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小手先の工夫が得意な私達、日本人。

 長所は短所だし、短所は長所。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『小手先で何とかできちゃうと見失うもの』というテーマでお話したいと思います。


 これは、ポスティングをしている時に思いついたテーマです。先日、同じような家がたくさん並んだエリアにチラシを配っていた時に、「狭い土地に上手に家をはめているなぁ」と思ったんですね。たまーに、「玄関はどこにあるのだ!?」と、建ち並ぶ家の配置の複雑さに混乱しそうになることすらあります。それくらいに、狭いエリアにいくつも家を建てている。

 何となくですが、これは国土が狭いくせに1億人以上の人が暮らしている日本ならではのことなのかもしれません。私達は、既にあるものを上手に工夫して活用する“癖”があるような気がします。

 この“癖”は、長所であることは間違いありません。そのおかげて生まれた素晴らしい技術や商品はたくさんあることでしょう。しかし、逆に短所となっている部分でもあるのだろうと思います。物事の根本を考えずに、小手先に走ってしまう。そんな短所が私達日本人にはあるような気がするんです。


 そう思うと、既存の文化や習慣を大きく変えられないというのも、そういうことなのかもしれません。既にあるものの根本は疑わず、小手先でちょっと変えようとするだけに留めてしまう。

 『スポーツ』の捉え方もきっとこれなのだと思います。

『スポーツ=勝利』
『スポーツ=努力=苦しい』
『スポーツ=学校』
『スポーツが得意になれば楽しくなる』

 こういった考え方に囚われ続け、『スポーツは遊び』とか、『スポーツは生涯楽しみ続けるもの』という根本の部分には触れようとしない。指導法をアップデートしたり、暴力を排除したり、極めて表面的で小手先だけの変化に留めている。それが今の日本のスポーツな気がします。
 『総合型地域スポーツクラブを市町村に1つ作る』というのも、実は表面的なものなのだろうと思います。だから部活動や体育をそのままにしたまま、総合型地域スポーツクラブの普及を始めちゃった。根本の部分のダイナミックな変化を避けてしまったから。
「スポーツは学校で、学生だけがやるものではない!」とか、「スポーツはただ楽しめばいいものだ!」と言うのを避けちゃった。その“ツケ”が今回ってきている感じがしますよね。

 とはいえ、一部の人達(私も含む)がそうであるように、これまでの考え方を大きく変えようと奮闘している人はたくさんいるし、実は国の各省庁や各市町村が出している計画などではかなりいい事を言っていたりするんですね。
 総合型地域スポーツクラブに関する政策は、まさにそう。理念は素晴らしい。あれを読んだら、日本も欧米のように、生涯にわたって地域でスポーツをするのが当たり前の社会を目指すのだろうと思ってしまう。ところが、部活も体育もそのまま。先生の働き方の問題が顕在化されて、そっちの側面からやっと変える動きが出てくるという始末。今の部活動改革(学校から地域へ)は、当初から目指していた生涯スポーツ社会の形の実現という流れから動き出したのではなく、働き方改革という小手先の変化から動き出しているんです。スポーツの根本を問う動きではないんですね。

 どうやら、“言っていることは正しくて素晴らしいんだけど、やることはいつもそれとは違う”というのも私達日本人の特徴と言えるかもしれません。

 もしかしたら、形になっていないものを想像するのが凄く下手な民族なのかもしれません。まだこの世にないもの、理念とか理想、そういうものを想像するのが苦手。だから目の前のもの、短期的な目標、そういうものだけを大事に扱ってしまう。
 生涯という長いスパンでスポーツ指導をすることができず、選手がクラブやチームに在籍しているたった2〜3年の実績だけを目標にしてしまう。そこしか見る(想像する)ことができないから。

 これが、既存のものを小手先で工夫して使うのが得意な私達日本人の短所なのだと思います。

 とすると、せめて大きな理想や理念を持った者は、それをなるべく分かりやすいように発信し続けるということが大事です。とにかく、その理想や理念が想像できるように、できる限りの『見える化』を図る。
 文書に残したり、絵(画)に描いたり、物語にしたり、歌にしたり、日常のコミュニケーションの中で伝えたり、あらゆる手段が考えられます。伝えたいことは、繰り返すことが効果的だと言います。自分が言うことに飽きることなく、何度も何度も言い続ける。根本を変えるというのは、結局はそういう地道なことの積み上げの先にあるものなのかもしれません。

「みんな分かってくれない!」と嘆くのではなく、コツコツと地道に発信し、行動し続けていきます。


 というわけで今回は、ポスティングをしながら、「狭いところに上手に家を配置して並べるなー」という感想から気付いた、日本人の癖についてお話しました。誰かの何かの参考にもなれば幸いです。

今回もお読みいただきありがとうございました!
ではまた!

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5