活とかですかね。あるいは「マネジャー、これはどのようにしたらよろしいでしょうか?」みたいな会話は、お店や会社では普通に交わされていそうです。でもそれらの場面でも、マネジャー自身は「マネジャー」とは呼んでいない気がしますよね。呼ばれる「マネジャー」はあるけど、自分で「マネジャー」とは呼ばない。なんとも不思議な言葉です。全国のクラブマネジャーの人は、子どもの前で自分のことを何と呼んでいるのでしょう?気になるところです。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5