見出し画像

ジャニーズ事務所は一体何を守っているのか?

どうも、ジャニオタの田村です。
10月末から11月頭にかけてジャニーズに関するニュースが次々と発表され、世間に大激震が走りました。

10/28: Travis Japanが「全世界」配信でメジャーデビュー
11/1: タッキーがジャニーズ事務所の副社長・ジャニーズアイランドの社長を退任
11/4: 「King & Prince」の3名が来年5月にグループ脱退・退所することを発表

私は「ジャニオタ」×「経営者」×「"文化"について常日頃から考えている人」という属性なので、「他のおじさんたちよりもジャニーズに(知識と)関心がある経営者のおじさん」という観点から「こんな考え方もあるよ」という仮説を述べたいと思います。
特に真相を知っているわけではありません。

ジャニーズの方たちは、手の届かない尊敬する存在の意味を込めて、人名は敬称略で表記します。

お前はジャニオタを名乗れるのか?

私はジャニーズ、特にジャニーズJr.のファンです。

「King & Prince」に関しては「ザ少年倶楽部」はもちろん「ガムシャラ!」「お兄ちゃん、ガチャ」の頃から見守っていました。

「King & Prince」は元々「Mr.King vs Mr.Prince」からはじまり「Mr.KING」と「Prince」に分かれて、デビューのときに「King & Prince」になりました。
「Mr.King」は紫耀・廉・海人
「Prince」は岸くん・神宮寺・岩橋(名字呼びなのは「ゆうた」が2人いるから?)
がメンバーで、「ガムシャラ!」には岸くん・神宮寺・岩橋・海人が出演していたので「Prince」推しでした。
岩橋はデビュー後に休養・脱退しているのであまり知られていませんが、神宮寺と岩橋はシンメトリーで「じぐいわ」としてファンの間で有名でした。

「ガムシャラ!」の影響で「SixTONES」「Love-tune(現・7ORDER)」も好きでした。(でした?)
特に安井は番組のMCを回していた他、「Kis-My-Ft2」にデビューを知らせる手紙を渡したので、「Love-tune」も誰かから手紙を渡されたらいいな、と思っていたのですが叶わぬ夢となってしまいました。
(色々あって「Love-tune」のメンバーは全員退所済み)

嶺亜は「この子はルックス的にジャニーズでやっていけるのだろうか?」と心配していたのですが、今となっては超イケメンになって「7 MEN 侍」で活躍しています。
本人の努力もさることながら、ジャニーさんの見る目はやはりすごいな、と反省しました。

あ、あと「A.B.C-Z」も好きです。

…くらいのレベル感です。

異例のサイレントデビュー?

10/28に「Travis Japan」がデビューしました。
「Travis」はアメリカの振付師「トラビス・ペイン」が由来になっており、ダンスを強みに持つグループです。
前述の「Love-tune」と兼任していたメンバーが抜けたり、新しくメンバーが入ったりと紆余曲折ありながらも
アメリカ留学を経て、メジャーデビューを迎えることができました。

10/28 渋谷駅で撮影

メンバーは前述の「ガムシャラ!」や「お兄ちゃん、ガチャ」の世代で「Snow Man」「SixTONES」そして「King & Prince」に続き
「やっとデビューできたね」と安堵の声ですが、不思議な点があります。

それは「皆さん、"Travis Japan"という名前、テレビで聞きました?」です。

通常ジャニーズJr.がデビューする際は、連日連夜テレビに出演を繰り返し、認知を広げます。
全くジャニーズに興味のない人でも「あのドラマに出ていた子」くらいの知名度にしてからデビューをします。
現に、今は「HiHi Jets」と「美少年」が売り出し中です。

推されない理由は「ダンス枠」「派閥」など様々な理由があると思いますが、私は「全世界」という点に着目しました。

突然の脱退・退所発表

話しは変わり「King & Prince」の脱退・退所発表について触れます。

11/4の23時、公式の発表をほぼリアルタイムで見て騒いでいました。
夕方くらいに「紫耀が脱退する」という噂が流れましたが、実際の発表は「3人脱退する」という衝撃的な内容でした。

