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サッカーはサッカーでしか成長できないと改めて思う

「サッカーはサッカーでしか上手くならない」
現在、セリエA ASローマを指揮するジョゼ・モウリーニョ監督が残した言葉です。
モウリーニョ監督がポルトを指揮する以前は、フィジカルといえばひたすら走り込んだり、重いウェイトを持ち上げたり。トラップの練習では手で投げられた優しいボールを足で受けたり、シュートを打ちやすいように落とされたボールを蹴ったり。
試合では起こりえない要素のトレーニングが組み込まれていてサッカー選手なのか、陸上選手なのか、はたまたボディビルダーなのか分からないトレーニング内容でした。
ピアノ奏者がピアノの周りを走ったり、指の筋肉を鍛えてもピアノを弾くことは上手くなりません。
サッカー選手もピッチの周りを走ったり、過負荷のウェイトトレーニングを行おうとサッカーをプレーすることは上手くならないから、サッカーをプレーすることにフォーカスしたトレーニングをすべきだと提唱しました。
日本においても柔道の阿部一二三選手は、ウェイトトレーニングをほとんど行わず、柔道の練習で柔道に必要な筋肉を鍛えると語っていたりします。

サポーターというのはチームの応援をしつつ、試合内容を評価します。
「あの選手がイマイチだった」「あの決定機さえ決めていれば」など。
「居酒屋トークなんだから好きにやらせろよ」と言われるかもしれませんが、ネットに議論の場を移せば、選手の目に入り、結果には反映されなくても少なからずプレーの選択に影響が出るかもしれない。それが塵積で結果になったり。
選手や監督に成長を催促するのであれば、1人の観戦者としてサッカーで成長していく必要があると思っています。
モウリーニョ監督が提唱した理論のように何だかんだサッカーはサッカーをする、見ることでしか成長できないと感じます。

英語の勉強をしていると正しい文章をスラスラ話せるのと同時にスラング言葉に憧れを抱きます。最近ではビリーアイリッシュがTwitterで独特なスラングを使い、注目されています。
ただ単語や文法がままならない内にスラングを使っても、何処かダサいし、カッコ悪くなってしまう。
語学において幹となる単語や文法の部分はめっちゃ大事で、幹がしっかりしているからこそ枝葉であるスラングや造語がよりカッコ良くなります。

サッカーにおいても同じだと思っています。
サッカーで幹にあたるのは旗でもチャントでもなくサッカーの競技自体です。
分からないなりに試合を見て、試合の中でおこる何故を追求することで1人のサッカー人としてのリテラシーが高まっていきます。そして、試合を見る程に何を狙いとしているか分からない沼にはまっていき、追求することの果てしなさに絶望します。
しかし、サッカーでの絶望の回数が幹を太くし、サッカー人として成長していくのだと感じています。
だから枝葉の部分だけをフューチャーするのではなく、競技としてのサッカーをもっと追求していこうと思うのでした。

あとがき:ザルツブルクに感度した話

日本時間の今週水曜日に21-22シーズンのチャンピオンズリーグが開幕しました。
僕の推しチームであるマンチェスターシティは、PSGvsレアル・マドリードという注目度の高いカードの裏で、アウェイでスポルティングCPと対戦し、0-5の圧勝。初戦からブイブイ言わせています。
そして、翌日にはインテルvsリヴァプール、ザルツブルクvsバイエルンミュンヘンの試合が行われました。ひねくれものの僕は後者を見ることにしたのですが、とんでもない衝撃を受けることになりました。

バイエルンは守護神ノイアーが離脱中ではあるものの、前線にはレヴァンドフスキ、サネ、ニャブリなど破壊力のあるスカッドで誰もが19-20シーズンCL王者であるバイエルンが試合内容、結果共に優位と予想していました。
しかし、試合が始まってるとバイエルンのCB陣のボール回しに微塵の余裕を与えないほどザルツブルクの前線の選手たちが襲い掛かります。
ザルツブルクはかつて南野選手も所属していた有望な若手選手の集まり。チームには欧州トップクラブに行ってやろうという野心と共に、現在マンチェスターユナイテッドの監督であり、ラングニックが植え付けた8秒ルールなどレッドブルグループ特有のメソッドが相まってペース配分お構いなしの猛プレスをしていました。
相手にあえてボールを渡し、カウンター志向のサッカーを展開。
最短最速でゴールに迫るようなやり方はファンの心を熱くさせ、かつての山雅を見ているよう。
結果は先制点をザルツブルクが決めるも、終了間際に同点弾を決められ1st legはドロー。2nd legが更に楽しみになる試合でした。

普段はマンチェスターシティの試合を多く見ているのでボールを持ってスペースを見付けながら崩していくことをサッカーの信条としていますが、ザルツブルクのボールは保持していなけど試合は支配しているやり方を見て、自分の中でのサッカーの概念がまた少し大きく広くなりました。

WOWOWにて視聴できるので是非見てみてください。


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