埼玉県の総合型地域スポーツクラブ事情

 10月には埼玉県に認められた総合型地域スポーツクラブになれるはず。

 どうも、ふじみスポーツクラブの上杉健太(@kenta_u2)です。埼玉県富士見市で、誰もがいつまでも、自分に合ったスポーツを続けられる地域社会の実現を目指して、総合型地域スポーツクラブの運営をしています。

 今日は、『埼玉県の総合型地域スポーツクラブ事情』というテーマでお話したいと思います。埼玉県に来てまだ8か月ほどですが、少しずつ埼玉県の総合型地域スポーツクラブのことが分かってきた感じがしなくもないので、自分の整理の意味も込めて・・・。

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 埼玉県によると、県内には令和3年3月9日時点で96の総合型地域スポーツクラブが存在しています。63の市町村の内、47の市町村に総合型地域スポーツクラブがあるようです。未設置の市町村は16もあるんですね。結構多いように感じます。我々が活動している富士見市も、未設置の市町村の1つです。

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県に認められる条件

 埼玉県は総合型地域スポーツクラブの数をどのように把握しているかというと、クラブ側からの申請によって、です。埼玉県が公表している数字は、総合型地域スポーツクラブ側から申請されたものの内、埼玉県が認めた要件を満たすクラブの数ということになります。

 どのような要件が設定されているかというと、以下のようになります。

1.日常生活圏を基盤とした活動地域を指定すること。
2.年間を通じて、定期的・継続的に多種目・多世代の活動をすること。
3.地域住民が自主的、主体的に運営する非営利組織であること。


上記の項目を満たした上で、下記の全てを満たす組織であること。
(1)規約・会則等、年間事業計画、年間収支予算、役員名簿を有すること。
(2)事務局を設置し、クラブマネジャーを位置づけること。
(3)会員によって構成される運営委員会等を設置すること。
(4)定期総会を開催すること。
(5)適切なスポーツ指導者を配置すること。
(6)会員から会費(参加料等を含む)を徴収すること。
(7)地域住民の誰もが自由に参加できること。
この要件は、平成27年4月1日から施行する。

埼玉県県民生活部
スポーツ振興課

 活動内容よりも、組織の構成の部分の条件が多めですね。

 これらの要件を満たすクラブが埼玉県に、「総合型地域スポーツクラブとして認知してほしい」という申請を行い、県が認めれば”埼玉県に認められた総合型地域スポーツクラブ”となるわけです。

(※個人的には、県や市町村が認めたものだけが総合型地域スポーツクラブだとは思っていません)

 現在ふじみスポーツクラブは、ここの申請を出したという段階にいます。せっかくなのでそのプロセスを少しだけご説明します。

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埼玉県に認知されるプロセス

 まずは埼玉県スポーツ協会に申請についての一報を入れます。そこでは総合型地域スポーツクラブの支援などを業務としているクラブアドバイザーのかたが窓口となってくれて、色々とアドバイスも含めた指示をくれます。

 ここが第一歩です。すると、書類の様式を一式メールでくれるので、それを送ります。クラブの概要を示すものや、定款や規約、設立を証明する総会や理事会の議事録、チラシなどです。団体印の押印が必要な申請書以外は、全てスキャンデータをメール送付でOKでした。

 すると今度は、ヒアリングを受けることになります。クラブアドバイザーのかたと日程を調整し、2種目以上の活動を見ていただき、質問に答えることになります。ふじみスポーツクラブは昨日これを受けたわけですが、私が総合型地域スポーツクラブに既に精通した人間だと分かっていただいているからか、チェックみたいな内容ではなく、今後のアドバイス(特に指導者の紹介)がほとんどでした。つまり、認めない要素を探しに来るわけではなく、あくまでも一度クラブの実態を見たうえでちゃんと認知するという真摯な姿勢によるヒアリングだということです。怖がらなくて大丈夫です(笑)

 書類とヒアリングの結果を、埼玉県スポーツ協会が埼玉県に提出し、埼玉県の担当課が承認することで、めでたく埼玉県の総合型地域スポーツクラブの一覧に名前を連ねることができます。このことは、クラブが拠点としている市町村の担当課(スポーツ振興課や教育委員会など)にも通知がいくようです。

 埼玉県の場合、現在はこの承認を年に2回のみまとめて行っているようで、この9月までの申請を10月に承認するのが1回。そして、年度末に1回。順調にいけば、ふじみスポーツクラブは、10月には”埼玉県に認められた総合型地域スポーツクラブ”となります。

 ちなみに2021年度上半期の申請は3クラブだそうです。同じ時期に3つも設立されているとは、心強い限り!同期として負けないように頑張ります!

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県に認知されるメリット

 誤解しないでほしいのが、何も県に認知されないと活動ができないというわけではありません。ただし、県に認知されるメリットがあると判断するからこそ、それぞれの総合型地域スポーツクラブは県に申請をするわけですね。

 ではそのメリットとは一体何でしょう。

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総合型地域スポーツクラブや筆者の挑戦のリアルな実態を曝け出しています。自ら体を張って行ってきた挑戦のプロセスや結果です! 総合型地域スポーツクラブをはじめ、地域スポーツクラブの運営や指導をしているかた、これからクラブを設立しようとしているかた、特に、スポーツをより多くの人に楽しんでもらいたいと思っているかたにぜひお読みいただきたいです!

総合型地域スポーツクラブのマネジメントをしている著者が、東京から長野県喬木村(人口6000人)へ移住して悪戦苦闘した軌跡や、総合型地域スポ…

総合型地域スポーツのマネジメントを仕事としています。定期購読マガジンでは、総合型地域スポーツのマネジメントに関して突っ込んだ内容を毎日配信しています。ぜひご覧ください!https://note.com/kenta_manager/m/mf43d909efdb5