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ニューネッシーの正体(前編)

K.S.R.C ResearchReport FileNo.220001
2022/5/7報告  報告者:けんすぎ

 1977年4月25日。日本の海洋トロール船瑞陽丸がニュージーランドのクライストチャーチより東へ約50km離れた海域で巨大な腐乱死体を引き揚げた。
これが当時世界中を賑わさせたニューネッシーである。

 その姿は誰が見ても首長竜を想像させるものだった。
甲板にも引き上げられたが、腐敗臭がひどく残念ながら海に投棄されてしまった。
乗組員はいう。「今までサメの死体も見てきたがそれらとは違う」と。

 ここでは残された写真と乗組員のスケッチ、そして投棄される前に採取されたヒゲ状の体組織について見ていこう。

まずは有名な引き上げられた時の写真。

見るからに首長竜を想像させる。

当時の新聞記事には乗組員のスケッチも掲載されている。
ここには骨を持った足ヒレまでしっかりと書かれている。

朝日新聞 1977年7月20日号

さてこの生物はいったい何だったのだろうか?

写真から専門家は言う。
「顎が欠落したウバザメの死体だ」

ここでニューネッシーと同じような体勢で釣り上げられているウバザメの写真を見ていただこう。

ウバザメ
ニューネッシー

なるほど、確かに似ている。

唯一の物証である持ち帰った体組織のアミノ酸分析の結果は以下だ。

木村茂, 藤井克之, 佐藤元 「ニュージーランド沖の未同定生物から採取された角質繊維の形態および化学組成」『瑞洋丸に収容された未確認動物について』(日仏海洋学会, 1978. 7, pp.23-27)

これを見るとサメのアミノ酸の構成と見事に一致した結果となっている。

これらの結果から考えるとニューネッシーは首長竜の生き残りではなくウバザメだったようだ・・・

いや、本当にそうだったのであろうか?

乗組員のスケッチに残された骨格や、「サメの死体ではなかった」という証言はどうなるのか。

後編に続く!

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