内容を要約すると
「海外で活躍できるグループを目指していたが活動方針の違いが出た」
でした。

カンペを読まされているだとか、色々ありますが、形式的には上記が理由です。
大人の世界とはそういうものです…。

紫耀は「クロサギ」主演中だし
岸くんは「すきすきワンワン!」が決まっていたし
CMの契約も残っているしで
とても合理的な意思決定がされたとは思えません。

紫耀はジャニーズJr.時代に辞めようと思ったとき「CMの契約が終わるまでは続けよう」と考えた、ちゃんとした子です。

廉と海人が残るなら「Mr.King」に戻すことも「タッキー&翼」のように「廉&海人」にもできるのに、なぜ「King & Prince」を残すのか。
トラブルで出ていったメンバーが「帰ってこられる場所を残す」「それまで2人で持ちこたえる」という解釈もできます。
真相はいずれ明らかになるでしょう…。

派閥の整理

本題の前に、前提となる知識をご紹介します。
「派閥」です。

ジャニーズ事務所ではいくつかの派閥があり、ジャニーさんがご存命の頃は
「ジャニー派」「メリー派」「飯島派」がありました。
メリーさんはジャニーさんの姉です。

ジャニー派は「KinKi Kids」「V6」そして「タッキー&翼」…
メリー派は「嵐」「TOKIO」「KAT-TUN」「NEWS」…
飯島派は「SMAP」「Kis-My-Ft2」「Sexy Zone」「A.B.C-Z」…

「嵐」と「SMAP」の共演を見たことがない(過去にはあった)ことや、中居くんと「Kis-My-Ft2」がよく共演しているのは派閥が関係しています。

ジャニーさんとメリーさんが亡くなり、今では
メリーさんの後継者「ジュリー派」とジャニーさんの後継者「タッキー派」があります。(今となっては、ありまし…た?)
ジュリーさんはジャニーズ事務所の現社長で、メリーさんの娘、ジャニーさんの姪にあたります。

メリー派がそのままジュリー派になり
「SMAP」の騒動後の飯島派もジュリー派に
最近では「なにわ男子」が追加され
タッキー派は「Snow Man」「SixTONES」「Travis Japan」など「ジャニーズJr.」育成組でした。

ジャニーさんの意思を受け継ぐ者

やっと本題です。
世間はアンチ・ジュリーが多いので、ジュリーさん側の言い分を考えてみます。

お題は「ジャニーズ事務所が守っているものは何か?」です。
それは「ジャニーさんの想い」なのか「ジャニーズらしさ」なのか「ジャニーズ事務所としての存在意義」なのか…。

ジャニーさんの想い

ジャニーさんの教えの中に「世界に通用するエンターテイメント」という言葉があります。
この言葉には多くの解釈の余地があり、恐らくジャニーズ事務所のマネジメント側も、アーティストも、ジャニーズJr.も全員が同じ方向を向いているとは言えないと思います。

それはジャニーさんの「YOU好きにやっちゃいなよ!」という優しくも厳しい性格から来るものですが、亡くなってしまった今、真意を確かめることはできません。

「世界に通用する」を2つの言葉に変換してみます。
A: 「世界でも売れる、世界に合わせたエンターテイメント」
B: 「日本のエンターテイメントを世界に広げる」

ジャニーさんの想いは後者の「B」だと思います。(過去のインタビューから)
「日本のエンターテインメント」が軸にあり、欧米のマネをする訳ではありません。日本と欧米のエンターテイメントを融合させて「ジャニーズ」を知らしめよう、といったメッセージがあります。

だからこそ「滝沢歌舞伎」では「腹筋太鼓」があり、ジャニーズの伝統舞台である「少年たち」では戦争の描写があります。

しかし、最近は安易に「世界進出」を掲げることが多くなり、ダンスも歌詞も欧米のマネであり、前者の「A」である「ただの世界向けのエンターテインメント」になってしまう恐れがあります。
5月に結成した「Go!Go!kids」の子たちでも「世界進出」を掲げており「ジャニーさんの想い」が伝承されるか不安に思うこともあります。

