5月23日、焼きそばにビールを入れる人とは

バーベキューをしていても不審者がられない時期がやってきた。私にとっては、友達の住んでいる山奥の家で、叫びながら全裸になりホルモンを焼いて跳ね返る油で太ももを火傷して、それを日本酒をぶっかけて冷まして友達の家の飼い犬の鎖を外して逃がして走り回った挙げ句、川に落ちる。というのがバーベキューの定義である。

そんなバーベキューには焼きそばが欠かせない。いや、欠かせないわけではないのだが。

専門学生の頃、学年全員でバーベキューをするという話になり、買い出しに何が必要か?と話していたときに、「はい!チキンナゲット!」と言った先生がいた。お里が知れる。

そのバーベキューには行かなかったが、チキンナゲットはあったのだろうか。コロコロと、網の隙間に落ちてやいないだろうか。そのまま炭になってやいないか。そもそも、その先生は参加したのだろうか。チキンナゲットと発言しておいて、参加せずチキンナゲットだけ置かれていたら、やり逃げチキン女になるぞ。

焼きそばの話だ。

バーベキューで焼きそばを作るときに、ビールを入れると美味くなる!という人間は、必ずいる。必ず、だ。

酒を飲む身としては、なんとなく分かる気もする。上手く説明はできないけど、家で焼きそばを作るときにはしないくせに、外の解放感とアルコールがそういう屁理屈な思考に辿り着かせるのだろう。


でも、お前が飲んでる、その飲みさしのビールを入れるんだろ?


と、私は言いたい。その時点でテンションは下がってしまうのだ。

私は決して潔癖症ではない。むしろ毛の処理の甘い女性は明日死んでもいいくらい好きだ。


でも飲みさしのビールを入れるのは違うんですよねぇ、おじさん。


おじさんの口汁と麦芽が混ざった液体で、焼きそばが美味しくなるのなら、マッチングアプリ関連の事件もきっと起きないはずなのだ。
おじさんの口汁は最高のスパイスなのだから。

なんてことを考えながら、今度はいつ全裸ホルモン日本酒ぶっかけ犬逃がし川落ちおじさん口汁入り焼きそばを食べるのだろうと、考えていた。

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