神経症学入門ー1

 日本における神経症治療の第一人者といえば、現在も故森田博士(精神科医)である。森田は言う「病気を治すには、その人の人生を全うするためである。生活を離れて病気は何の意味もなさない。{角を矯めて牛を殺す}などまことに悲しむべきことである。」
近現代医学が身体部分治療にばかりに目を向け、一方で体全体や心の治療は薬ずけにしていることに警鐘をならしているようです。
 さらに森田は「病気は、つねに必ず身体的と精神的との両方面がある。ある患者は軽度の心臓弁膜症があった。この患者が3.4年来、心悸亢進、めまい、その他の症状に悩んでいろいろな療法を尽くし、家業は全く捨てて顧みることがなかった。私(森田)は、これを神経質(症)と診断し、私の精神療法によって全快させ、かえって前より盛んな活動家になった。」


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