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住む地域によって感じる違い

 どうも、上杉健太(@kenta_u2)です。”誰もが、いつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる”総合型地域スポーツクラブを広める活動をしています。これまで7年間長野県のクラブでマネジャーやコーチをしてきて、現在は埼玉県富士見市での立ち上げにチャレンジしています。

 今日は、昨日宣言した通り、私がこれまで住んだことのある3つの地域(市町村)の違いについてお話したいと思います。なぜそんなことを話すのかというと、移住と呼べるレベルのものを2回やって、しかもそのどこでも地域での活動を行ってきたので、実は私のこの経験もなかなか貴重なものなのかもしれないというのが一つ。
 そして、改めてここ富士見市でチャレンジする際に、”これまでとは違うぞ”という意識づけをしたいというのが一つ。
 さらに、比較によって富士見市での目指すべき姿が何か見えればいいなというのが一つ。
 そんな狙いをもって始めたいと思います。

私が住んだ3つの市・村

 これまで私が住んだことがある地域は、3つの市・村です。

①東京都三鷹市
・0~30歳
・高校まで市内の公立校に通った
・19~30歳までフットサルクラブを運営(代表)

②長野県下伊那郡喬木村
・30~37歳
・地域おこし協力隊として移住
・総合型地域スポーツクラブの運営をした(理事・マネジャー)

③埼玉県富士見市
・37歳~
・総合型地域スポーツクラブの立ち上げ中

 それぞれの地域を、地域スポーツに関係しそうな指標で比較してみました。

【人口と高齢化率】
<三鷹市>
・人口:190,403人
・高齢化率:21.5%

<喬木村>
・人口:5,958人
・高齢化率:33.0%

<富士見市>
・人口:112,114人
・高齢化率:23.9%

 これまで、何となく三鷹市と富士見市は同じくらいだと思っていたのですが、三鷹ってこんなに人口いたんですね(^^;) ちょっと同じとは言えない規模でした。こういうのも改めて調べないと誤解したままになるやつですよね。

【学校と公共施設】
※施設の数は、複合施設の場合は部屋(機能)の数でカウント。

<三鷹市>

・小学校:15
・中学校:7
 ※全て小中一貫校
・屋内スポーツ施設(体育館など):13
・屋外スポーツ施設(グラウンドなど):15
・その他:―
☆施設あたりの人口(人口÷全施設数)=3,808人

<喬木村>
・小学校:2
・中学校:1
・屋内スポーツ施設:2
・屋外スポーツ施設:5
・その他:―
☆施設あたりの人口(人口÷全施設数)=595人

<富士見市>

・小学校:11
・中学校:6
・屋内スポーツ施設:11
・屋外スポーツ施設:10
☆施設あたりの人口(人口÷全施設数)=2,950人

 こうして見てみると改めて、2つの小学校区に1つの中学校って感じなんですね。そこは全国共通の感覚として通用するのかもしれません。

 そしてこれは喬木村にいる時から感じていましたが、人口が多いところほど施設あたりの人口も大きくなっていくんですよね。1つの施設をよりたくさんの人で使わなければならない状態。

(※今回は数だけで見ていて、キャパシティは考慮していないので、あくまでも感覚として)

 やはり人口が多いと住居や商業施設で場所をとられますからね。そう考えると、地域スポーツのデザインにおいて都市計画ってめちゃくちゃ大事ですよね。

 あるいは、都市計画ってそんなに機敏に動けるイメージがないから、市民レベルで地域スポーツをすすめるには、大きな土地を必要としないスポーツの場の開発も重要ですよね。

【スポーツ団体】
※「?」部分はネット上での公表がない数字

<三鷹市>
○総合型地域スポーツクラブ:2
・種目数:16
・会員数:326名
○スポーツ(体育)協会
・加盟団体数:32
・種目数:31
・会員数:6,624名
○少年団
・種目数:7
○スポーツ推進委員:24名

<喬木村>
○総合型地域スポーツクラブ:1
・種目数:20
・会員数:565名
○スポーツ(体育)協会
・加盟団体数:?
・種目数:?
・会員数:?
○少年団
・種目数:?
○スポーツ推進委員:?名

<富士見市>
○総合型地域スポーツクラブ:0
・種目数:ー
・会員数:ー
○スポーツ(体育)協会
・加盟団体数:26
・種目数:22
・会員数:?
○少年団
・種目数:?
○スポーツ推進委員:?名

