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神は細部に宿る 新入社員に向けたメッセージ クモデコラム#1


以下は4月3日、Robinグループでの入社式で話した内容です。

本日、入社をする皆さんへ3つのアドバイスをしたい。

「答えではなく、問題を探しなさい」

学生の頃は問題を与えられてその答えを採点された。社会に出ると答えのない問題を解かなくてはいけないと思っている人も多いと思うが実は違う。
仕事とは先に答えを決めてその答えに辿り着く問題を見つけることである。

 例えば7−5=2。学生は2が答えで正解だが、私たちは答えが2の問題を探さなくてはいけない。
 本当に7−5でいいのか?1+1や3−1は?10÷5はどうなのか?答えは1つだが問題は無数にある。問題が見つかれば答えに向けて解いていくだけ。しかし答えが見つからない時がどうしたらいいだろうか。
 そんな時に最も適切な答えをあらかじめ教えておく。
「今日すべきことをする」である。
忘れるな。

「常に考え、工夫し、改善せよ」

ピラミッドはどのように建造されたか。古くから多くの議論がなされてきた。人間のなせる事業ではない。宇宙人がやったのではないかという論まである。
論理的に考えてみよう。ピラミッド建造の登場人物は建造を依頼した人(おそらく王様)、それを引き請け責任を持つ人、設計をする人、現場管理をする人、石を刻む人、運ぶ人がいる。
みんなはどんな仕事、役割ならやってみたいか。逆に最もやりたくない仕事は何か?
 会社にも組織がありそれぞれの役割がある。目立った仕事もあれば、地味な作業もある。評価につながる仕事もあれば、そうでない仕事もある。やりたい仕事、やりがいのある仕事ばかりではないだろう。そんな中、成長しキャリアを上げていくにはどうしたらいいか。そのコツは「常に考え、工夫し、改善すること」にある。
 例えばピラミッドの建造にてロープで石をひく担当になったらどうするか?私ならもっと効率の良い方法はないか、どんな工夫をしたら作業は早く終わるかなど与えられた環境の中で考え、工夫し改善する方法を探すだろう。その積み重ねが次の仕事を呼ぶはずだ。自分でアピールせずとも周りからの見る目も変わり結果的にキャリアを引き上げる要因となる。次第に重要な責務を与えられるに違いない。

最も良くないのは「考えず、工夫もせず、惰性で取り組む」ことだ。
体を動かさないことを怠け者というがそうではない。怠け者とは何も考えない人のことだ。
 ただ言われるがままムチで叩かれないためだけにロープで石を引くだけならそれは奴隷である。奴隷になるべからず。常に考え工夫し改善せよ。最も怠惰なのは何も考えないことだとよく覚えておいてほしい。
 特に私は結果を出す人より、結果はともかく常に工夫し積極的に改善をする人を好む。頑張れ。

「神は細部に宿る」

 金沢市の名店と呼ばれる鮨屋へ行った。カウンターだけの小さな鮨屋だった。カウンターに座り食事をしていると向こうのカウンターの客と大将が話をしている会話が聞こえてきた。
 「大将のこだわりは何ですか?」
失礼な客だと思った。そりゃネタであり、シャリであり店構えだろうと思ったからだ。しかし大将はこう答えた。
「お茶とのり、わさびです」
「どうしてですか?」と客は聞いた。
「金沢には全国から鮨好きも集まってくる。名店も多い。だからこそお茶や海苔、そしてわさびといった代金を頂けないものにこだわりたい。鮨が旨いのは当たり前、それ以上にお客様に喜んでもらうにはどうしたらいいか。私は代金を頂けないものにこだわっています」と大将は言った。

私はこの店が好きになった。回転寿司ではなかなか聞けない名人の話である。
仕事にはお金にならないことはたくさんある。しかしそこに情熱を掛けているか?と問われればイエスとは言い切れない。お金がもらえないのだから力を抜くこともあるだろう。
 「神は細部に宿る」という言葉がある。見た目や受け売りの仕事では神は宿らない。人が見てない仕事、お客様に気づかれない仕事、手を抜いても問題のない仕事こそ情熱を注ぎなさい。

新入社員の皆さん、入社おめでとう。ようこそロビンへ。

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