ジャニーズらしさ

「ジャニーズ系」と言うと、総じて「イケメン」のことを指すと思いますが、厳密にはニュアンスが異なります。
イケメンじゃない人もいますし、ただのイケメンではジャニーズになれません。
そこらへんにいるイケメンとは訳が違うのです。
それはジャニーズJr.という育成組織があるためです。

オーディション系のアイドルグループはデビュー時に1日目を迎えますが、ジャニーズはデビューの前に数年から長い人は十数年の下積みを積んでいます。
デビューする頃にはベテランの領域であり、結束も強いグループができあがります。

特にジュリーさんは「1人で輝く」ことを嫌っていると聞いたことがあります。
ジャニーズはメンバーの人気がそれぞれ同じくらいで「グループで輝く」ことが「ジャニーズらしさ」である、と。

ジャニーズ事務所としての存在意義

前述の「世界進出」の考え方と「ジャニーズらしさ」の考え方を極限まで尊重し、その状況が今にも崩れ去りそうな場合
それは経営課題となり、真っ先に排除しなければなりません。

例えば
「海外アーティストのように歌やダンスをしたい」
「グループよりも個人の活動を増やしたい」
そう言い始めたのであれば、今回の脱退発表も対処を急ぐ気持ちはわからなくもありません。
(それでも、いくらなんでも、急過ぎるとは思いますが)

経営は5年後・10年後・更にその先を考えて意思決定を行うものです。
短期的な損失が大きい場合でも、長期的な「ジャニーズ事務所としての存在意義」が保てるのであれば、損失は最小限とも言えます。

ジャニーさんがいない今、ジャニーズとしての形を維持するためには
安易な「世界進出」や「1人で輝く」ことを牽制する意味で「見せしめ」の要素があったとも考えられます。

人気絶頂のアイドルグループを崩壊させるくらい本気、と意思表示には十分すぎる出来事であると言えます。

ジャニーズという文化

私は冒頭でも書いたとおり「"文化"について常日頃から考えている人」です。
文化とは誰か一人によって作られるものではなく、短期的な活動の繰り返しによって醸成されるものです。

地域文化でも住んでいる人や建物、お店やイベントは変わりますが「その土地の文化」は育まれています。
ジャニーズでも、アーティストはもちろん、経営者やマネージャー、芸の方向性など、ずっと同じものはありません。

今までジャニーさんの感性によって育まれてきたジャニーズですが、組織論的に言えば今後は「共通の価値観」を元に経営を進めたほうが健全です。
しかし、このお家騒動感もジャニーズらしいといえばジャニーズらしいとも言えます。
(巻き込まれる人からしたらたまったもんじゃないですが)

ジャニーズ事務所が守っているものは「ジャニーズ」という「文化」であり、その「文化」だけは事務所が守り続けなければならない。
その「文化」とは「日本のエンターテインメントを世界に広める」だとすれば、今回の突然の発表も理解できなくもなくはないです。

個人的には、今後も大勢の人に笑顔を届けるアイドルを輩出し続けて欲しい、その為にもアイドル自身が笑顔でいられる状態を守ってもらいたいと願っています。

飛び交う憶測

目一杯ジュリーさん側についてみましたが、Twitterで様々な憶測が飛び交っている中で個人的に一番しっくりきたのは下記です。

10月上旬に鈴鹿サーキットで「King & Prince」が仕事をしていた

観客席に脱退した岩橋がいて写真撮影をした

6人で撮影したことにジュリーさんがキレる

厳しい条件を出される(「もう会ってはいけない」等)

メンバーが受け入れられず脱退・退所へ

脱退したメンバーと会わないなんて、簡単だろう?と思うかも知れませんが、長い下積みと青春を共にしてきた仲なので、事が複雑になっています。
ただの憶測ですが…。

今後の動き

いちファンとしては真相が明らかにされることを願いますが、それ以上に今まで頑張ってきたメンバーが心配でなりません。

ジャニーズ事務所OBにタッキー・中居くん・飯島一派(新しい地図)がいるので何か新しい動きがあると良いな、と思いつつ、まずはメンバーの心が休まることを祈ります…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?