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中野孝次『本阿弥行状記』の読み方

先の「本阿弥光悦の大宇宙」展へ出かけて、光悦筆の「立正安国論」や「如説修行抄」など、また小野道風写経「紫紙金字法華経開結」の光悦筆による「寄進状」などを目の当たりにして、光悦の法華信仰は如何なるものか、いささか興味をそそられた。

という次第で、まず手にしたのは中野孝次『本阿弥行状記』(中公文庫)である。だが、中野孝次が原典の『本阿弥行状記』を翻案し、灰屋紹益『にぎはひ草』まで持ち出して、小説に描こうとしたのは“清貧の思想”ともいうべき生き方のようだ。やはり、まず原典に当たるべきか。

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