会費額に影響する消費税の話

 バドミントンの上達をめちゃくちゃ感じる。

 どうも!総合型地域スポーツクラブをやっています、上杉健太です。

 今日は、『消費税は間接税ではない』というテーマでお話したいと思います。かなり多くの人が誤解していて、場合によっては総合型地域スポーツクラブの経営にも関わってくる問題について、です。


 消費税について知らない人はいないと思いますが、『間接税』については、もしかしたらあまり聞き馴染みがない人もいるかもしれません。間接税とは、納税者が直接国に収めるのではなく、一旦第三者に預けて、その第三者が国に納税する形の税のことです。
 消費税については、「消費税は間接税だ」と、かなり多くの人が言い続けてきました。僕も結構長い間、そう思っていました。だから消費税が上がると多くの人が怒っていたんですよね。

 でも、消費税は国民に対する間接税ではないんですよ。これ、価格を決めたことがあり、消費税を納めたことがある事業者なら分かると思いますが、消費税が上がろうが下がろうが、価格って事業者が自由に決められるんですよ。
 例えばここに100円の商品があるとします。消費税は当初5%だったので、税込価格105円で販売していました。やがて政府によって消費税が10%に上げられました。となると、税込価格は110円になりそうですよね。でも、事業者は別にそうする必要はないんです。105円のままでもいいし、110円にしてもいいし、何なら90円にしても120円にしてもいい。自由に決められます。「自由に決めた価格の10%が消費税とする」と、後付け的に消費税額が決まるんですよ。実際の納税額は、そこから仕入れの際に仕入れ業者に支払った消費税分の額を差し引いた金額になります。商品の原価が50円だとすると、その10%の5円は既に納税したものとみなし、残りの差額を納めるということですね。

 つまり、事業者は価格を自由に決めて販売をし、その販売価格の10%から仕入れで支払った消費税分を差し引いた金額を消費税として支払っているということで、これはもう利益に対して課税される法人税とほぼ同じようなもの。消費税は事業者に対する直接税なんです。(※これはかなり前に裁判でも判決が出ていて、先日の国会かなんちゃら委員会でも財務省から答弁されています)

 さて、消費税については、併せてもう一つ知っておかなければならないことがあります。それが、『免税事業者』と『インボイス制度』ですね。
 消費税は事業者に対する直接税(法人税的なもの)なわけですが、実は納税を免除される場合があります。それが、課税売上が1000万円未満の事業者です。売り上げが1000万円に満たないような小さな事業者は、消費税を納税しないでいいことになっているんです。ダブルで課される法人税みたいなものなので、小さな業者イジメにならないようにしたのだと思います。
 しかし、世間では消費税は間接税だと思われていましたから、この免税事業者に対して、「消費者から消費税を預かっておいて納めないなんて、ネコババだ!」という批判の声もあるわけです。実は前にマネジメントしていたクラブで、同じようなことを税理士から言われたことがありました。(※税理士ですら消費税を間接税だと思っていた)
 僕はその時、税理士に、「いや、うちは免税事業者(当時)だから、会費額に消費税は入れていません。だからネコババなんてしていません。最初から消費税なんてとってないんです」と言いました。本当にその感覚で経営していましたし、僕のこの解釈は完全に正しかったはずなのですが、税理士には理解してもらえませんでしたね。「本来は納税するお金を懐に入れている」みたいなことを言われ続けました(笑) その後、売上1000万円を超えて納税義務が課せられた時に、消費税分を乗っけて値上げをしました。


 さて、次のキーワード『インボイス制度』にいきましょう。前にもお話したのでめちゃくちゃはしょりますが、仕入れの段階で納めた消費税を既に納税したものとするには、仕入れ業者が『適格請求書』というものを発行していなければいけないよ、というルールのことです。そしてその適格請求書を発行する為には、登録事業者になる必要があり、登録事業者になると売上額に関係なく、消費税の納税業者となります。
 これまでの免税業者からすると、インボイスの登録をしなければ引き続き納税から免れることができるが、適格請求書を発行することができず、取引先から契約を切られたり、価格交渉をされたりする可能性が高くなるという事態になっています。インボイスに登録すると消費税の納税。登録しないと取引先(または取引による収入)を失う。そういう感じです。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5