人はなぜ戦争をするのか-⑦

 フロイドは、「利己的(悪しき)欲動を社会的欲動に改善させるためには、二つの方法がある。一つは内的要因として、エロス(愛)的成分を混ぜることによって為される。第二に外的要因として、さまざまな文化的環境からの要求の代表として強制による教育がある。
文化とは、欲動の充足によって得られる満足を放棄することにより獲得されるものである。
結局、人間の成長の過程で生まれるすべての内的強制は、すなわち人類の発展の歴史においては、外的強制にすぎなかったと想定できる。」と言った。
 「解説」
ここでのフロイドの言う「悪しき欲動」とは何だろうか。別名「利己的欲動」とも言っているが、さらに深く掘り下げ、それらに付け加えると、自己や他者を攻撃、破壊したいとする死(タナトス)の欲動かと思われる。 
破壊、死(タナトス)の欲動とは何だろうか。それは人間にだけではなく、動物にもあるものです。 
たとえばライオン種族は、集団で他種シマウマを襲って破壊(死)する。    
ライオンたちは、個体種(悪しき)欲動を発揮し満足するが、シマウマにとっては、死の欲動とは逆に、満足ではなく死の恐怖となり、つつ”いて実際に死ぬ。
だから動物にとって死(悪しき)の欲動は、ライオンにとっての個体種欲動の一種類しかない(シマウマにとっては欲動ではなく死の恐怖となるから)
ところが人間だけは、個体種(悪しき)欲動が二種類もある。
上記の例からすると、ライオンのと、シマウマのとである。つつ‘‘く


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