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ニューネッシーの正体(後編)

K.S.R.C ResearchReport FileNo.220002
2022/5/14報告  報告者:けんすぎ

 前編ではニューネッシーの正体はウバザメだったのではないかとの結論までたどり着いた。

しかしいくつかの疑問が残る。

疑問1:アミノ酸分析結果

アミノ酸分析結果ではサメのアミノ酸構成と非常に酷似しているという結果が出ている。
しかし、だからといってサメだということにはならないのではないか?
サメは恐竜時代から生き残っている生物の一種である。
そのサメと恐竜時代の生物のアミノ酸構成が類似していないと誰が断言できるのであろうか?

当時アミノ酸分析をした東京水産大学の木村博士はこう発言している。

分析結果からは、(ニューネッシーが)サメだとは断言できない。サメの角質繊維に似た角質繊維をもつ未知の生物がいる可能性を否定することはできない。

疑問2:乗組員の証言とスケッチ

漁業のプロである乗組員はそれまでにも多数のサメやクジラ等の腐乱死体も目にしているが、そういった彼らが「サメではない」と証言しているのである。
またスケッチにしても非常に細かく書かれている。特筆すべきはヒレの骨格である。

矢野道彦氏のスケッチ(出典:『瑞洋丸に収容された未確認動物について』)

ウバザメのヒレにはこのスケッチにあるような指の骨はない。

やはりニューネッシーはウバザメではなく首長竜の生き残りだったのであろうか?


解明編

 実はこのスケッチを残した矢野氏は漁業の専門家ではないのである。
当時瑞陽丸に一緒に乗り組んでいたトロール事業部製造課の当時課長代理の本社社員だったのである。

ニューネッシーが引き上げられたときに乗組員の
「何だこれ!ネッシーの仲間だ!」
といった半分冗談めいた騒ぎ声を聞いた矢野氏は「ただの魚類や海棲哺乳類ではないと直感した」ため写真やスケッチを残したのであった。

 そんな矢野氏が残したスケッチであるが、後日の取材で実は直接ニューネッシーを見ながら描いたものではなく、海に遺棄されてから船室で日誌に描いたものだと証言している。
しかも骨格は直接目で見て確認したわけではなく、体の上から足で踏んだ際の感触によって想像して描いたものだという。

 矢野氏に悪気があったわけではなく、乗り合わせた船で偶然起こった貴重な体験の記録としてこんなことがあったレベルで記録をしていただけなのだ。それがニューネッシー報道がされる際に新聞記者に写真以外に何か無いかと言われた際に思い出し公表されることになったのである。

 また当時、アミノ酸分析結果からウバザメ説が出回った際にウバザメの下顎とエラが欠損したらニューネッシーのようになるのかを福島県いわき市の解体業者が検証している。
以下がその時の新聞記事である。

朝日新聞 1977年11月13日号
写真部分拡大

 非常に似た状態になっているのがわかるだろう。

 数々の証拠と状況からニューネッシーの正体はウバザメだったのであろうことはほぼ間違いない。

 しかしながらこの地球上にまだ人間の目に触れていない未知の生物がいる可能性は捨てきれない。

 次に怪しい怪物が引き上げられた際は頭部だけでも現物を採取してきていただきたいものだ。
それがあればあらゆる憶測を生むことなく事実が判明するのだから。

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