 この作業をしてみて一番感じたことは、『情報格差』です。これ、三鷹市に合わせて作った指標ではなく、はじめに指標を決めてから調べたんですね。
 そうしたら、結果として三鷹市は全ての数値が揃って、他は揃えることができませんでした。

 私が情報を見つけられない理由は、『誰も情報を把握していない』か、『情報を誰も公開していない』です。

 そう考えると思い出してくるのが、大学時代に自治体のマネジメントの授業を受けている時、やたらと三鷹市が先進的な例で褒め称えられていたこと。地元の人として誇らしかったのを思い出しました。
 地域スポーツクラブを作るノウハウとしての『三鷹式』、学校開放、ICT、小中一貫教育など、とにかく先に先にやるのが三鷹市でした。

 どうやら三鷹市から学ぶことは多いのかもしれませんね。特にこの情報の把握と公開の仕方については、絶対に真似した方がいいですね。

 情報を把握して公開することの最大のメリットは、『住民参画を促せること』だと思います。私がやっているように、地域を良くする為に何ができるか考える人っているじゃないですか?その人が情報に気軽にアクセスできれば、勝手に課題を見つけて解決に動くわけです。
 これが、情報を誰も把握していなかったり、把握していても公開していなければ、このチャンスは失われるわけです。
 すると何が起きるかというと、“行政依存”です。市民は情報がなくて「よく分からない」のですから、“よく分かってるっぽい行政”に依存しちゃうんですよね。

(※それに対して行政が、「市民の皆さんの方がお詳しいので」という姿勢だと最悪の関係ですよね(^_^;))

 地域が一体となっていい社会を作る上で、情報の把握と公開は超重要だなと思いました。

 データが揃いませんでしたが、スポーツ団体から三者の比較をして思うのは、力の入れどころは地域によるということ。
 例えば三鷹市では、明らかに総合型地域スポーツクラブの規模は小さい。それは恐らく、これまでの歴史の中で体育協会がしっかり活動していたからかなと。総合型地域スポーツクラブの必要性が相対的に小さい。あとは地域のスポーツとして、生涯スポーツが実現されるように全体のデザインさえされていれば、総合型地域スポーツクラブが担うべき役割が小さくてもいいのだと思います。(そこは外からは見えない)
 逆に喬木村の場合は、総合型地域スポーツクラブの活躍の余地が大きく残っていた。そういうことなのだと思います。
 富士見市はどうか。まだ私には見えてない部分が多いです。

(※繰り返しますが、私は知る努力をしていますが、その地域の実態を知る為に大きな努力を必要とするということは、住民の地域参画がそれだけ難しいということになっちゃいます)

挨拶の違い

 さて、データの比較はこれくらいにしておいて、肌感覚レベルのお話をいくつか。まずは挨拶について。

 たまに、田舎の人が「東京の人は冷たい」と言うことがありました。私はこれには完全に「NO」と言います。東京にも田舎にも住んでみて、そのように感じたことは一度もありませんでした。

 田舎の人がそう思ってしまう要因はシンプルに数の違いだと思います。例えば挨拶。富士見市に来て改めて思い出したことは、「いちいちすれ違う人全員とは挨拶はしない」ということです。
 喬木村では、すれ違う人とは必ず挨拶をしたものですが、それを人口の多いところでやると、それだけで疲れちゃう(笑) だからみんなの中で、「挨拶くらいしなくても冷たい人だとは思わないようにしよう」というような暗黙の了解ができてるんですよね。
 だからすれ違う時にも“気軽に無視”をするわけですね。冷たいとか人格の問題ではなく、シンプルに人口の数の問題です。

共通言語の違い

 もう一つ、なるほどなと思ったことが、共通言語の違いです。喬木村の場合、かなり多くの人と共通言語を持つことができました。例えば、「○○スーパーの裏に住んでいる」と言えば、ほとんどの人に伝わる。しかし富士見市では、「そのスーパーどこ?」となる。目に入るものが多いから、それらをいちいち気にしていられない。使うお店や施設しか知らない。だから、生活拠点が違えば、その人から見える地域の姿は全然違うものになる。同じ地域で生きているようで、実は結構違う世界で生きていたりする感じです。そんなことを今感じています。

 これは、地域に依存しなくても生きていける現代だからこそ起きていることなのかもしれませんが、田舎と都市部(?)の違いとも言えると思いますね。


というわけで今回は、私がこれまで住んできた三鷹市、喬木村、富士見市の違いについて考えてみました。色々なところに住むからこその発見は必ずあるので、そこは絶対に『移住』というものの価値だなと思います。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!


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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

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